虐待問題は深刻さを増し、保護件数は毎年増え続けています。
子どもの虐待死はゼロ歳児が最も多く、3歳児未満までで7割を占めています。
また、妊娠中から産後にかけての自殺も多く、深刻です。
赤ちゃん食堂(Family Partner-Chill)を訪問し、お話を伺う中、子育てに悩んでいるママたちの姿が浮き彫りとなってきました。
赤ちゃん食堂は千葉県内ではここ一か所です。(ChillさんのHPから)

赤ちゃん食堂がもっと増えたらいいなあとつい思ってしまいますが、行政サービスの充実が重要です。
そこで、相談したいときどこに連絡したらいいのか、どんな行政サービスが使えるのか、ママのSOSを受け止める佐倉市の取り組みについて、議会質問しました。
佐倉市の子育て支援の取り組みは、近隣市と比べても充実していて羨ましがられるとは、ママ情報ですが、どんなでしょうか?
2.虐待防止について
(1)困難を抱える子どもへの支援について 質問します。
子ども家庭庁の支援対象児童等見守り強化事業についてです。
児童虐待相談対応件数は2022年度(令和4年度)には約21万5千件となり10年前の3倍となっています。
この支援対象児童等見守り強化事業は、児童虐待防止に向けて、子育て世帯が孤立しないよう支援する取り組みです。
市町村の要保護児童対策地域協議会が中核となって、子ども食堂などを行っている団体と一緒に、支援のニーズの高い子どもの家庭へ毎月1度、食材や日常品を届けたり、宅食を行ったり、また居場所事業を通して、見守り、支援につなげる事業です。
問題が起こってから自治体が訪問するのではなく、日頃から関係性を作ることにより、状況を把握しながら見守っていきます。
2024年度(令和6年度) 妊産婦、子ども・子育て家庭に対する相談支援機能の強化を図るため、佐倉市子ども家庭センターが設置されました。
佐倉市要保護児童対策地域協議会とはどのような関係ですか、伺います。
こども支援部長
要保護児童対策地域協議会は、児童福祉法に基づき、市町村に設置される地域ネットワークで、佐倉市では、子供家庭センターが協議会の調整機関を担い、支援方針の協議の場を設定したり、地域関係機関との連携調整を行うなど、統括的な役割を果たしております。
伊藤
ではこのこども家庭センターで対応している職種と職員の人数についても伺います。
こども支援部長
子供家庭センターの職員数についてですが、令和7年4月1日時点で、子供家庭センター長1名児童福祉機能担当として、社会福祉士、保健師、児童福祉士、任用資格者等を15名、母子保健機能担当として、母子保健課と兼務の保健師を13名両機能を調整する統括支援員として、保健師1名を配置し、体制整備を図っているところでございます。
伊藤
こども家庭センターで対応している子どもの人数は何人ですか、伺います。
こども支援部長。
子供家庭センターの対応人数ですが、件数で申し上げますと、令和6年度は1026件で、うち、虐待ケースは、674件でした。
令和7年度は8月末現在、923件で、そのうち虐待ケースは627件となっております。
伊藤
この数字の多さに驚くとともに心配にもなります。
各地で取り組みが始まっていますが、佐倉市としても支援対象児童等見守り強化事業に取り組む必要があると考えます。ご見解を伺います。
こども支援部長
支援対象児童等見守り強化事業につきましては、現在、市では実施しておりませんが、子供家庭センターの職員が、支援の必要な家庭に対して、定期的に家庭訪問や連絡を行い、サービス導入や、子供食堂、学習支援などの地域の支援につなげております。
そのようなかかわりを通じて、子供や保護者との信頼関係を築き、見守りも行いながら、養育状況の改善や孤独、孤立の解消に向けた支援を進めているところでございます。
今後も先進的に取り組む自治体を参考にしながら、支援を必要とする家庭への見守り体制の充実を図ってまいります。
(2)子育て支援について
千葉県では児童相談所に保護される子どもの増加に伴い、印旛児相、東葛児相を新設する状況で、深刻な問題となっています。
虐待が起こってからではなく未然に防ぐ取組みが重要です。
そのような視点で、産後直後から就学前までの、保育園など、どこにも所属していない子どもと母親の支援について、質問します。
「赤ちゃん食堂」という取り組みが広がっています。
現在、全国で41か所と増えてきましたが、県内では栄町の1か所だけです。
実施しているNPO法人に話を伺いました。
子どもの虐待死はゼロ歳児が最も多く、3歳児未満までで7割を占めています。
NPO代表は、長年、乳児院や児童福祉施設での勤務経験から、虐待を受けた子どもや母親が孤立状態にあることを、何とかしたいと考えてきました。
産後うつに苦しんでいたり、一日中赤ちゃんと二人きりで大人と話す機会がない、孤独な子育てに悩んでいる母親がいることから、虐待が起こる前に安心して相談や助けを受けられる環境づくりが重要と、「赤ちゃん食堂」を1年前にスタートしました。
対象は保育園等に通っていないゼロ歳から6歳児を持つ母子です。
離乳食を食べさせた後、親だけでゆっくりと食事をしているうちにいろいろな話が出てきて、先輩ママに相談したり、客観的に子どもを見守る時間が取れたりと、不安な気持ちに寄り添いほっとできる居場所になっています。
あっという間に予約が埋まるそうで、佐倉市在住の親子も来ているとのことでした。
出産した母親の産後うつ発症は10%程度とされています。
妊娠中から産後数か月までの時期は、ホルモンバランスが乱れ、環境の変化やストレスなどで心身のバランスを崩しやすく、うつ病の発症などの問題が起こりやすいため、適切なケアやサポートが必要です。対応状況について伺います。
健康推進部長
妊娠中から産後にかけて、鬱病のリスクが高まる傾向にあることから、伴走型相談支援の面談等を通じ、不安やストレス、過去の精神疾患、周囲の支援状況などを丁寧に聞き取りとともに、心の状態を把握するための、質問票を活用し、支援の必要性を判断しております。
特に鬱病のリスクが高い妊産婦については、医療機関が実施する支援会議に市の保健師が出席し、支援方針を共有した上で、母子の孤立化を防ぎ、育児負担を軽減するためのサービスの調整や、訪問などの支援を行っているところでございます。
今後も早期発見、早期対応により、妊産婦の方が安心して過ごせるよう、適切な支援に努めてまいります。
伊藤 伴走型相談支援について伺います。
健康推進部長
伴走型相談支援につきましては、安心して子育てができるよう妊娠期から切れ目のない相談支援体制を整え、妊婦や子育て家庭に寄り添い、必要な支援を行う取組でございます。
具体的には、母子健康手帳を交付する際の面談や、妊娠8か月頃の電話支援により、出産までに、妊婦さんや御家庭が準備しておくことを情報提供するとともに、必要に応じて、医療機関へつないでおります。
また、出産後は、お子さんが健やかに成長できるよう、赤ちゃん訪問である乳児家庭全戸訪問や乳幼児健診などの機会を通じて、育児の不安や悩みに寄り添い、相談に応じるほか、地域の交流の場や遊び場の情報提供を行っております。
伊藤
乳児家庭全戸訪問事業は出産後4か月頃までに全戸訪問する事業です。
産後うつなどのリスクをどのように発見し、自治体のサポートにつなげるケースはどれくらいあるのでしょうか。
また、訪問支援の体制について伺います。
健康推進部長
乳児家庭全戸訪問では、お子さんの健康状態の把握はもとより、全ての母親に対し、育児困難な環境がないか産後うつの可能性がないか、赤ちゃんに対する否定的な感情がないかなどを確認するため、全国で広く活用されているエジンバラ産後うつ質問票など3種類の質問票を用いて、産後うつや虐待などのリスクの早期発見に努めております。
令和6年度の訪問件数は681件で、そのうち、継続的な支援が必要と判断した方は、192件、28.2%でございました。
また、訪問支援の体制につきましては、保健師や助産師などの専門職が従事し、リスクの高い家庭を発見した場合には、子供家庭センターの支援につなげる仕組みを整えております。以上でございます。
伊藤
こども家庭庁の子育て世帯訪問支援事業が昨年度から始まりましたが、概要と実績について伺います。
こども支援部長
子育て世帯訪問支援事業は、子育て家庭の孤立防止や虐待予防を目的として実施しております。
子供家庭センターが支援している家庭のうち、特に支援が必要な家庭に対し、支援計画を作成し、家事育児支援ヘルパーを派遣するものです。
令和6年度の実績は、6世帯に対し、延べ117回の派遣を行いました。
伊藤
夢さくら館の子育て交流センターを始めとして、市内には地域子育て支援センターが8か所あります。
延べ利用人数と利用者からの評価について伺います。
こども支援部長
市内地域子育て支援センターの延べ利用人数は、令和6年度で3万5552人となっております。
また、利用者からの評価といたしましては、他の子育て家庭とつながりが持てた親子ともに、気分転換が図れた育児の相談をすることが出来、とても助かっているなど、お声をいただいております。
伊藤
子育て相談事業は、子育て交流センター、こども保育課、さくらコンシェルの3か所で行っています。
子育てコンシェルジュによる相談実績について伺います。
こども支援部長。
子育てコンシェルジュによる令和6年度の延べ相談件数は、子育て交流センター68件、こども保育課268件。さくらコンシェル651件となっております。
相談内容といたしましては、保育園等の入園に関することや、育児についての相談が多くございます。
伊藤
佐倉市では様々な子育て支援を行っていますが、どのような事業があるのかわかりづらい、という声を聞きます。
現に、Googleで「佐倉市 子育て支援」と検索すると、子育てサイトではなく「子育て支援」という別のページが検索結果の一番上にでてきます。
このページはどのような子育て支援事業があるかわかりづらいページで、せっかくの取組が市民に届いていないのではないかと懸念されます。
ワンクリックで子育てサイトに到達するよう改善する必要があると考えますが、ご見解を伺います。
こども支援部長
市の子育て支援の情報発信につきましては、主に佐倉で子育てという専用サイトにより行っております。検索エンジンの結果を自由に変えることは出来ませんが、子育て専用サイトが検索結果の最上位に表示されるよう工夫してまいり
伊藤
こども家庭庁の親子関係形成支援事業には、ペアレントトレーニングなどへの補助事業メニューがありますが、佐倉市の取り組みを伺います。
こども支援部長
親子関係形成支援事業は、子供とのかかわり方や子育てに悩みや不安を抱える保護者や児童を対象に講義やグループワークを通じて、子育てに必要な知識やかかわり方を学び、仲間との交流を促進することで、健全な親子関係の構築を目指す事業で、虐待防止にも効果があると認識しております。
現在市では、近隣自治体の取組状況やペアレントトレーニングのプログラムなどを調査し、事業の実施に向けて検討を進めているところでございます。
伊藤
子どもの人格支援に重要な、愛着形成、すなわち「アタッチメント理論」というものがあります。
怖くて不安な時、子どもは身近なだれか特定の人にくっつこうとします。
このくっつくという事で「もう大丈夫」という安心感に浸れます。
安心安全をいかに築けるか、という理論です。
子ども時代だけではなく、大人になってからも、すべての時期で重要なものとしてあり続けている事が確かめられています。
アタッチメント理論の研修が有効と考えますが、保育士への研修や、保護者への支援について伺います。
こども支援部長
かねてより、保育施設等におきましては、愛着形成を非常に重要なものと捉えており、保育士は、日頃から子供一人一人の気持ちを受け止め、応答的なかかわりを心がけております。
研修につきましては、アタッチメント理論に基づく、愛着形成や、子供の人権擁護に関する内容を取り入れています。
その中で、保護者支援の在り方についても学んで、保護者への支援といたしましては、子供の年齢や発達状況に応じたかかわり方を、園だよりやクラス掲示などで具体的にお知らせをしております。
また、日々の連絡帳への記載や送迎時のやりとり、個別面談などを通じて、相談があった場合には、各家庭の状況に応じた助言等を行っております。
伊藤
保育園に通っているお母様は、園の先生に相談するという機会もあると思います。
やはり、先ほどから申し上げてますのはそういうところに所属しないお子さんのお母さんですので、お母さんにもこのアタッチメント理論、これ、すごく有効な取組だと思いますので、ぜひ学習会などを開催していただいて、広く、知らせていっていただきたいと思います。
マタニティーブルー、産後うつの時期、これをうまく乗り切ることは、それが虐待防止にもつながりますし、また今、問題になっているのが、妊娠期間中もそうですし産後自殺者が多いというような報道も出てきております。
この時期をうまく乗り切れるようにサポートをしていただきたいと要望します。