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ispace、次世代月面小型探査車の開発でトヨタから支援–概念設計で技術評価など

2025.10.23 09:00

UchuBizスタッフ

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 民間月探査計画「HAKUTO-R」を進めるispace(東京都中央区)は開発する小型探査車(ローバー)の概念設計でトヨタ自動車から技術評価と品質向上の支援を受ける。10月22日に発表した。

 ispaceは月着陸を通じて自社で開発する着陸船(ランダー)やローバーでさまざまなデータを取得して顧客に提供するデータサービスを展開しており、民間企業による月市場への参入を支援、促進する上で重要な取り組みと説明。ローバーの探査性能を向上させてデータ収集力の強化を見据えて、次世代の小型ローバーの開発に着手したという。

 トヨタは長年の自動車開発を通じてシステムの開発や統合で知見がある。同社の知見に基づいて宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で「有人与圧ローバー」(トヨタでの愛称「ルナクルーザー」)の開発に取り組んでいる

 ispaceはトヨタにシステムレベルで技術的に評価してもらい、次世代の小型ローバーの開発で最適なシステム設計解に導くための支援を受けると説明している。

 ispaceは今後、ミッション3以降に自社で開発したローバーを月に輸送し、月面での運用から得られる走行データを取得する考え。データサービスを通じてトヨタのスペースモビリティ開発に活用してもらうことを期待している。

 ispaceはまた、民間企業が主導する、将来的な月面と月周回のインフラストラクチャー構想(シスルナ構想)の検討で民間企業間の協力体制構築を進める。今回のトヨタとの取り組みも、その一環と位置付け、シスルナ構想の実現に向けて連携を進めていくとしている。

 HAKUTO-Rのミッション1とミッション2は、それぞれ2022年12月11日2025年1月15日に打ち上げられた。2つのミッションで月着陸は失敗したものの、ランダーの設計と技術の検証、月輸送サービスと月面データサービスの提供というビジネスモデルの検証と強化には成功と説明。月周回までの確かな輸送能力やランダーの姿勢制御、誘導制御を実証できたと成果を解説している。

 HAKUTO-Rのミッション3は米法人が主導。米航空宇宙局(NASA)が貨物(ペイロード)の月輸送を民間企業に有償で委託する「商業月面輸送サービス(CLPS)」の一環であるミッション3は「Team Draper Commercial Mission 1」(正式名称)として2017年の打ち上げを予定している。

 2028年には、経済産業省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)による補助金を活用して、日本法人が「シリーズ3ランダー」(仮称)によるミッション4の打ち上げを予定している。

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ispace プレスリリース

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