映画レビュー:『侍タイムスリッパー』―現代に舞い降りた幕末の侍たちの笑いと感動

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導入

2024年に公開された時代劇コメディー『侍タイムスリッパー』。第48回日本アカデミー賞でインディーズ映画として初めて最優秀作品賞を受賞した話題作です。

幕末の侍が雷に打たれ現代の時代劇撮影所にタイムスリップするという設定で、観る者を笑いと驚き、そして少しの感動に誘います。

私がこの映画に出会ったのは、たまむら映画祭での上映会でした。

玉村町文化センター小ホールでの舞台挨拶には監督の安田淳一さんも参加され、制作の裏話や自身の体験談を聞くことができ、映画の魅力がさらに増しました。

私自身、7月から始めた仕事が8月いっぱいで契約終了となり少し心が折れかけていた中で、この映画は「生きている限り、何でも挑戦できる」と感じさせてくれる作品でした。

あらすじ(ネタバレ控えめ)

時は幕末。会津藩士・高坂新左衛門は密命を帯びて敵と対峙するものの、雷に打たれ目を覚ますと現代の時代劇撮影所にタイムスリップしています。新左衛門は最初、現代の奇妙な環境や人々に戸惑いますが、次第に周囲と溶け込み、「斬られ役」として第二の人生に挑むことになります。

主人公を演じたのは、俳優歴26年で初主演となる山口馬木也。敵役・風見恭一郎には冨家ノリマサ、ヒロイン・優子には沙倉ゆうのが出演。撮影所でのユーモラスな日常や、タイムスリップ特有の誤解、仲間との交流が丁寧に描かれています。

感想

今回の上映会では、映画のクライマックスや風見の登場シーンが特に印象的でした。

個人的な感想ですが、風見が実は30年前にタイムスリップしていたという設定を緩やかに表現した演出が素晴らしく、笑いと驚きの両方を味わえました。

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また、新左衛門が真剣を握って演技する場面では、舞台挨拶中に退席する観客を見て複雑な思いもありましたが、それも含めて映画の現場のリアルを感じられました。

映画全体を通して、素人っぽさはなく、プロの演技と撮影技術が融合しており、笑えるシーンやコミカルなやり取りが随所に散りばめられているため、自然と引き込まれます。

私は以前テレビで予告編を見ていたため、鑑賞前から期待が高まり、上映会で直接監督の話を聞けたことでさらに映画の魅力を実感しました。

テーマ考察

『侍タイムスリッパー』は、単なるタイムスリップものではなく、「適応力」と「挑戦」の重要性を描いています。

幕末の侍が現代に適応し、斬られ役として新たな人生を切り開く姿は、困難に直面しても前向きに生きる力を象徴しています。

個人的な感想ですが、仕事で一度挫折した経験がある私にとって、この映画は「まだまだ挑戦できる」と背中を押してくれる作品でした。


他作品との比較

時代劇とコメディを融合させた作品として、『ラストサムライ』や『拳銃と目玉焼』と比較できますが、制作費が通常の邦画の10分の1以下であることや、スタッフが少数での自主制作である点が大きな違いです。

また、舞台挨拶で監督が語ったように、コロナ禍での資金調達や現場の工夫が映画の温かみを増しており、インディーズ映画ならではの魅力が随所に表れています。

まとめ

『侍タイムスリッパー』は、笑いと感動を同時に味わえる傑作インディーズ時代劇です。

たまむら映画祭での上映、監督の舞台挨拶、そして自分自身の体験を通して、この映画の持つ挑戦と適応のテーマが深く心に響きました。

タイムスリップや斬られ役という設定を通じて、現代に生きる私たちにも「まだまだできることはある」と示してくれる作品です。