古民家ギャラリーうした+古本カフェ便り

読書ブログなど、自分の興味のあることを書いていきたい。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

食卓のつぶやき     池波正太郎

朝日文庫。 幼年時のお弁当の想いで、青年期の戦時中の事や 、フランス、インドネシアで過ごした旅行の日々 を描く。池波氏は気功学に執心してらしたらしい。 二黒土星の女性のことをえらく褒めておられる。 湯布院を大層気に入っておられたが、魔の手が伸 …

いつか汽笛を鳴らして    畑山 博

第67回昭和四十七年上半期。 みつ口がコンプレックスの河上が学校で飼っている クジャクを殺した朝鮮人に心の傷を負い、大人にな っても朝鮮人に失恋したり、精神的弱者を描いた作 品と受け取った。日本の社会では畸形は疎んじられ る。文學は常に少数派のた…

あの頃の事    宇野浩二

(子を貸し屋、所収)新潮文庫。 必至に文学修業のつもりでもって書いた原稿を 買い取ってもらえず、憤懣やるかたなく、指を 1,2,3、と折って数えて怒りを抑える。何 て人間臭いんだろう。所謂貧乏小説の王道であ るが、そこには確かに生活がある。どん…

春の草   石川利光

№183 第二十五回上半期。 京口という男の世の浮草を文学的に 描いた作品と受け取った。ひとつひ とつのエピソードは奇抜でだらしな い感じが、昭和を感じさせる。全体 的に暗いと僕は思ったのだが、新鮮 なレモンという評にはちょっと驚い た。先生方はそ…

誰かが触った   宮原昭夫

№182 第67回昭和四十七年下半期 ハンセン氏病療養所のことが書いてある。ハンセン氏病は 伝染力もなく、隔離は必要ないらしいが、その容姿から、 その当時はまだ存在してたらしい。 爽やかなタッチで軽快に書かれていて、とても読みやす く、気持ちの良い…

人心     宇野浩二

№181 新潮文庫 小説家を志している男が、ヒステリー持ちの元女房に 手を焼いていたが、後に自殺。つぎにゆめ子という子 持ちの芸者に入れあげる。屑屋に居候して、小説を一 年かけて書き上げ、最後には名を上げるようである。 その様が色々なエピソードを…

梅雨の頃    吉行淳之介

№180 吉行淳之介全集6 (昭和31年7月「文學界」) 10pの短編。一郎、中学生の時に腸チフスに かかったことを描いている。地味な作品だが、 それだけに味があって、渋い作品である。父と子 というテーマも加わっている。チフスは治るが、 父は死んでし…

夏のかけら    鶴岡  卓哉

夏のかけら 夏のチケットをもぎり、搭乗したシーズン もう間に合わせの天ぷらではなく 血の湧きたつ夕方に吸血鬼たちは 踊り騒ぎ、満月に吠えた 雑草のわきにうずくまり ゴミ箱もなく、君はどこに捨てるのか? その夏のかけらを (2016 9・1)」

異邦人     辻亮一

№178 第二十三回昭和25年上半期。 日本人として、木枯国人となり、共産主義の 国で労働者として働く姿を描く。それにして も、思想とはここで描かれている便所掃除の 如くバッチイものか、と思ってしまう。その バッチサは糞尿譚の比ではない。働くという…

わたしのグランパ   筒井康隆

№179 文春文庫。 ムショに入っていたおじいちゃんが十五年ぶりに 娑婆に出てきて、孫娘との思い出深い日々を過ご すという話しである。やたらとヤクザが出てくる が。設定の頃は88年か、バブル期で、地上げ屋な どがモチーフとして出てくる。グランパは狡…

怪しい来客簿     色川武大

№177 文春文庫。 読むほどに色川氏は本当の意味の平和主義者 であり、人間に価値を見出した人なのだ、と 感じる。無名の婆さんからボクサーまで、こ こで取り上げられる人たちはどこか影があり、 ひと癖ある人たちばかりである。いわゆる人 間臭く、泥臭…

壁 S・カルマ氏の犯罪    安倍公房

№176 第二十五回昭和26年上半期 名前を失くしたS・カルマ氏の寓話である。安倍作品は 一作一作作り込まれた世界観の美しさがある。文章も巧 みだし、その世界を語るだけのテクニックがある。 ボクは安倍作品の中で一番好きなのは、方舟さくら丸な のだけ…

食い意地クン     久住昌之

№175 新潮文庫 孤独のグルメはずっと好きで見ていたが 、この本も楽しい。それぞれ、焼き肉、 ラーメンからキャベツまでいろいろな 料理について店紹介も交えながら、熱く 語っている。それも読んでいて、全然楽 しくて、思わず食べたくなってきちゃう の…

東山魁夷展

広島県立美術館で行われている東山魁夷展 に行ってきた。三万人が来場したという。 代表作「道」をはじめ、唐招提寺御影堂障 壁画三部作。台風が来る前のような静けさ の中で木が風に凪いでいる姿は胸をざわつ かせる。そして、その墨の色のすばらしさ。 普…

砧をうつ女   李恢成

№174 第九巻 第66回昭和46年下半期 朝鮮人の母のことが描かれている。母は 志を持った人だったが、身ごもって、出 産の際に死んでしまった。ちょっと作り 話クサいのが気にはなったが。キレイに 整い過ぎている感はあったかな。もっと 混沌とした文章の方…

東京日記 卵一個ぶんのお祝い。  川上弘美 絵・門馬則雄

№173 絵・門馬則雄 ついでと言っちゃあなんだけど、古本屋で 買って帰り、ちょっと読んでみたらハマっ てそのまま最後まで読んでしまった。 川上さんの五分四ホントのことという日記 である。日々の面白い人たち、大福おじさ んとか、サルが現れた時の対…

世界ケンカ旅   大山倍達

№172 徳間文庫。 極真空手の師匠、大山倍達(ますたつ)が世界中で 暴れまわる。ニューヨークではギャングと対峙し、 シカゴでは猛牛を倒し、ブラジルでは短剣使いに 絡まれ、香港では陳老人に”半月殺法”を教えてもら い、東南アジアではキックボクシング…

暢気眼鏡(のんきめがね)   尾崎一雄

№171 第五回昭和12年上半期。 他9編の短編から成る。所謂貧乏小説だが、そこは やはりつい夢中になって読んでしまうほどに魅力に あふれている。ジメジメとしていないので、貧乏も 笑い飛ばせてしまう。こういう力強い身辺小説とい うか私小説を読むと、…

肥った女     アンドレ・デビュース

№170 島田絵海・訳 短編。 青春期に友達の助けを借りて、ダイエットに成功した ルイーズ。しかし、結婚して、妊娠すると、昔のように 食べ始め、激太り、幸せも束の間、旦那のリチャードは 怒りっぽくなってしまった。ルイーズは思う、この赤ん坊 も家も…

Pカフェに咲いたヨルガオ!

夜だけ咲くヨルガオです。なんと怪しくも魅惑的な んでしょうねえ。夜に咲くのでお客さんにはお見せ できませんけれど。けなげに、誰にも見られなくて も咲くんですから。植木鉢でもこんなに咲くなんてね え、夜の女王という感じですか。いや、夜の白い姫た …

ああ、好食大論争     開高健

№170 潮文庫。 きだみのる氏、檀一雄氏にはじまり、團伊玖磨氏、安岡 章太郎氏に至る。対談集である。 世界中の料理について放談し、美食とエロスと放浪とに はじまり、「よき葡萄の木は「天才」に似て」に終わる。 メシは脳を作るというが、これだけのい…

虹色マフラー展やっています!

今、P カフェでは、虹色マフラー展と題して マフラーの即販会をやっています。どれも手 に取ってみてください。どれかが気に入って いただけるはずです。秋色から明るい色まで 幅広く取り扱っております。ぜひステキなマ フラーをして、秋の行楽にお出かけし…

田紳有楽      藤枝静男

№180 講談社。 川上弘美氏があるエッセイで賛美していてそれで 読んでみたいとずっと思っていた。古本屋で見つけ て即購入。川上氏は内容に触れていなかったように 思うが、勝手にエッセイ集だと思っていたが、読 み進めるうちに違うので驚いた。川上氏が…