古民家ギャラリーうした+古本カフェ便り

読書ブログなど、自分の興味のあることを書いていきたい。

2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミニヤコンカ奇跡の生還 松田宏也

山と渓谷社 1982年 なぜ、山に登るのか? と云う問いに、そこに山が あるからだ、と云うのは全く答えになっていない、 と云う教育を受けた僕に、手指や足を失うハメに なるのになぜ山に登ろうとするのか、その気持ちなぞ 判ろうはずもない。 この本は、…

寄り添って老後  沢村貞子

新潮文庫 わたしの脇役人生の読後、古本屋で見つけて 買ったもののなんかあったような気がして、 古本の蔵書を視ると、装丁のバージョン違いで 二重買いをしてしまったようだ。装丁が違うから 気付かなかったようである。 これで沢村氏は三冊目。八十歳を過…

広島風土記  井伏鱒二

中公文庫 2023年初版 井伏氏の「広島とその周辺」を描いた作品を 独自に選んだもの、と巻末にある。 これが広島だけの限定のものなのか、ちょっと ぼくには判らない。 井伏氏の人生を描いた半生史、井伏氏は備後 福山在の加茂村の生まれ、とある。そこで…

わたしのチベット紀行  渡辺一枝

(副題)智恵と慈悲に生きる人たち 集英社文庫 2000年 まず、敬愛するシーナ氏の奥さんであると云う ことで買うことを即決。 読んでみて、その真面目なチベットに対する姿勢、 考え方に感銘を受けた。 チベットでは魂は何度も行き来し、魂が抜けると 死…

猫に釣られた猫   江戸屋猫八

(副題)猫八のおもしろ釣れづれ人生 中公文庫 1985年 二代目江戸屋猫八による釣りに関する話である。 猫八氏は原爆にあわれたと云うことで、体調不良も あったということだが、この本のサブキャラ、細川 俊夫氏に伝授してもらい、速歩をやって、鍛えて…

クラシック音楽に措いてのノリについて・考

チャールズ・ブコウスキー師匠も愛した と云うクラシック音楽。それが好きだと なんか知的で好もしいたおやかな人物 と云う感じがして憧れてしまう。 でも、僕はこの数十年、そのクラシック 音楽について、いろいろ勉強した、良い と云われる指揮者の演奏も…

雀の手帖  幸田文

新潮文庫 昭和三十四年 百日間、エッセイを連作で綴った、名作。 出久根達郎氏の解説にもある通り、その文氏 独特の言い回しが、とても読んでいて近しい ものを感じさせるのではないか、と思う。 風のことや、日常生活をしている上での気づき、 そういう点か…

歌人の秀逸ななセンスと活きのいい躍動する言葉:もうおうちへかえりましょう 穂村弘

小学館文庫 2004年このエッセイを読んで、思わず(今では)笑ってしまったのが、体育の授業でボールをやりとりするのに相手がいなくて、先生とやるってところ。あぁ、おれっちも高校のとき、先生とやってたわ。ても、おれっちの場合、影のような存在ってわけ…

雑記+猫阿弥陀 出久根達郎

さて、何を書きましょうかねえ。先日は、歯医者に 行ってきました。歯を入れたんですが、快調この上 ないですね。仮歯の時は死ぬかと思いましたが。 僕は自分の使命が二つあって、ひとつは文学を極め ること。もう一つは、この世界をとことん観察し、 偵察す…

池波正太郎の映画日記 池波正太郎

山口正介・編 1995年 編纂をした山口正介氏は山口瞳氏の息子さん で、池波氏の出入りしていた銀座界隈の試写 室で時折、ばったりと出くわしていたらしく、 正介氏から身分を明かし、挨拶したと云う。 この本は、最後のジョン・ウェイン(1980 年七月…

古本屋の出会う珍事件:猫の縁談 出久根達郎

中公文庫 1991年 短編集「猫の縁談」表題作。猫のじいさんと云う 猫を引き取ってくれ、蔵書と一緒に、というじい さんが巻き起こす騒動を描いた短編。 珍しい棟方志功の本と引き換えに猫の面倒を見てくれ、 と云い出し、その果ては、その猫じいさんは泥…

雑記+陽は西へ 色川武大

この僕のブログは自分の思考実験の発表の 場だと思っているのだが、僕の小説とかの 作品は人に読まれていないものが、たくさん ある。しかし、僕はあまりプロになることば かりに拘っているわけではない。兎に角、 自分で納得出来るいい作品を書きたいと云う…

日記+たった一人の生還 佐野三治

作家になんとなくなりたく思って書き始めて 早くも数十年も経ってしまった。途中、何年か 休んだものの、続けて来て、飽きがきたと云う ことはない。 文学と云うのはやっていても人に迷惑を掛ける ものではないので、例えば、大きい何かを作る とか、大きい…

雀    色川武大

「虫喰い仙次」所収。 1986年 不思議な味わいの短編だった。昔の子供は運転手に なりたがったらしいが、それは子供なりのポーズだ ったと告白する。 電車に関して独自の想いがあり、畳のへりを線路に見 立てて走らせたり、けど、それは、男の子ならだれ…

観音   色川武大

「虫喰い仙次」所収。 1986年 家族の話しで、婆と云う祖母や祖父について、 つらつらと恨み言めいたことを描いている。 観音と云うのはちょっといい。 あれは、姿形がないからな。 ただの気配みたいなもので、と描いている。 また、この短編でも父が防空…

村上春樹的思考と我々に課された唯一無二性・考 ⅲ

村上春樹氏の羊をめぐる冒険などで出て来る 羊男の部屋が指し示す、僕たちに突きつける もの、それは、それぞれの唯一無二性だ。 僕たちは生まれながらにして、唯一無二なわけ ではない。一歩一歩、学びながら、独自性を獲得 していくのである。生まれたまま…

ナルコレプシー的混沌による短編:復活 色川武大

「虫喰い仙次」所収。 1986年 こういう短編は、一気読みしたほうが正解 なようだ。虫喰いみたいに読んだせいで、 元々解らない文章が一層分からなくなっ てしまったようだ。 どうやら、祖父が生き返った幻覚が視えていて、 それがどうやら威張ったりする…

村上春樹的思考と特別な場所・考 ⅱ

村上春樹的思考について引き続き考えて行こう。 羊男の部屋は特別な場所だ。それが自己顕示欲に よって表されたものだとしたら、いささか問題があ るだろう。 でも、彼は選ばれてしまったのだ。その、選ばれたこ とこそ、厨二病的発露となっているのだろう。…

四畳半神話大系   森見登美彦

角川文庫 2005年 一度、森見氏の本を読書体験したくて、横川で 新刊本で買ってみた。 四畳半と云うのは真四角で、ぼくが小三から高校三年生 までが違う部屋だったが、四畳半だった。とても個の部屋 としては狭さが気に入っていた。高校からは、ベッドも…