2025年度の教員採用倍率が前年度より0.3ポイント低い過去最低の2.9倍になったことが、文部科学省の集計で分かった。倍率の低下は8年連続。受験者総数は10万9,123人で、前年度から7,059人減少し過去最少。採用者総数は3万7,375人で、前年度から954人増加した(1986年以降最多)。
調査は2024年度に各都道府県や政令指定都市が実施した採用選考の状況を教育委員会から文科省が聞き取った。それによると、小学校の採用倍率は2.0倍(前年度2.2倍)で過去最低。過去最高だった2000年度の12.5倍と比べると採用者数は4倍以上、1983年度以降最多の1万7,078人となっている。受験者数は約2000人減少しているが、その7割が既卒者で、臨時的任用教員や非常勤講師をしながら教員採用選考試験に再チャレンジしてきた層が正規採用されたことが理由とみられる。
中学校の採用倍率は3.6倍(4.0倍)、高校は3.8倍(4.4倍)とどちらも小学校と同じく過去最低となっており、既卒受験者の減少が響いている。中長期的に見ると小学校と比べて新卒の受験者数が減少傾向にあり、民間企業や他の公務員と競合するなかで人材獲得に努める必要がある。特別支援学校は2.0倍(2.2倍)で、新卒受験者は中長期的にほぼ横ばいである一方、既卒の受験者が引き続き減少している。
採用について各自治体の取組みを見てみると、一次選考の早期化、複数日程での採用選考、地域枠、大学院在学者・進学者に対する特例実施、「教師養成塾」の実施などのほか、英語の資格等や民間企業経験、大学・大学院推薦などを加味する特別の選考を実施する県市が増加している。
全体の採用倍率は2000年度の13.3倍をピークに減少の一途をたどっている。文科省は引き続き各教育委員会に様々な方法で意欲ある教師志願者の確保を要請するほか、給特法に基づく「指針」に即した業務の精選等の学校における働き方改革の更なる加速化、中学校35人学級等を通じた学校の指導・運営体制の充実、教師の育成支援を一体的、総合的に推進する。また、中央教育審議会で議論されている教師の質向上と入職経路の拡幅の観点から、免許制度等改革につい、審議結果も踏まえ必要な改革を実行するとしている。