
豊洲市場の対岸に聳える晴海FLAG。
巨大な防波堤のようでもありますが、実際は東京の街に向かって吹く海風を阻止している防風壁となっています。今年の夏も沸とう京(by小池都知事) !!
オリンピック・パラリンピックのときは、建設中に作業員が過労死(1年遅らせたのに過密工程)し、会期中はCOVID-19感染拡大を防ぐための厳格なルールが定められ「バブル(1980年代の意味ではなく)」と呼ばれていたのに、選手・スタッフが築地や銀座を散策、連日新規感染が報道されたり、「濃厚接触禁止」と言いながらコンドームが部屋には置かれていたり、段ボールベッド(どこかの選手がふざけて即壊した)や「金のトイレ(実際は金箔がチラホラ貼られていた)」が話題になったり、パラリンピック中には無人運転のバスが視覚障害の選手をはねたり、食堂で大量の食品廃棄がされたり、と、いろいろなレガシーがありました。
「ぼったくり男爵」バッハIOC会長が、開村前の視察で窓からのシティビューに「東京に恋をするでしょう」とマンションポエムを詠んだとおり、大会後は三井不動産ほか、ほとんどすべてのデベロッパー・ゼネコンが参画するJVによりマンション「晴海FLAG」として販売・賃貸されることになります。ほとんどの建物は選手村として使ったものを中古リフォームして使いますが、新規に2棟のタワーマンションが建設されました。
これまでも何度か見にいっていたのですが、いよいよタワマンも完成した(入居はまだ)ので、2025年6月、訪れてみました。
前後編でお届けします。
tsukiji-a-kawara.hateblo.jp
過去記事はこちら。
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見どころはもちろん「転売ヤーが多く、非居住が3割」という噂です。16時ごろと19時すぎの2回に渡ってバスでアクセスしてみました。
どちらの時間もバスには数人しか乗っていませんでした(駅は隣の島にある都営大江戸線勝どき駅。歩くとFLAG入り口まででも10分以上)。もちろんハイソな住民はそんな都バスなどには乗らないのかもしれません。

4つの居住エリアがあり、SUN VILLAGEとPARK VILLAGEの四つ角に面したところが新築のタワマンです。PORT VILLAGEは賃貸です。


PARK VILLAGEを見てみましょう。
下校時刻は過ぎていますが、複数ある児童公園的なところにも誰もいませんでした。タワマンはどこでも基本的にあまり人が歩いていないものですが。

三井不動産が「街をつくるのではなく、森をつくる」などのマンションポエムを詠んでいました。おそらくこのSEASON WALKのことでしょう。全体図を見ても、緑色の面積は決して多くはなく、「森」は言い過ぎではないか。埋立地で更地だったときと比べれば、緑化した、といえますが。


このサインは、実際の案内ではありません。選手村の中古住宅であることを示す「レガシー」です。オリンピックが嫌いな人は住めない街ですが、もちろんオリンピックが嫌いな人はこの世にいない想定となっております。どうでもいいですが、この案内とロゴで「後世に伝える」と、東京オリンピック・パラリンピックは2020年に行われたと、誤って伝わったりしませんか ?


エントランスにあたるNIGIWAI PLAZAにはビアカフェとランドリーがあります。ランドリーはセルフのコインランドリーだけではなく、選択代行、布団や靴の丸洗い、洋服のお直しなども行う有人店でした。ちょっとタワマン(低層棟も含めてタワマンと総称)の生活を垣間見ることができました。

四つ角を挟んで建つ、中央区立晴海西小中学校です。
小学校の下校時刻らしく、子どもたちが出てきたり、保護者が迎えにきたりしていました。それでバスや車に乗って他の街に帰っていく様子はなく、歩きや自転車で近所に帰る、つまり晴海FLAG内に住んでいる雰囲気でした。

校庭は人工芝。校舎にはバルコニーがあり、ボリュームのある植栽がされています。このときはアジサイがきれいでした。これはちょっと小中学生の「さいばいいいん」の手に余るのではないか。業者を入れて手入れしているレベル。
温水プールと多目的会議室は在学生でなくても利用できるようです。向かいが清掃工場で、もともとそちら側に区営の温水プール晴海ホットプラザがありましたが、それがなくなったので代替として使えるようです。一応言っておくと、これまではいつでも使えていた公共プールが、学校が「使っていない時間だけ」使えるものになったわけです。
中国語を話す親子の声も聞こえました。国際色豊かなので、日本人の子どもが小学生のうちから中国語の練習をしているのかもしれませんが、なに人であれ、ちゃんと住んでいるなら問題はありません。
逆に投機目的で住んでいないなら、なに人でも、むしろヒトではなく法人かもしれませんが、そっちが問題です。
なぜこのように「住んでないのではないか」を問題にしているかというと、晴海FLAGは立地と設備とクラス感の割にお値ごろな物件として大人気だからです。
購入は抽選で、最大倍率は241倍、転売対策として1世帯2口までとするなど、次々と運用ルールが設けられましたが、それでも転売目的は防げないといわれています。
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問題は、そのお値ごろの理由が、「都有地が三井不動産に安く払い下げられたから」です。湾岸人気が高い中、広大な更地が123億円。「選手村の整備と一体だから」「地区内の施設整備も事業者が行うから」と言いますが、周辺のタワマン等の地価と比べると1/10以下の破格のお値段。
WEB東京民報東京高裁 1200億円余の損害容認 晴海選手村訴訟 住民の請求退ける〈2023年8月13日・8月20日合併号〉東京が見える!東京を変える!週刊新聞『東京民報』のニュースサイトWeb東京民報ですWEB東京民報
特に「施設整備」に関しては、このような立派な小中学校を作り、道路も公園も東京都や中央区が整備しています。FLAGという民間の「街」を作り、しかしインフラは公共がおぜん立てしてあげて、それで不動産価値がさらに高まります。
もちろん、それでも住んでいればいいんですよ。なに人でも。
海側の低層棟SEA VILLAGEを見てみましょう。豊洲市場の向かいになります。


なんと、洗濯物が干してあります ! それも見たところ半数くらいの家に。昨今のマンションは「落下対策」と称して、実は美観=資産価値を損ねる(と、思っている)洗濯物のベランダ干しを禁止するところもあると聞きますが、ここはOKなんですね。驚きました。潮風で傷みそうですが、それは自己責任。さっきの洗濯代行は。
その他、「住んでいる」証拠としては、都議選期間中だったので、街宣をしている候補者がいました。
さすがに「転売目的でゴーストタウン」ということはない、ということがわかりました。が、もう少ししつこく、トワイライトな晴海を後編ではウォッチしてみたいと思います。