2025年12月7日(日)、「レインボーライド2025」が開催された。
私も今回初めて参加できたのでレポをしようと思う。
「レインボーライド2025」とは
GRAND CYCLE TOKYO実行委員会と東京都が共催する、東京都港区と江東区の臨海部を走るファンライドイベントである。
最大の特徴は、「レインボーブリッジの首都高部分(自動車専用道路)を特別に走ることができる」という点である。縁のない人にとっては何のこっちゃの話かもしれないが、某映画作品の「レインボーブリッジ、封鎖できません!」の名ゼリフで知られる、あのレインボーブリッジを実際に封鎖して自転車で走ると言えば、まあ分かる人には分かる、なかなかに愉快・爽快なイベントだ。
コースは距離別で3つ用意されており、約8kmのショート、約20kmのミドル、約37kmのロングである。ミドルはレインボーブリッジに加え封鎖された東京港海の森トンネル(原付、自転車、歩行者通行止め)を走ることができ、ロングはそれらに加え更に封鎖された東京ゲートブリッジ(同、但し歩行者のみ歩道通行可)も走ることができる。
2022年が初回で、今年で4回目の開催となる。22、23年は11月23日(勤労感謝の日)の開催だったが、24年と今年は12月の第一日曜日にスライドした。開催規模は初回の3,300人から、今年は6,000人規模にまで拡大。応募総数と倍率は定かではないが、一応事前抽選制となっており、一都市で開催するファンライドとしてはおそらく国内最大規模であろう。
応募~前日まで
さて、レインボーライドに参加するためには、基本的にはまず抽選に応募し「当選」しなければならない。競技で言えばオフシーズンにあたる冬場のイベントだが、一般枠の募集期間は夏の盛りの7月中旬~9月中旬の約2ヶ月間。つまり、音楽ライブのようにかなり早い段階で(忘れずに)エントリーして予定を空けておく必要がある。また、朝の6時、7時台に始まるイベントなので、当日入りが難しい遠方から参加する場合には、当落に関わらず、予め宿泊先等を抑えておくような工夫も必要となる*1。
参加費は客観的に見てもかなりの高額で、最も人数が多いであろう「ロングの18歳以上」で1人15,000円…。コスト面も東京らしさ全開である。なお、抽選をスキップしたい人には先着100名限定で出走権確約のVIP枠もあるが、そちらはなんと1人55,000円。まぁ記念ジャージや特別コース走行の権利が付くので、価値観次第ではアリ…かな。
開催2週間前にゼッケンのセットが届くので、その時点で何時ごろ会場入りすればよいかが判明する(2025年のロングは6:00~8:10の約2時間幅)。ファンライドだから色々と自由かと言えばそうでもなく、特に自転車の仕様や装備には細かい規定があるので要チェック。
当日(会場入りまで)
スタート地点であるお台場周辺は、当日早朝から交通規制が入るし、そもそも6,000人もいれば車載組も相当数いて駐車場も混雑するので、自家用車での来場は推奨されていない。とはいえ、さすがに自走するには遠すぎるし…という事で、「路駐族」の私はいつものように車で近くまで行って合法的に路駐することに。
このブログを読んでくださっている方向けの○秘情報だが、レインボーライドの受付場所である「お台場青海地区NOP区画」から最も*2近い終日駐車禁止規制のない公道は、江東区辰巳の倉庫街にある。4つ隣のエリアになるが、自転車であれば所要15分程度で、ルートもほぼ一本道。平日は近隣の事業所に勤める人達の駐車でいっぱいでも、休日はガラガラ。混雑を予想して6時には現地に到着していたが、それらしき車は他に1台もいなかった。

私はロングの34W(ウェーブ)なので、受付開始時刻である7時過ぎを目安に、お台場のシンボルプロムナードを通って向かう。

ダイバーシティ東京のユニコーンガンダムの前で記念撮影。
ちなみに、今回のバイクの装備は写真の通り。ボトルケージはサドル後方にも追加して計4つ付けているが、飲料ボトルは保温タイプの1つのみ。ステムバッグを取り付けたのでハンドルバーバッグは外し、代わりにフロントカメラ用のスマホが付いている。レインボーライドは停車可能場所(2つのエイドステーション)以外で立ち止まることはできず、カメラ等を手に持っての撮影(手離し運転)は禁止だからだ。
スタートまで

区画入口の時点でデジタルチケットの提示が求められるため予め準備をしておいた方が良い。受付を通るとすぐに車検になるが、この写真だけでも2Wの若番から受付開始前の39Wの遅番までのゼッケンが写っているのがお分かりように、受付時間はかなーり適当。
ちなみに、車検では目の前の人がベルを鳴らせず、その場で購入となっていた。車検自体はちゃんとやっているようだが、かなり怪しい中国製電動アシスト自転車がいたりもしたので、そのあたりの適法・違法の判定は正直微妙。

会場内に入ったらそれぞれのWの待機場所で待機。ステージは後にここで行われる「マルチスポーツ*3」のためのもので、スクリーンには1km離れたお台場海浜公園でのスタートセレモニーの様子が、TOKYO MXの中継番組と並行して映し出されているだけ。
列形成が始まったのは7Wあたりがスタートする7:46頃。したがって40分程度は会場内でじっと待機していた事になる。

列形成してからお台場海浜公園までは徒歩で移動。言うならば差し引き26W分の参加者(約2,600人)が行列を成しているわけで、スタート地点に辿り着くまでも1時間以上歩いては立ち止まって、を繰り返す。
ライド

そして8:56頃、ほぼ定刻通りにスタート。走行中に関しては先述の通り、車載カメラのみ。




公園を出てすぐ、台場入口から首都高11号台場線に入り、このイベントのハイライトでもあるレインボーブリッジ(上部)パート。ショート~ロング共通なので登り勾配もそんなにきつくはない。ここは完全に渡り切るわけではなく、芝浦側橋脚付近の緊急用連絡路を使いお台場方面にUターン。
それにしても、晴天で風もほとんどないという好条件で、見晴らしも最高だった。

首都高は台場出口から出て、そのままアンダーパスで都道を進む。

しかし、完全に交通規制がされた(クローズドの)広い車道はこんなにも走りやすいのかと、感動すら覚える。

有明のフェリーふ頭入口交差点から海の森トンネルの側道までは1車線規制で、ここだけ一般車両と併走する。

そして、普段は原付以下は通行ができない東京港海の森トンネル。川崎港海底トンネル(神奈川県)や衣浦トンネル(愛知県)、関門トンネル(山口・福岡県)のように、人道が整備された海底トンネルは他にも存在するが、自転車で通行する場合には押し歩きが必須。つまり、このレインボーライドが国内で唯一「海底トンネルを自転車で走行できる」貴重な機会でもあったりする。アピールされていないからか、全然目立たない地味ポイントだけど。

海底部付近ではプロジェクションマッピングが実施され、幻想的な光景には参加者からも歓声が上がる。


「海の森」(以前の中央防波堤内側埋立地)に入ると左に折れ、海の森公園へ。ここは埋立地に植樹され造られた100%人工的な公園で、2020年の東京五輪に備えて一気に整備が進んだ。実際に公園としてオープンしたのは今年3月のこと。つまり、今年のレインボーライドで新規追加されたコースである。


公園内の周回路を一周し、南側の海の森水上競技場へ。なお、公園は盛り土がされており、公道からは若干登る形になり、逆に出る時はワインディングを下る格好になる。

最初のエイドステーションである海の森水上競技場(の駐車場)。だだっ広いところにバイクラックがズラリと並べられ、今までに見た事がない数の自転車で埋め尽くされていた。

エイドとは言うものの、飲食料品の提供は一口サイズのベーグルと紙コップの水のみ。実質的にはトイレ休憩だが、仮設トイレ10基のみなので大行列。

横ではチアの子たちが一生懸命演技を披露していた。が、目の前に自転車を停めている人がいたこともあり、見ている人もあまりいなかった。
海の森からはWごとではなく人数がある程度集まったら随時リスタート。

ミドルは海の森大橋で折り返し。ロングはこの先、このレインボーライド最大の難関とも言える東京ゲートブリッジに向かう。


ゲートブリッジはレインボーブリッジに比べ登りが長く、斜度もきつい。レインボーブリッジは内装3段ギアの一般車でもなんとか登り切れるが、ゲートブリッジは電動アシストがないとかなり厳しい。むしろ、登りに慣れていないスポーツサイクル乗りよりも、電動アシスト付き一般車に乗っている人の方が速いくらいだ。私も登り途中で3台に追い抜かれた。

登りがきつい分、逆に下りは今回のコースの中で一番爽快かもしれない。
(ゲートブリッジの下りでカメラの電池が切れたため走行中の写真はここまで)

ゲートブリッジを下りきったところの若洲海浜公園が第二のエイドステーション。と言うよりかは、ほぼトイレと写真のためのスポットになっていた。
ちなみに、若洲海浜公園自体は新木場方面からに限り普段から自転車での来訪は可能。ゲートブリッジの歩道も、完成から長らくは歩行者限定且つ中防側に降りられない(折り返し橋上見学のみ)運用だったが、今年3月、ようやく中防側での昇降が解禁された。それと同時に、押し歩きであれば自転車も歩道を通って良いことになったので自転車で「海の森」へ行くことも可能となった。当然、往復ともに若洲を経由する必要がある*4のと、日中時間帯に限定されるが。

公園の岸壁側をぐるりと周り、サイクリングコースを経由して駐車場(リスタート地点)に戻ってくる。給水所はこのリスタート地点の手前にあり、トイレは計3か所あった。
再びゲートブリッジを渡り、これまで走ってきたコースの反対車線でゴールへと向かう。
最後、レインボーブリッジに向かうアンダーパス側道からシンボルプロムナード(ゴール地点)へと向かうが、ここだけなぜか歩きだった。
そして、スタートから2時間29分で無事にゴール。完走。

Strava上の記録
走行時間は2時間弱。最高速度は43.8km/h(サイコン計測)と控えめだが、下りは漕ぐどころか断続的にブレーキをかけているくらいだったので、まぁ妥当な結果か。

ゴール後に計測チップを取り外してもらい、完走メダルと記念品をもらう。メダルは金属製のずっしりとした作りのもので嬉しい。記念品は謎のタイ製エナジードリンク。この他、参加者にはつみれ汁も振る舞われた。

評価
今回は初のレインボーライド、そして初の完走ということで、充実した内容であった。何よりも好天に恵まれたことが大きい。元々12月の関東は雨が少ないとはいえ、西高東低の気圧配置で風が強い日は多い。万が一強風となっていたら、レインボーブリッジと東京ゲートブリッジの双方が安全のために通行止めとなり、海の森で折り返すコースに変更となる可能性もあった。この点は本当に幸運であったとしか言いようがない。
その他、今回のレインボーライドに関する評価は以下に箇条書きで記したいと思う。
良かったところ、評価できる点
・臨海副都心のクローズドコース
全国色んな道を走った経験がある方ならわかると思うが、たとえ同じクローズドコースだとしても、それが都心か田舎かではまったく意味が違う。潤沢な予算で舗装が綺麗だし、ほとんどが片側2車線以上で広いし、走っていて純粋に気分が良い。
・ツボを押さえたコース設定
上でも散々解説したが、普段自転車で走ることができない区間を3つも含んでいるのは、ツボを押さえた設計だと思う。意地悪な言い方をすれば「わかる人にはわかる。わからない人には…」なので、わかる人にとっては貴重な体験という時点ですでに満足感がある。
・ボランティアスタッフの盛り上げ
沿道を中心に約450名のボランティアスタッフが配置され、安全確保をしつつイベントを盛り上げてくれた。勿論人によって温度差があるのは仕方がないが、全体を通じての印象は大変良いものであった。
・危険箇所の養生
自動車用に設計された橋梁・トンネル部の道路の繋ぎ目は、細いタイヤの自転車で走るにはかなり危ない箇所だが、しっかりとクッションで養生されており怖さは全然感じさせなかった。前回も参加された方によると、この点は前回よりもさらに改善されていたという。
残念だったところ、改善してほしい点
・スタートまでの待機時間が長さ
とにかく待ち時間が長い。受付開始時刻直後に会場入りしたら、スタートまで移動時間を含めトータルで2時間近くを要した。この間自転車には一切乗らず、待機時間と出走後の走行時間がほぼイコールという結果に。
・服装調節の難しさ
前項の待機時間の長さが最大の要因だが、朝の最低気温は2.5℃で厚着が必須である一方、日が昇って自転車を漕いでる間は身体が温まるし、上着は持ち歩かないといけないのがネック。現状では、寒さに耐えるか、暑さに耐えるかの両極端になる。
・トイレが少ない・案内がない
これも前々項の待機時間の長さが遠因だが、トイレに行くタイミングが難しい。いつ整列を始めるかアナウンスがなく、会場内~スタートに至るまでの待機中も案内がない。結局タイミングを逃してしまい海の森での行列に並ばざるを得なかった人も多数いた模様。仮設トイレの数も参加者数に対して明らかに不足。
・マーシャルライダーの個人差
ウェーブの先導者(マーシャルライダー)は複数の組織から出てもらっているようだったが、どうしても個人差が際立っていた。要所要所できちんと声掛けを(大声で)する人もいれば、ハンドサインだけで済ませる人も。ペースも人によってバラバラで、Wがばらけて空いているゲートブリッジの登りで10km/h前後に落ちる人もいれば、20km/h近くでガンガン登っていく人もいた。
・エイドステーションの運営
エイドステーションは、マラソンで言う給水所そのもの。これには賛否*5あるようだが、ファンライドである以上「冷水と一口ベーグルだけ」の低カロリーコンボはさすがにどうかと思った。補給の要否の問題ではなくて、"FUN"であることがイベントの本質であるはずだからだ。また、最大6,000人という規模に対しては、エリア作り、動線、チアの配置も今一つだった。
・受付時間の適当さと待機列追越し
公道に出て待機している間は、右側を空けて先行ウェーブに遅れた人を優先して通す運用になっていた。それもなぜか人が立っている真横スレスレを乗車OKで。これを許すのだったら、スタート時間から逆算してわざと遅れて行った方が待機時間が少なくて済むという話になる。と言うか、私も知っていたら絶対そうする。どう考えても不公平で危険なので、1Wスタート以降の追越しは一切禁止にすべき。
・ウェーブ間の時間的余裕の違い
どのウェーブに入るかで遅刻の許容範囲と足切り(回収車)までの時間的猶予が変わってくるわけで、先発ウェーブほど余裕があり、後発ウェーブほど余裕がない。VIP枠が先頭の1Wであるのは当然としても、2W~45Wは一般の抽選枠か団体枠のはずなので、どこに配置されるか次第で極端な話イベントの楽しみ方そのものが変わってしまう。
・極端な参加費の差
上述したように、せいぜい3時間程度のイベントで大人1人15,000円の参加費は決して安くはない。ただ、東京ならそれが高いとは感じない人も沢山いるはずで、だったら一気に値段が跳ね上がるVIP枠をもっと拡大・細分化して、先行ウェーブ確約の枠や絶対に参加したい人向けの出走権確約のみの枠、家族等向けに待機時間短縮の枠など、オプションに応じて25,000円~くらいで段階的にプライシングして売り出した方がいいのではないか。
まとめ
ここまで読んでくださった方ならご理解いただけるかと思うが、私自身、今回のレインボーライドの走行自体は「満足」であった。しかしながら、それは貴重な体験ができたという希少性が占める割合が大きい。要するに、1回参加すればまぁ十分かなというのが全体を通しての総合的な評価となる。
運営面では、参加者の意見を(多分)くみ取って、コースを変えたり、動線を見直したり、改善すべき点も一応ブラッシュアップはしているのだろうが、それにしても規模が大きくなり過ぎて、対応が完全に追い付いていない印象があった。特にスタート前の待機時間に関しては、過去に参加された方のレポを見る限りほとんど改善されていないようなので、是非ここは最優先課題として取り上げていただきたい。そして、エイドステーションに関しても、走りがメインのロングはともかく、ミドルの参加者にとってはイベントの主要なコンテンツの一つになるので、もうちょっと楽しめるよう力を入れていただきたい。
おわりに、私がリピート参加する可能性は低いと思うが、来年のレインボーライド2026がより良いものとなり、多くの参加者が満足できるファンライドになることを願いたい。