古民家ギャラリーうした+古本カフェ便り

読書ブログなど、自分の興味のあることを書いていきたい。

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

活字と僕とー年少の読者に贈るー  江戸川乱歩

「素敵な活字中毒者」所収。 昭和十一年 活字を愛する余り、少年時代に活字を買いに文字 通り走っていたと云う。あぁ、ぼくだって負けない くらい活字が好きなのだ、と喝采を挙げたくなる。 「少年世界」と「日本少年」と「少年」と云う 雑誌があって、それ…

古書商・頑冥堂主人   開高健

「素敵な活字中毒者」所収。 昭和三十九年 「週刊・朝日」に発表後、「ずばり東京」(昭和四十九年) に収録。ぼくも読んだはずであるが、全く失念していた内容 でした。 若き日の大兄の文章であると思うが、若書きでもなく、古書世 界がイキイキと赤裸々に…

長崎出身の作家の遺作短編:本盗人 野呂邦暢

「素敵な活字中毒者」所収。 昭和五十三年 この野呂氏と云う人は残念なことに43歳で 亡くなっている。長崎生まれで、小説にも長崎と云う ワードが出て来る。「草のつるぎ」で芥川賞を受賞さ れている。「草のつるぎ」は読了済み。この短編は 「野性時代」…

愛玩    安岡章太郎

新潮文庫 昭和三十四年 まだ母も父も元気だった頃の話だ。ウサギのアンゴラの 毛を獲りたいがために買い始め、家中がすっちゃかめっちゃか になっていくと云う。ミミズ、ナメクジのたぐいがおびただしく 棲息している、と云うのだから、気持ちが悪くなってし…

ジングル・ベル   安岡章太郎

新潮文庫 昭和三十四年 未だ戦後といっていいような頃、ジャングル・ジム だけ新しく、虚しく、高崎歩兵連隊初年兵の頃の軍曹 の掛け声を思い出させる。 へいっち、にっ、と云う拍子に合わせて、思わず、歩く 自分とは裏腹に街の喧騒はなんだか、実体なく、…

書痴論  紀田順一郎

夕飯に、おでんと赤飯を食べて、その後、 駅前のゆめタウンまで歩いて、パン屋の プチで巻いてあるアップルのパンとぶど うパンを買い求めた、お腹がすごく減って 来たので、誰もいない淋し気な駐車場の 細い階段の陰でもさもさと巻いてあるパン を食べてし…

讀書について 小林秀雄+日記

今日はクリスマス・イブでした。夕飯に、ホワイト シチューの饂飩を食べて、散歩に行って、教会の保 育園の前で急に走りたくなって、走って、アルゾに 行って、買い物したら、財布がなくて、家に忘れて 来たと思って、家に戻ると、バイクが停まっている。 そ…

秘密   安岡章太郎

年末になって来て、心なしか忙しなくなって 来ました。ぼくは、今日はケンタッキーに寄 って、2ピースセットを所望して、摂取して 来ました。あの、なんとも、オリジナルな味付 けが堪りませんです。 今日は、安岡章太郎氏の短篇、秘密です。 さあ、いって…

大衆小説に関する思い出 鶴見俊輔

「素敵な活字中毒者」椎名誠・選 所収。 集英社文庫 昭和十七年 ぼくはこの鶴見氏と云うお名前を存じ上げなかった。 自身、小学生の頃に、毎日4円の大衆小説を読んでい たことが読書歴の始まりだという。 父は政治家の裕輔氏だと云うことなので、自宅には本…

行きつけの   井上ひさし

「素敵な活字中毒者」椎名誠・選 集英社文庫 昭和五十三年 こういう色々な作家を紹介できるとは、なかなかにして 幸甚である。 井上氏は山形県生まれ、上智大に行って、在学中より テレビの懸賞ドラマなどに入選。「ひょっこり ひょたん島」を手掛けた。小説…

一九七八年(一月~六月分)  殿山泰司

「素敵な活字中毒者」 椎名誠・選、所収。 集英社文庫 昭和五十二年 父親が広島出身で殿山氏自身は銀座で少年時代を 過ごしたそうだ。 だが、エッセイの中でも時たま、広島弁が顔を出す。 俳優で、もし名前を知らなくても、顔を視れば、あぁ、 この人ね、と…

冬眠日記 大岡昇平

「「素敵な活字中毒者」椎名誠選」所収。 集英社文庫 昭和五十六年 1909年3月生まれ、戦争に昭和十九年に 応召され、行っている。 フィリピンで俘虜となり、一年間収容所生活を 送り、その後、作品にした「俘虜記」で横光利一賞 を受けている。 最も有…

昭和幻燈館    久世光彦

中公文庫 1992年 昭和も末になる頃の、TVプロデューサーの久世氏 の世界を垣間見ることが出来る一冊。 同潤会のアパートに身を潜ませたい、と願ったり、 ヴィスコンティのヴェニスに死す、の主人公、アッシ ェンバッハは作家から作曲家になったのは、ワ…

J・J氏と神田神保町を歩く   植草甚一

集英社文庫 昭和四十八年 このエッセイは、「宝島」の「こんなコラムばかり新聞や 雑誌に書いていた」と題し、寄稿した昭和四十九年に発表 されたもの。J・J氏とは植草氏その人である。 古本蒐集のすさまじさは有名で外国まで出かけて大量に 洋書を買い込ん…

書盗  内田魯庵

ぼくはもっぱら、楽しみの為、一択で本を 読んでいる。それでいいのだ、と思ってい るのだが、この世には本を悪書として憎悪 し、或いは、愛する余り、燃やしてしまうひ ともいるらしい。 今日は、内田魯庵と云う昔の翻訳家の短編です。 ーーーーーーーーー…

何のために小説を読むか? 石橋喬司

集英社文庫 昭和五十六年 何のために読むのか? 五つの要求に分けて 分析している。うーん、ぼくは思うに、こう いうのに意味はあんのかなア、なんてね。言葉 尻で理解して読んで、それがどうしたってこと ですよ。この人は推理ものをよく読む評論家み たい…

雨    安岡章太郎

ぼくは、このブログを部活とおもって、更新 しているし、読書の蔵書メモとしてつかおうと おもってやっている。 最近は書評スキルが若干、矛先が鈍って来ている 感じがしないでもないな、と感じている。 今日は、安岡章太郎氏の雨と云う短編です。 ーーーー…

本をたべる 田辺聖子

やっぱり、人生は忙しいよりヒマと云う方が どっちかというと芳しいのかもしれませんね。 気が向いたので、田辺氏の短編をご紹介します。 ーーーーーーーーー OL生活の傍ら、同人誌「航路」に参加したこと が契機になって、作家になったという。 こんなに…

詩 自殺指南    鶴岡 卓哉

なんか、読書ブログばっかりっていう のも倦みてきたかんじがするので、今 日は詩をご紹介しよう。 自殺指南と云う詩だ。 ーーーーーーーーー 自殺指南 下水管を伝って臭ってくるらしい 逆再生させる大歓声 氷の声を深く吸う 染み込ませたシートを燃す 注射…

愛書人行状記  武井武夫

集英社 昭和五十年 この武井氏は、よく存じ上げないが、童話雑誌の 挿絵画家から出発された方だということだ。 豆本を愛した男の話しや、引っ越しの際、トランク に入っていた貴重な本を野球をやっていた少年が 盗む、そして、愛でているところを一年後にみ…

活字中毒者の一日  山口瞳

集英社 1983年 この「素敵な活字中毒者」椎名誠選 日本ペンクラブ 編の21編をみていこう、とこういう趣向である。 まずは、栄えある第一発目は山口瞳氏であり、氏は 「江分利満氏の優雅な生活」(読了済み)で直木賞を 獲った文豪である。 開高健大兄…

蛾   安岡章太郎

新潮文庫 昭和三十四年 実に、それは不思議なことであった、とはじまる 短編。脊椎が、どうやらおかしい、と云う主人公 の耳に蛾が入り込み、うごく度にバタバタと気も 狂わんばかりに、気狂い踊りを踊るようになって ちょっとヘンな軍上がりの医師のやって…

宿題  安岡章太郎

新潮文庫 昭和三十四年 弘前の小学校から東京・青山の南学校へ転校 したあと、その生活態度を描く。 ぼくは小学校、中学校、高校と埼玉にいて、転校 したことは一度としてない。 どっちかと言うと定住型の癖がついたのは、そういう 経緯があってのことなのか…

ホルムヘッドの謎 林望

文春文庫 1992年 ぼくは林氏のエッセイ、イギリスはおいしい2から はいった読者なので、先生と呼ばれていて、しかも、 書誌学の権威だったなどとはつゆともしらない初心な 読者、いや、無知な読者のひとりだった。 本書の読み物として、ひとつ、ラウン…

黄色い日日  梅崎春生

新潮文庫 「桜島・日の果て」所収。 昭和二十四年 黄色い日日の黄色とは黄疸(おうだん)である。 最近では聞かなくなった気がする病名だが、戦後の ころには多かったようだ。 蜆(しじみ)が効くようで、ここでも蜆が登場する。 知り合いにそそのかされてか…

海辺の光景 安岡章太郎

新潮文庫 昭和四十年 狂いつつあり、そして、狂ってしまい精神病院 に入れられてしまった母に捧げるバラード。 人が狂っていくのを見るのは辛いだろう。それが、 母となると、これはもう耐えられないほど 辛かろう。 看護人が手製のジュースをやり、それが死…

ユーコン漂流  野田知佑

文春文庫 1998年 約三千キロを三年にわたり、夏の間だけ二か月間、 計六か月かけて、カヌーで下った冒険譚。 一週間も川辺のキャンプで泊まってしまうとは、 ぼくには考えられない。なんとも自由、気まま、漂泊 を繰り返し、ああ、と溜め息しか出ない。 …

お笑い・考+蜆(しじみ) 梅崎春生

ぼくの考えるとこ、お笑いっていうのものは 差別を笑う、っていうのは、定説になっている と思うんだけど。ぼくは差別に嫌悪感を抱いてお り、いまのお笑いのあげあし取りみたいな笑いは あまり好かんね。そういうことがお笑いのひとつ の終焉の原因でもあり…