くれの二十九日

 本日は29日でありまして、今年も残すところ本日を入れて三日であります。

 そういえば、「くれの二十九日」という小説があったように思っていて、あれ

はどなたの作品であったかなと検索しましたら、作者は内田魯庵でありまし

て、作品名は「くれの二十八日」でありました。読んではいないけども岩波文

庫で持っているような気になることで、こんなのに関わっていたらであります。

 ということで、朝からすこし掃除をすることです。今日は台所を除いて天井と

か高いところのすすはらいをするからといって、長いはたきで天井をなぞって

いくことにです。すこしまとまったホコリが落ちてくることで、あとは掃除機をか

けて吸い込んでしまいましょうです。

 それについでは居間の床に積まれている本を片付けてしまうことにです。

まずは、出版社のPR誌と「本の雑誌」をまとめてしまうことにです。一年が経過

したら捨てるというようなルールを作ることができればいいのですが、これに

掲載されているもので、後になったから見てみたいと思うことが、ままあるので、

なかなか思い切ることができずです。(今のところは、ブログをやっているので、

それのための資料であるというような言い訳を考えています。しかし処分した

ら、それが必要になるということが言われていまして、当方もそういうことを経験

しておりますから、なかなか。)

 それに続いては、文庫本とか単行本でありますが、皆川博子さんのものや

藤本和子さんのものなどをまとめて一箇所に置かなくてはとか、取り出したまま

で所定の場所に戻していないものなどを行き先別に仕分けをすることにです。

 そういう作業をしていましたら、手にしていた本を開いて、手がとまることにな

ります。くれの二十九日なのにというか、くれの二十九日だから、これまでほって

おいた本が気になって、しかも読んでみますと、これが面白くてページが進むの

です。

 まあ、いまさらの本でありますが、本日にうっかりと手にしてしまったのは、いま

から35年も前に購入して読まなくてはとずっと思っていた網野善彦さんのもので、

いまは文庫となっている「日本の歴史をよみなおす」の元版になります。

 この本で網野さんは、十三世紀後半から十四世紀にかけて大きな転換期を

むかえると書いています。

「文字の普及によって社会の均質化が進んだと申しましたが、丸に四角の穴を

あけた銭が流通するようになったことが、日本の社会の均質化の進行に一つの

意味をもっていたことは間違いないと思います。こうした社会の変化が、沖縄と

北海道をのぞく日本列島の社会に、『民族』が形成されていくうえでの画期に

なっていることはたしかだと思うのです。」

 これを引用したのは、このなかに「沖縄と北海道」をのぞくとあるからでありま

して、北海道で生まれた山口昌男さんが、東京大学国史を学ぼうと思ったら、

北海道の人間に国史はわからないといわれたとつながると感じられるからです。

 北海道生まれの当方の家にも明治以前から伝わる文書などまるでありません

ですし、それどころか、この町にもほとんどないことに気づくことです。