京都大学大学院医学研究科とオムロンヘルスケア株式会社は、「家庭での血圧測定を4週間後も継続しているかどうか」をAIで予測するモデルを開発した。
健康的な生活を送る上で、医師や医療従事者の指導に沿って治療や生活習慣の改善を継続すること(アドヒアランス)は極めて重要である。特に高血圧は、心血管疾患の最大のリスク要因とされており、その管理には家庭での日々の血圧測定を継続することが欠かせない。しかし実際には、多くの患者が途中で測定を中断してしまうことが課題となっている。
本研究では、オムロンヘルスケア株式会社が保有する約30万人分、1億9千万件を超える家庭血圧測定データを活用し、測定の継続性を予測するAIモデルを開発した。年齢や性別などのユーザー属性に加え、測定開始から2週間までの血圧測定データをもとに、4週間後に測定を継続しているかどうかを予測する仕組みである。
解析の結果、このモデルは約9割の確度で将来の測定中断を見分けられることが示された。また、測定頻度や平日・週末の測定リズム、期間中の最高血圧値などが測定継続に大きく影響していることが明らかになった。具体的には、平日の測定頻度が減少している場合や、血圧値が高すぎる、あるいは低すぎる場合に測定をやめてしまう傾向がみられた。さらに、30歳以下の若年者、80歳以上の高齢者、女性では、測定を継続しにくい傾向も確認された。
従来の臨床指標だけでは捉えきれなかったこれらの特徴をAIが把握することで、測定を中断しそうな人を早期に特定し、医療従事者やデバイスが適切なタイミングで支援することが可能となる。本研究成果は、個人に寄り添った血圧管理を“続けられる”仕組みの社会実装につながることが期待される。

