ミセン 2014 韓国
マイディアミスター 私のおじさん 2018 韓国
ネットフリックスで韓国ドラマを観てやるぜ!
ということで頑張っております。
そしてたどり着いた名作。(てゆーか韓ドラ師匠の妹推薦)
それが「ミセン」と「マイディアミスター 私のおじさん」です。
ミセンはAmazonプライムでも観れますよ!
マイディアミスターはネトフリだけかな。
どちらも字幕で観たのですが、字幕がね、まだ慣れないのですよ。というか、50過ぎて、老眼の影響からか、小さい字がほんとしんどくなってきたというか。
でも、どちらも、そんな悩みを凌駕する名作です。
で、韓国ドラマって1話目がなんだかとっつきにくくないですか?
名作ミセンも、4話目くらいまでとっつきにくかったし、この後に観たマイディアミスターなんか9話目くらいまで、観ていてどんよりした気分がなかなか上がらないままなんです。
ただ後で知ったのですが、演出家が同じ人!
キム・ウォンソクさん。
ご当地でも高い評価を受けているようで、
この2作品もなんか賞を獲得しています。
だからそういうキム監督の意図的な演出なのかもしれません。
そして、前半のどんよりした内容を見終わる頃には、霧が晴れるかのように感動しまくる中盤以降の素晴らしさ。
泣きまくりです。
2つの作品は、それぞれ全然別の物語だけれども、いくつか共通している部分があります。
今回はその共通部分を見どころ紹介として取り上げていきたいと思います。
ネタバレあります。
1.サラリーマンの、組織に染まる染まらない問題
ドラマのなかで、「企業で働く」という背景は、あまりに日常的でそんなに面白みがなさそうに思えるのですが、そこのリアリティの質をあげることで、めちゃくちゃ面白くなっているのがミセンとマイディアミスターと言っても過言ではないです。
ミセンは世界を相手にした商社、マイディアミスターは建設会社。
両ドラマにおける主人公の若手2人は、新入社員でペーペーの立場なのですが、その上司や周りが、専門家ともいうべきプロフェッショナルな人々で、「現場」が舞台なので、社内外でのやりとりや業務の流れを見ているだけで、めっちゃ面白いです。いわば「プロジェクトX」とか「プロフェッショナル 仕事の流儀」とかのドラマ版なノリです。
でも、企業ドラマのもっとも面白い要素は、「大きな組織のなかで、いかに組織に染まらないでいられるか」ではないかと思います。
そうなんです。ミセンもマイディアミスターも、大きな組織における、派閥闘争や政治的駆け引きを、随所随所に韓ドラらしくえげつなく描いているのです。
そしてどちらのドラマもペーペー主人公の上司たちは、それに染まらないんですよね。
これがね…泣けるのです。
組織内の権力や同調圧力に対して、よくぞ言ってくれた、よくぞその選択をしてくれた、、というのがてんこ盛り。
上司たちの性格は全然違います。
ミセンでは、主人公チャングレが配属される営業3課のオ課長(のちに部長)。この人は典型的な昭和の、大声で話し、ガハガハ笑うタイプ。でもこの人がね、いいんですよ、とっても。
で、マイディアミスターでは、主人公のイ・ジアンに盗聴される安全チーム3課の部長ドンフン(のちに常務)。彼は無口な硬派です。設計部から左遷されていて、やる気も覇気もないのだけど、また彼もね、筋がピシー!っと通っていて、ものすごいいいんですよ。
ただそういった「組織に染まらない人」たちは、不利な状況に陥る場面も多く、観ていて辛くもあります。でもその分、クライマックスがスカーッとします。
“大筋”は「よくある展開」ではあるのですが、リアリティを追求した脚本、演技、展開、演出のクオリティが高すぎて、心を持っていかれること間違いなしです。
最終的に上司たちが選ぶキャリア選択も、拍手。それはぜひ観てのお楽しみで。
なんせね。働くおじさん、おばさんがね、自己投影してしまうし、胸を熱くしながら、泣ける。
セリフとかね、、、地道に生きる人々へのまなざしが優しくて、ほんと心に刺さるんですよ。
いっぱいありすぎるし覚えてないので、書けないのですが(=´∀`)人(´∀`=)
演出家のキム・ウォンソクさんの真骨頂なんでしょうね。
そういうドラマです。
2.主人公が孤独な非正規雇用。機会は全然平等ではない。
1でも少し触れましたが、主人公はどちらもペーペーの若造なのですが、大学出て正社員として入社して、、、という子たちではありません。どちらも契約社員、または派遣社員。
もともと大手企業で働けるような家庭環境や教育環境で育ってきておらず、貧しくて孤独です。
そんな主人公たちがひょんなことからの縁で大手企業に入社します。
だから、差別的な目にもあうのです。
でもそんななかで、彼らを1人の人間として尊重し、育ててくれる上司に出会えます。
ドラマごとに展開は全然違うのですが、最初は互いに反発していた主人公ペーペーと上司とが、いろんな出来事の中で信頼関係を築いていくのが見どころなのは共通。
「人が成長する」ということを、真正面から掘り下げていく面白さ。
せちがらく会社勤めをするなかで、私自身、ここ最近は、「人って変わらない」と思ってきたのですが、変わっていける人の心の豊かさ、やわらかさは、やはり素晴らしいです。
貧しい主人公たちが、多くを持たない、機会の少ないなかで、いかにポテンシャルを秘めているか、毎回じんわりと胸を打ちます。
私も負けずに、変わっていきたいなと。
いくつになっても、学びあり。
3.パワハラがエグい。
ミセンを見始めて、まずびっくりしたのは、上司から部下への暴力も含んだパワハラが満載であること。セクハラも。
韓国の大手企業ってほんとにこんななのかしら?
ミセンが製作された2014年当時は、まだそういうのOKだったかしら?
などもんもんと考えつつ、毎回ハラハラ。今の日本だったら、完全アウトだと思います。
それに比べて、2018年に制作されたマイディアミスターは、社内のパワーバランスや下剋上はきめ細かに描かれているものの、まだそこまでパワハラがひどくないので、やっぱり時代なのかもしれません。
そしてもうひとつ、私が両ドラマに感じたのは、女性の正社員の少なさです。
特にそれを感じたのはミセンだけど、2018年のマイディアミスターだって、総合職、技術職の社員には女性が圧倒的に少なくて、いわゆる男性社会です。役員など誰一人女性はいません。
ドラマや映画における、登場人物の男女比や年齢構成、人種構成は、ドラマが製作された時代の社会を少なからず映しています。
なぜ社員の男女比に偏りがあるのか?
それがどういう意味なのか?
今だったらまた違った表現がされたかもしれない…。
とはいえ2025年のジェンダーギャップ指数は、
韓国101位、日本118位。
まだまだです、どちらも。
ミセンでは、主人公も同期もみんな、一定のパワハラの被害に遭うので、女性だけの課題ではないのですが、女性が男性社会でどれだけ苦労しているかもちゃんと描いています。
ありがとう。
4.ミセンとマイディアミスターが描く、生きるってどういうことなのか。
生きにくい時代の若者が、初めて社会で自分という存在を尊重してくれる「師匠的存在(上司)」に出会うことによって、救われたり、希望を持ったり、人生を切り拓いたりしていく、っていうのがこの2作品のベースです。
一生に一度は観るべき作品といっていいくらいに、すばらしいと思いました。
主人公の違いでいえば、ミセンのチャングレは元棋士。マイディアミスターのイジアンは、借金取りに追われながら、耳の聞こえないおばあさんの介護をしているという点で、より過酷度は高いです。
それもあって、コメディ要素も多くて共感しやすいのはミセンかも。
でも、社会派レベルはマイディアミスターがより深いというか、主人公の「生きづらさ」が過酷なので、社会的な背景をしっかり描き込む姿勢が強まっている感じがします。また、マイディアミスターの方は、ドンフンの兄弟の物語も並行して描かれていて、「企業で働く」だけでなく、「企業で働かない選択」も、大きな見どころです。
私としてはぜひ、これからの日本のドラマも、しっかりお金をかけて、この2作品に負けない、いいドラマを作ってほしいなと思いました。
でも日本だと1シーズン10~11話だもんね。
しっかり丁寧に描くのであれば、やっぱ韓国みたいに16話はほしいよなあ。
あ、あえて欠点をあげるとすれば、マイディアミスターの副タイトルが「わたしのおじさん」っての。全然違う内容を想像して、最初敬遠したので、副題はもう少し考えてほしいです。

