築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

ところで築地はどうなってるの ? 2025初冬

築地場外市場は12月は「買い物客優先」のため観光客を控えてもらう方針だそうで、ツアーやガイドなどの受け入れを縮小、食べ歩きの禁止(もともとだけど守られていない。そもそも食べ歩きフードを売りすぎ)などを打ち出しているそうですが。

 

大丈夫でしょうか。

 

卸売市場がなくなって7年。「買い出し」の街からはどんどん遠ざかっていく築地。新しく増えるのは飲食店、それもスイーツやもんじゃ、カフェなど水産卸売市場とは関係のない店も多く、海鮮やビーフの串焼き、フルーツの串刺しなどの食べ歩きが増加。そして円安インバウンドで観光客向けの高価格設定に。

コロナを経て、その後の日本での食品価格高騰で、ますます値段が上がり、下手をしたらあの豊洲の「インバウン丼」よりも高いくらい。

はっきりいって非常にバブリーな、危ない商売の街になってしまっていました。

そこに高市舌禍ですよ。中国の最初にとった経済制裁が日本観光の自粛。超的確に痛いところ(そして自分は痛くない)を突いてきました。

2025年12月1日月曜日11:30。

4丁目交差点の定点観測です。

あきらかにガラガラです。

まず本願寺からして空いています。

地下鉄も空いている。

耳を澄ましていると、ときどき中国語も聞こえてきます。が、これまでは体感として半分近くが中国語圏だったので、それが大幅に減少し、その分だけ観光客全体がいなくなった。中国語圏の人のほうが高級寿司店によく並んでいた印象もありますね。あと、フルーツや野菜が好きで、なぜか八百屋でよく買っているのは中国系。

もんぜき通りです。混んでいるように見えますが、きつね屋の列が折り返していません。きつね屋は安いので日本人が行列しがちなのですが。

 

 

一番混雑する西通りの世界屋の前の四つ角。

 

玉子焼きの丸長もこんな感じ。向かいの松露は改装中でした。

有名寿司店にも行列ができていないし、パスタのパラディーソすら空席がありました。

そして。

築地魚河岸です。

「買い出し」優先、と言いますが…

 

魚河岸屋上からの定点観測です。

まだ建物の設計はできていないはずですが、なぜか仮設がたくさん建っています(浴恩園の文化財調査と、水銀が出た対策らしい。築地市場の建物こそ文化財なのに、それは壊しっぱなしである)。

場外が荒波にもまれることになったのは、やはりこれが原因だと思うのですが…

 

晴海通りの反対ですが、ほわいと弁当(左)が閉店していたのがショックでした。やっぱりガッツリ系の労働者の街ではなくなったのですかねぇ。

 

ホテルだけが増えていきます。これは中通り。10F建てが場外のまんなかにできるようです。一番高い建物になるんじゃないかな。

 

 

徳島中州水産市場 : ほかの市場はどんなとこ?番外

 

 

2025年10月、徳島お遍路で訪れた中央卸売市場ですが、その後、市内地図を見ていたら市街地の西側、新町川沿いに「中州水産市場」というのがあることが判明。番外札所として行ってみることにしました。

徳島中央卸売市場 : ほかの市場はどんなとこ ? - 築地でええじゃないか! かわら版

徳島駅近くからお遍路(お寺をまわるほう)に出発するときだったので、時刻はやはり7:30ごろ。市場だから開いているだろう、と、思いましたが…

 

ありゃー、残念でした。ふつうのお店同様、10:00くらいから開店するようです。ここは場外的な感じで、業者さんも買うし、一般小売もしている(築地魚河岸的な?)。むしろ今は一般が増えているのかも。

 

かまぼこ屋さんとお肉屋さんは開店準備中、八百屋・果物屋は何軒かあってオープンしていて、お客さんも来ていました。

中央卸売市場には「海鮮丼」のお店はなかったのですが、ここにあった。

 

新町川から見ると、もとは水運で荷揚げしていたのではないか、という往時がしのばれます。

徳島市HPの中央卸売市場のサイトでは、市内の市場がさまざまな問題で何度も移転や統合をしているようなので、これももともとあった地域ごとの市場から転換したものではないか、と思われます(wikiでは詳しくわからなかった)。

中洲総合水産市場 - Wikipedia

 

さらにおまけ。

その先、その名も問屋町には「繊維団地」があり、日曜びっくり市が市民に人気だというので、行ってみました。

こちらも川沿い。

 



 

産直の野菜や加工品、花や苗もあり、古着やタオル、日用品、農具、ジャンク品、賞味期限切れのギフトセットなどなど、なんでもありです。

 

繊維団地というのは流通センター。平日は生産や卸売をしているようです。その広大な敷地が一大フリマ会場となっていて、日曜は徳島市民の楽しみとなっているようで。

 

さきのかまぼこ屋さんでも作っていたであろう、徳島のソウルフード「フィッシュカツ」をゲット。さつま揚げ(とはこのへんでは言わず、てんぷらと呼ばれることが多い。魚肉練り製品)をさらにカツにしたもので、しかもデカいです。ナス天ぷらも巨大。

 

お遍路、来年は高知県です。高知といえばさらに巨大な路上日曜市 !! 卸売市場も行きますよ。

徳島中央卸売市場 : ほかの市場はどんなとこ ?

 

 

 

2025年10月、お遍路(一国打ち)で、徳島県に行ってきました。高速バス利用で到着は朝の6時。と、なれば当然卸売市場巡礼です。

徳島中央卸売市場は、吉野川河口の埋め立て地、その名も沖洲(おきのす)にあります。しかし、早朝の市内バスがなく、6:55まで待って南海フェリーゆきの市バスで「卸売市場口」へ。15分ほどで到着。

 

あいにく水曜日だったのですが、水産のみ開場する日でラッキーでした。

それではここから魅惑のおさかなアルバムです。

 

 

 

 

 

おお、と思ったのはマグロマグロしていないこと。仲卸に解体台が目立つこともなく、そこらにごろんごろんとマグロが転がっているわけでもない。

メインはタイです。あとタチウオ、アナゴ、ハモ。

 

買い出し人がトラックに積み込んでいたもの。徳島の人気がわかる?

 

小揚さんはターレではなく、こんな大き目の金属ネコ車が活躍していました。

 

なんの魚? と近づいてみたら…今カキを採ってきたぞ! というアピールになっているのかも。

 

 

青果は、今日は休みですが、どこでもそうだけど人がいなくても商品は積んである。しかしスイカにメロンがむき出しでごろんごろんですよ。

 

さて、朝ごはんです。

が、残念ながら海鮮丼とか寿司屋はありません。

 

軽食屋が三つあるようですが、今日開いていたのは「喫茶みのり」のみ。

 

「ザ・純喫茶」という感じのシブい店内で、あいがけカレーをいただきます。ビーフにしっかりと唐辛子が入っていて、おいしい。ママさんに「辛くなかった? 」と聞かれたので、辛めがウリなのかな、と。味噌汁がけんちん汁でうれしい。コーヒーはサービス。800円。

 

腹ごなしに(バスが少ないので)近所を一周します。

これは徳島市の特産の渭東ネギ。ビニールハウスの向こうに見えるのは津波タワーです。

 

場外的な交差点。

 

吉野川河口まで来ました。

さて、市内で地図を見ていると、もうひとつ市場が?

その話はまた次回。

民設公営・松戸南部市場

2025年8月下旬、気温37℃のなか、江戸川を越えて松戸南部市場に行ってきました。

常磐線松戸駅下車、東口を降りると目の前が巨大なイトーヨーカドーです。デッキからずいずいとヨーカドーに突入し、そのまま5Fまで上がります。すると東側(駅と反対側)に出口があり、松戸中央公園にアクセスする、という謎のポータル。

そこから住宅地の細い道路にどんどん車が入ってきて怖い感じの道を進み、水戸街道を渡って県道281号線沿い松戸市松戸新田30番地にあるのが、地方卸売市場・松戸南部市場です。

「南部市場」と言いますが、北部はありません。八ヶ崎市場はH29(2017)年に「耐震性の問題」で閉場となったため、松戸市の市場はここだけです。

 

水産棟です。
ターレを見るとアガりますね。松戸市ナンバーです。

時間は11:30ごろ。もちろん業者向けは終わっていて、マグロの解体台もきれいに掃除されていました。一般向け販売にも力を入れているようで、小分けにしたお刺身や塩干もの、貝類屋さんもあります。

 

水産の中にツマ屋さんも入っていました。

 

青果は一般販売がなく、こんな感じで段ボールが積んであります。小売りは関連棟のほか、「産直・げんきばたけの会」があります。

千葉や近県の農産物のほか、水産や加工品、お肉も少しあります。調味料やお菓子もなんでも揃う。道の駅みたいな感じ。品数はものすごく多くて、丁寧なポップがついていて、ロットはだいたい家庭向けの小さいサイズ。

入口は手作り?のミストを噴霧していて涼しく、サービス満点です。

 

www.matsudo-nanbuichiba.com

ここまでの写真を見ていくと、水産は松戸市総合卸売市場」、青果は松戸市公設市場青果部」となぜか「東京千住青果(株)東葛支社」、関連棟は「旬鮮劇場」という名前です。

南部市場はS41(1966)年日本初の「民設公営」市場として設立されました。ちょっと調べがつかないのですが、開設当時と現在では運営会社は変わったのではないか。現在は一期一会不動産のグループである「いちごマルシェ」が運営しています。

関連の「旬鮮劇場」が民設民営、水産と青果は公設公営、げんきばたけや飲食店はテナント、という扱いのようですね。イベント(つかみどりとかフリマをやってる)や敷地全体の運営はいちごマルシェか。

関連棟です。肉や魚、包装資材、加工品、花屋もあります。こういう洋品店はもとは長靴とか作業着屋さんだったのが小売り向けに品揃えを変えたのかもしれません(作業用のサンダルとかもたくさんある)。

 

他の市場(豊洲でも! )でもそうですが、空き店舗が目立ちます。関連も水産も「休憩コーナー」「SDGs展示」などに使われています。

水産でお刺身を買って食べる、ということもできたかもしれませんが、それ以外にあまり買い食いメニューはありません。やはり食堂。

げんきばたけの棟に江戸っ子寿司。おまかせにぎり2000円とリーズナブル。刺身がはみ出す特上ちらし3800円が人気みたい。気になる人はサイトを見てください。

江戸ッ子壽司|店舗情報|いちごマルシェ 松戸南部市場|松戸市公設地方卸売市場南部市場

食堂棟は中華・定食のあざみや。定食は海鮮丼からミックスフライまでメニュー豊富。和イタリアンHamtonはパスタ2種類とライスのメニュー一種類だけの小さい店。ライブコーヒーはこの日の営業は終わっていて、米と和牛は閉店?したようです。

実は、市場はまだあります。

向かいが「東葛卸流通センター」なのです。

元は同じ市場だったのか、場外的なものなのでしょう。現在は卸業者のほか、新しくテナントになったのかカイロプラクティックとか美容院とか喫茶店とかも入っています。が、全体には空き店舗が多いよう。

 

蕎麦の亀鶴庵でいただきます。鶴亀じゃなくて亀鶴。ガラス戸を開けてみると、意外と混雑していて満席。蕎麦うどんのほかラーメン、丼、定食、カレーとメニューが多い。みんないろんなものを食べています。

「おいくらでしたっけ」とお客さんに会計を逆に聞いたりしているちょっとたよりなめなおかみさんがひとりで給仕をしています。お客さんも複数だと自分で計算してあげたりしています。でも厨房のご主人はけっこう手早いようで、どんどん注文も出てきます。町蕎麦やのお手本のような店ですね。

入口に貼り紙があった釜揚げしらす丼セットにしました。1050円。更科のお蕎麦がおいしいです。

 

おまけです。

隣の野菊野団地。野菊というのは松戸は伊藤左千夫の「野菊の墓」の舞台だから。改装中で黒々としていますが、周辺には巨大な団地が多くあります。

その中で異彩を放っている一角。

美野里という地域なのですが、この同じ色とスタイル、南欧風というのか、がずらりと並び、それが整然と整備された何区画にもわたって続いています。ここは数少ないY字路ですが、ちょうど見晴らしがよかったのです。すごいなぁ、よく自分のうちが見分けられるなぁ。自宅を探して迷子になりそう。

県道をはさんだ番地は二十世紀が丘というすごい名前で、これは時代ではなく二十世紀梨の発祥の地だかららしい。

坂の下にはクリーンセンター(清掃工場)とスポーツセンターもあり、市場も住宅も合わせて、まとめて開発された土地なのではないか。そんな土地の歴史も感じさせる松戸郊外でした。

TOKYOにいることがわかるように : 公園の現在地 vol.5

晴海FLAGウォッチのついでに、晴海客船ターミナル晴海ふ頭公園を見てきました(2025年6月)。

都立晴海ふ頭公園は晴海埋立地の突端。もとは客船ターミナルと港湾の付属施設的な感じで、けっこう荒涼としていたイメージがあります。

水産庁の調査船、照洋丸と開洋丸の専用船着き場です。両船のためのポストもついています。

その向こうは海技教育機構の演習船・海王丸

オリンピック工事からはずっと閉鎖されていました。会期中は晴海自体、月島署から先は立ち入り禁止で、選手村の専用公園となっていたようです。それが晴海FLAGになり、今度はマンション住民専用の公園化するのではないか。

まぁ、実際アクセスが悪いのであまり誰も来ない公園となっています。晴海FLAG、あんまり住んでないし。

しかし小池都知事はここに「にぎわい」をもたらそうと考えました。

この、そっけない、デザイン性のない、ただのコンクリート製の文字が、1億6000万円です。もちろん税金です。

1億6000万。世田谷区くらいにそこそこの一戸建てが買える値段です。土地は都有地なのだから、うわものだけとしたら、何軒も家が建つ値段です。家には配管・配線などもあり、内外装もされ、風呂やトイレもついています。ただのコンクリ文字が家数軒ぶん。

設置されたのは2024年3月ですが、そう批判された小池都知事が言ったのが「誰もがTOKYOにいるとわかるように」です。

なんでTOKYOにいるとわからなければいけないのかわかりませんが、字で書いておけばいい、というのはバカにしているのではないか。

 

公園の晴海FLAG側にはすでにこの噴水があって、一応ここにもTokyoと書いてあります。迷子になる心配はないです。とはいえ、2020としか書いていないので、後世の人たちが東京オリンピックが開かれた年は2020年である、と迷子になるおそれはあります。と、いうか、すでにそのへん都民の記憶はあいまいになっていないか。

 

晴海客船ターミナルがあるなら、まだわかります。船旅をしてTOKYOに到着、港に足をおろしたとき、ここがどこなのか、実感できるように。まぁそのことに1億6000万円かけるほどのことでもありませんが。

しかし、ターミナルはすでに解体がはじまっていました。機能が青海のクルーズターミナルに移ったので、しかたないことですが、東京都がなにか壊していると嫌な予感しかありません。

こういう工事現場にありし日の写真を貼るのも、感じ悪いですね。

 

そして「にぎわい」といえば、なんといってもライトアップです。4~6月というなんともハンパな期間の開催だったようです。行った日にはやっていたはずですが、見ませんでした。バスで近くは通りましたが、にぎわっている様子はなかった。都庁のプロジェクションマッピング「経済効果」は18億円(費用は7億円/年だったのが48億円/2年になった)、と小池都知事は主張していますが、この経済効果はいかほどでしょうか。そしてもしにぎわいの来場者たちがお金を落とすとしたら、ふ頭公園のカフェとBBQ(夜は閉まっている)、あとは三井のLaLaTerraceでしょうか。

来場者がいなくても晴海FLAGの住人が窓から(ここに面した棟のみ)眺めて、TOKYOにいるのだ、と実感すればいいのでしょうか。

 

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トワイライト・ウォッチャーズ: 決戦 ! 晴海城砦 (前編)

豊洲市場の対岸に聳える晴海FLAG

巨大な防波堤のようでもありますが、実際は東京の街に向かって吹く海風を阻止している防風壁となっています。今年の夏も沸とう京(by小池都知事) !!

オリンピック・パラリンピックのときは、建設中に作業員が過労死(1年遅らせたのに過密工程)し、会期中はCOVID-19感染拡大を防ぐための厳格なルールが定められ「バブル(1980年代の意味ではなく)」と呼ばれていたのに、選手・スタッフが築地や銀座を散策、連日新規感染が報道されたり、「濃厚接触禁止」と言いながらコンドームが部屋には置かれていたり、段ボールベッド(どこかの選手がふざけて即壊した)や「金のトイレ(実際は金箔がチラホラ貼られていた)」が話題になったり、パラリンピック中には無人運転のバスが視覚障害の選手をはねたり、食堂で大量の食品廃棄がされたり、と、いろいろなレガシーがありました。

「ぼったくり男爵」バッハIOC会長が、開村前の視察で窓からのシティビューに「東京に恋をするでしょう」とマンションポエムを詠んだとおり、大会後は三井不動産ほか、ほとんどすべてのデベロッパー・ゼネコンが参画するJVによりマンション「晴海FLAG」として販売・賃貸されることになります。ほとんどの建物は選手村として使ったものを中古リフォームして使いますが、新規に2棟のタワーマンションが建設されました。

これまでも何度か見にいっていたのですが、いよいよタワマンも完成した(入居はまだ)ので、2025年6月、訪れてみました。

前後編でお届けします。

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過去記事はこちら。

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見どころはもちろん転売ヤーが多く、非居住が3割」という噂です。16時ごろと19時すぎの2回に渡ってバスでアクセスしてみました。

どちらの時間もバスには数人しか乗っていませんでした(駅は隣の島にある都営大江戸線勝どき駅。歩くとFLAG入り口まででも10分以上)。もちろんハイソな住民はそんな都バスなどには乗らないのかもしれません。

 

4つの居住エリアがあり、SUN VILLAGEとPARK VILLAGEの四つ角に面したところが新築のタワマンです。PORT VILLAGEは賃貸です。

 

 

PARK VILLAGEを見てみましょう。

下校時刻は過ぎていますが、複数ある児童公園的なところにも誰もいませんでした。タワマンはどこでも基本的にあまり人が歩いていないものですが。

 

三井不動産が「街をつくるのではなく、森をつくる」などのマンションポエムを詠んでいました。おそらくこのSEASON WALKのことでしょう。全体図を見ても、緑色の面積は決して多くはなく、「森」は言い過ぎではないか。埋立地で更地だったときと比べれば、緑化した、といえますが。

 

このサインは、実際の案内ではありません。選手村の中古住宅であることを示す「レガシー」です。オリンピックが嫌いな人は住めない街ですが、もちろんオリンピックが嫌いな人はこの世にいない想定となっております。どうでもいいですが、この案内とロゴで「後世に伝える」と、東京オリンピックパラリンピックは2020年に行われたと、誤って伝わったりしませんか ? 

 

エントランスにあたるNIGIWAI PLAZAにはビアカフェとランドリーがあります。ランドリーはセルフのコインランドリーだけではなく、選択代行、布団や靴の丸洗い、洋服のお直しなども行う有人店でした。ちょっとタワマン(低層棟も含めてタワマンと総称)の生活を垣間見ることができました。

 

四つ角を挟んで建つ、中央区晴海西小中学校です。

小学校の下校時刻らしく、子どもたちが出てきたり、保護者が迎えにきたりしていました。それでバスや車に乗って他の街に帰っていく様子はなく、歩きや自転車で近所に帰る、つまり晴海FLAG内に住んでいる雰囲気でした。

校庭は人工芝。校舎にはバルコニーがあり、ボリュームのある植栽がされています。このときはアジサイがきれいでした。これはちょっと小中学生の「さいばいいいん」の手に余るのではないか。業者を入れて手入れしているレベル。

温水プールと多目的会議室は在学生でなくても利用できるようです。向かいが清掃工場で、もともとそちら側に区営の温水プール晴海ホットプラザがありましたが、それがなくなったので代替として使えるようです。一応言っておくと、これまではいつでも使えていた公共プールが、学校が「使っていない時間だけ」使えるものになったわけです。

 

中国語を話す親子の声も聞こえました。国際色豊かなので、日本人の子どもが小学生のうちから中国語の練習をしているのかもしれませんが、なに人であれ、ちゃんと住んでいるなら問題はありません

逆に投機目的で住んでいないなら、なに人でも、むしろヒトではなく法人かもしれませんが、そっちが問題です。

なぜこのように「住んでないのではないか」を問題にしているかというと、晴海FLAGは立地と設備とクラス感の割にお値ごろな物件として大人気だからです。

購入は抽選で、最大倍率は241倍、転売対策として1世帯2口までとするなど、次々と運用ルールが設けられましたが、それでも転売目的は防げないといわれています。

ハルミフラッグ 今後の販売スケジュール | 失敗しない住宅選び講座

 

問題は、そのお値ごろの理由が、「都有地が三井不動産に安く払い下げられたから」です。湾岸人気が高い中、広大な更地が123億円。「選手村の整備と一体だから」「地区内の施設整備も事業者が行うから」と言いますが、周辺のタワマン等の地価と比べると1/10以下の破格のお値段。

WEB東京民報東京高裁 1200億円余の損害容認 晴海選手村訴訟 住民の請求退ける〈2023年8月13日・8月20日合併号〉東京が見える!東京を変える!週刊新聞『東京民報』のニュースサイトWeb東京民報ですWEB東京民報

特に「施設整備」に関しては、このような立派な小中学校を作り、道路も公園も東京都や中央区が整備しています。FLAGという民間の「街」を作り、しかしインフラは公共がおぜん立てしてあげて、それで不動産価値がさらに高まります。

もちろん、それでも住んでいればいいんですよ。なに人でも。

 

海側の低層棟SEA VILLAGEを見てみましょう。豊洲市場の向かいになります。

なんと、洗濯物が干してあります ! それも見たところ半数くらいの家に。昨今のマンションは「落下対策」と称して、実は美観=資産価値を損ねる(と、思っている)洗濯物のベランダ干しを禁止するところもあると聞きますが、ここはOKなんですね。驚きました。潮風で傷みそうですが、それは自己責任。さっきの洗濯代行は。

 

その他、「住んでいる」証拠としては、都議選期間中だったので、街宣をしている候補者がいました。

さすがに「転売目的でゴーストタウン」ということはない、ということがわかりました。が、もう少ししつこく、トワイライトな晴海を後編ではウォッチしてみたいと思います。

トワイライト・ウォッチャーズ : 決戦 ! 晴海城砦 (後編)

都有地を1/10以下の値段で三井不動産に投げ売りしたため、「お買い得」となった晴海FLAG。そのため、転売目的で購入され、「誰も住んでいない」という話が聞かれます。

前編では夕方に一周してみて「誰も住んでない」とまでは言えないが、やや人は少ないかな、という印象を持ちました。

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後編ではいよいよ、よく言われる「住んでないから夜は真っ暗」説をトワイライト時刻に検証してみます。

日が暮れるまで、さらに公共施設を見てみましょう。

さくらんぼ種とばしグランプリの準備に余念のないここは、ほっとプラザ晴海の跡地にできた中央区「はるみらい」です。

図書館はないんですね。

オリンピック・パラリンピックの「レガシー」が雑に押し込められてたいせつに陳列されています。

 

勝どき側の運河沿いはマルチモビリティステーションとなっています。BRTバスの車庫と、舟便の桟橋です。舟は、現在のところ防災桟橋としてだけ使われているようです。

前編でも書きましたが、16時台、19時台の都バスはガラガラでした。BRTも走っているのを見て、そんなに乗っていない。さらにいえば本数も少ない。

 

 

三井のリハウス、サミットストア、マツキヨ、ロイホダイソーなどが入った商業棟LaLaTerraceです。まとまった商業棟はここだけ。人口に対してこれで足りるのか ? とも思いますが、みなさん車で豊洲のララポートに行くのかもしれない。

駐車場はおそらく各棟の地下にあるのでしょうが、存在感がうまいこと隠されていました。しかし道路にも車はほとんど走っていない。平日の夕方~夜とはいえ、あまりに少ないのではないか。あと、6月のこの時間にしては犬の散歩をまったく見かけませんでした。

そういえば、建築中に見にきたとき、この商業棟の「建築のお知らせ」という看板には、商店・医療施設などのほかに寺社、と書いてあったのですが。寺も神社も入ってないですね。

さぁ、いよいよトワイライトゾーンです。20:00。LaLaTerraceの東側(運河沿い)にあるザ・晴海レジデンシアにもだいぶ明かりが灯ってきました。7-8割の家庭が帰宅して電気をつけているようですね。

運河の対岸、勝どきにある巨大なタワマン・アーバンステージです。中央の建物はちょっと暗いですが、左右は7割くらいが点灯。

 

それでは、晴海FLAG・SUN VILLAGEはどうでしょう ?

……暗いです。

周辺の同クラスのマンションと比べて、圧倒的に暗いです。

遠くにあるマンションと比べて、近くの路面から撮影しているので、テラスに阻まれて明かりが見えにくい、というのを差っ引いても暗いです。

これは ?

1.晴海FLAGに住む人は残業が多い。もしくは夜職。

2.プライバシーの意識が周辺のマンションより強く、ものすごい遮光性のカーテンを使っている。もしくは標準装備。

3.住んでない。

 

昼間に布団を干していたSEA VILLAGEはどうでしょう。

SUN VILLAGEに比べて多少マシとはいえ、相当暗いです。

 

別に、三井不動産が全額自腹で土地を買ってタワマンを建てて格安で売り出して転売ヤーに利用されて居住実態がなくガラガラになろうが、それは企業の自己責任なのでかまわないと思います。

しかし、こうしたマンション開発には「まちづくりになるから」として国や自治体から補助金が出ており、そうしないとマンションは建たないというありさまです。

さらに晴海FLAGにおいては、都有地を投げ売りし、インフラも整備して作られたものです。ただでさえ適正価格の住宅が不足している東京で、居住という目的をないがしろにして投機で住居の価格が吊り上げられている。

抽選にはずれた人たちがこの暗い夜景を見ても「東京に恋をする(byトーマス・バッハぼったくり男爵)」でしょうか ?