「双子と抱っこ紐」(双子5ヶ月)
困ったことがあった。
このブログでは何度も書いているけれども、子供の世話や育児といっても、乳児と幼児ではまるで違う。きっと小学校低学年と高学年でも違ってくるだろうし、中学生だとまた別の違いが出てくるのだろう。僕は二度目の結婚でもあるし、子供ができるのが遅かったというのもあって、子供のいる友人たちの話は主に育児先輩から聞くみたいになることが多い。中学生や高校生のお子さんの話はなかなか複雑で、ときに深刻な話を聞くこともある。この場合は、育児というよりも、もっと別の言葉が当てはまりそうだ。
僕が体験した育児は、いまのところ、小学校一年生までなので、それ以降の大変さはこれからもっと味わっていくのだろうし、さまざまな悩みを聞いたときも同じ年齢の子供がいるときと、そうでないときでは、僕の感じ方も変わるのだろう。乳児に泣き叫ばれて不眠になっているときに、大学受験で悩んでいる家庭の相談を受けたことがあるが、控えめに言って、ちょっとどうでもいい、という気持ちになった。子供を三人寝かしつけて、どうしても聞いて欲しい相談があると言われて、40歳を超えた俗に言う子供部屋おじさんの両親が離婚しそうだ深刻そうに言われたときは、さらにどうでもよくて、両親をいい加減、育児から解放してやれよ、という気持ちにもなった。体験や経験をしていないことを想像して共に悩めるような余裕や想像力がないこともある。できる限り、自分が体験していないことでも理解できるようではありたいとは思うけれども。
子供が生まれる前、それは妻が妊娠して、これから子供が生まれるぞ! という時期、生まれてくる子供のためにあれこれを準備をしなければならないと思って、細々と調べていた。新生児用のオムツがあるとか、産着がどうとか、ベビーバスのサイズはどうする、ミルクは、哺乳瓶は、ベビーベッドは等々、調べ始めるとキリがない。妊娠している妻と、ベビーカーの展示会にも行って、実感がないまま、どんなベビーカーがいいのだろうと思ったことも、数年経って思い出すと懐かしい。ベビーカーの展示会では、営業の方からいろいろと何が便利で何がどういいのかと説明を受けたけれども、元来、赤ちゃんを抱っこすることにも怯えていた僕は、想像力を駆使するのも困難で、「卵を包むように、ショックを吸収する」とか「片手で折りたたみができます」みたいな話も上の空だった。
そういえば、ベビーカーの展示会では、ベビーカーだけじゃなく、電動式のベビーベッドみたいなものも置いてあった。赤ちゃんを乗せると、ゆらゆらと揺れて、音楽まで鳴るという代物で、お値段はいくらか忘れてしまったが、「高い! けれども、それは高いけれども、無理すれば買えないというほどでもない」という気持ちになって、その後、長女が生まれて、なかなか寝ない長女に悩まされながら、「揺れるヤツ、欲しいなあ」と何度も思い出していた。当時は渡米が決まっていたので、荷物が増えるのを避けていたため、ポチらずに済んだ。
妊娠中の妻とあれこれと産後の準備をしているときに、もう一つ気になっていたのが、「抱っこ紐」だ。「抱っこ紐」というと、紐みたいな物を想像してしまうけれども、いつの頃からか、だいぶ前からだと思うけれども、「紐」というにはちょっと抵抗のある立派な物になっている。幅広い布状のお包み的な物もある。ハンモックみたいにして赤ちゃんを包んでいるヤツだけれど、あれを見ると、ついついハンモックから落ちる人を想像してしまって、僕のような不器用な人間には怖くて試すこともできない。たまに、ハンモック型の抱っこ紐を使っている人を見かけると、技術的な憧れもあって、ついつい見てしまって、目が合うと笑顔で、赤ちゃん大好きなおじさんみたいに振る舞う。ぷいっと顔を背けられると申し訳ない気持ちになる。
他にもついつい見てしまうのが、抱っこ紐とはこれまた違うもので、ウエストポーチみたいな感じで、ウエスト部分に赤ちゃんの台座があるタイプの物だ。正式名称はなんていうのか分からないけれど、抱っこ補助器具なのだろう。あれもつい見てしまうことがある。見るといっても、ハンモック型ほど技術的な憧れがあるわけではないので、「ああ、あれね」みたいな感じでチラ見する程度だ。使ったことはないけれど、きっと使ったら毎回僕は、腰に巻いていただろう。
そして、抱っこ紐だ。これも種類がたくさんある。有名なブランドもいくつもあるのだろうけれども、子供が生まれる前に、人から勧められたのは、二つで、エルゴとベビービョルンだった。これも種類がいろいろとあるし、付け方も違うし、月齢や体重によっても種類が変わってくる。妻とデパートに見に行ってみると、とくにエルゴの抱っこ紐は、赤ちゃんをほとんど抱っこした経験がない僕には、どう使えばいいのかよく分からなかった。これまた店員さんが、丁寧に説明してくれたけれども、いまいちピンとこない。ここでこうして、こうなったとき、足はここから出て手がこう出る、抱っこだとこうして、おんぶのときにはこうする、と置いてある赤ちゃん人形を使って試させてもらったけれど、腕や足を折ってしまうのではないか、という不安は拭えなかった。当時の僕は、エルゴは使えないだろう、と諦めた。
抱っこ紐に困る!<2>(双子篇)に続きます。