TOMYの今何してる

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今年の本当の最後はPEN-Fの巻

まだ年は越していない。やっと間に合いました。今年最後はPEN-F #2923XXを予定していましたが、点検するとオーバーホールの必要はないぐらいの程度。しかし、オーナーさんのご希望で作業に取り掛かったのが大晦日の夕方です。しかし、分解を進めていくと・・シャッターユニットを本体に取り付けるネジの頭が無い。また、のネジもスリ割が壊れている。PEN-Fの頃はネジの材質が真鍮で、組立時に強い緩み止めを塗布されているので不用意にネジを緩めようとすると折れるのです。前回の作業者さんは見なかったことにしましたね。自分のミスは責任をもってリカバリーしましょう。

シャッターユニットを取り外しました。緩み止めを塗布された頭のないネジを取り除くのは簡単ではありません。しかも、ダイカストのネジ山を壊さないという条件付きです。

夕食の年越しそばを頂いてから作業に取り掛かりました。何とかダイカスト本体のネジ山を壊さずにネジを取り除くことに成功しました。最後に残ったらせん状のネジの残骸を取り除いてタップでさらっておきます。今日はここまでで二年越しの作業となります。本年はブログのお引越しなどもありバタバタとしましたが、今年一年のお付き合い誠にありがとうございました。では、皆様良いお年をお迎えください。

 

今年最後かな?PEN-EEDの巻

今年最後の作業かな? と思いますがPEN-EED #4045XXが来ています。オーナーさんはカメラマンさんで、小学生の時にお父様から譲られてずっと使い続けているという個体です。EEDの場合、使い続けると鏡胴回りのガタが出て来ます。この個体の場合はフォーカスリングの動きが特にスムーズでなくグリスも抜けているようです。

内部はフィルムレールに少し腐食が出ている程度。裏蓋のモルトはご自身で交換されたようです。

未分解機と思いましたが過去に分解を受けていました。シャッター各部のネジに緩みが出ています。これがガタの原因でしょう。また、もう一つの問題はシャッター音はするがシャッター羽根が開いていないこと。分解洗浄とレンズの清掃をします。

組み上がったシャッターユニット。左はセルフタイマーユニット。

過去の分解でシボ革の剥離時に前カバーに傷を付けています。また、シボ革を両面テープで貼ったためシボ革の収縮を止められず上下幅が小さくなって隙間が空いていますので、傷部分をタッチアップしておきます。

 

ファインダーを清掃して戻します。

上は当方の見本機。製造が後期のため圧板の留めが2か所になっています。モルトの貼り方を見て同様に貼っておきます。

歴戦の個体なのでカバー類に変形がありますので修正して取り付けます。

オークションでは安値で出品されても落札されない不人気なモデルですが私は大好きなカメラです。PENマニアさんは必ず1台は所有してください。明日は大晦日でもう一日あるわけですから、もう一台掛かれそうです。
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押し詰まって来ましたの巻

作業に没頭していましたら、いつのまにか明日はクリスマスイブでした。ここまで来ると大晦日はあっという間ですね。あと何台仕上げることが出来るか? このローライ35はピントリングが動かない。やっと分解してみるとヘリコイドグリスがごってり詰め込まれています。グリスの種類から恐らく工場での作業と思いますが稀にこのような個体を見ます。ヘリコイド部分のグリス以外は無駄なんですけどね。

これはベビーローライフレックス(スポーツ)ですが、私は苦手です。レンズの繰り出し機構がご覧のように中央のリングギヤで4つの小ギヤを回しているのですが、もう、とんでもなく古いですからグリスは変質固化しているわけで、それによってピントリングが非常に重くなっています。この部分のグリスを入れ替えても中々軽く動いてくれません。

ドキっ、過去に私も複数リペイントをしたPEN-Fですけどよく見ると私の作ではありません。

メッキを剥離して真鍮出しをしておらずクロームの上から塗っています。これですと塗膜の密着は絶望的になります。駒数窓のレンズを外すのに苦労していますね。ここはやった方でないと分からない、きれいに分離するのは非常に難しいのです。古いモルトもそのままですのでO/HはされていないようですのでO/Hをします。

アンダーカバーも同様です。中央部が塗られていないのは持ち手を付けたため。溶剤で軽く拭くと塗料が落ちますので自然乾燥塗料かウレタン塗料でしょうか。

私の結論は、カメラのような工業製品の塗装は焼付塗装でなければ塗膜の硬度と密着は確保できないと思います。この方の塗装は塗装ブツなどはありますがセンスは良いと思いますので研究して欲しいと思います。尚、密着の弱い後塗りのカメラは、神経を使っても作業中の塗装剥離が起きるので本当は扱いたくないのです。

で、お待たせをしている別のカメラ店様からのローライ35Sをやろうと思いまして点検をしていくと・・沈胴の収納ボタンを押してレンズ部を回しても抵抗感が無い。これも意外に多い不具合ですが、沈胴チューブを固定する爪の片方(画像右)が折れています。折れるのは決まってこちら側です。このままでも使えないことはありませんが、商品としては厳しいのでお店とご相談です。

では、気を取り直してPEN-FTブラック+42mmをやろうとレンズを点検すると・・あぁ、こちらもダメです。見にくいですが42mmの持病の中玉のリング状の曇りです。

では、仕方が無いのでFT本体のみオーバーホールしますが現状は巻上げもシャッターも切れません。後期の#3425XXとしては状態が悪いです。

この個体は未分解機と思いましたが過去に修理を受けています。ハンマーを外されているのと、コネクティングバー部が傷だらけです。バーの戻り用バネの掛かり位置が違います。(の部分です)ネジのスリ割もいたんでいます。何をしたのでしょう? また、この個体はシャッターを切ったショット数は多いと思います。ハンマー軸にガタがあって地板の孔が潤滑不足により拡大しているのです。まぁ、使用は出来ますが・・

リターンレバーにガタが多いので分解をしてみます。

の銅ワッシャーが入っていませんので追加して組みます。

オリジナルはモリブデン系のグリスが塗布されているところにホワイト系グリスを塗布されています。グリスの変質からか動きが非常に硬くなっています。すべて洗浄をします。

 

34万台のハーフミラーとしては非常に悪い状態。恐らく劣悪な環境で何十年か放置されたのでしょう。交換しました。

トップカバーの内側に虫の住み家がありました。

トップカバーを付けて終了と思いましたら、巻き上げレバーのダンパーが無い。透明な硬質樹脂のパイプのような形状ですが地板のシャフトのカシメ時に同時に入れられているのでカットをして接着する以外にない。パーツリストにも記載のない非買部品。

ユニットに摩耗もあって、棺桶に両足が入りかけていたような個体でしたので本来は修理断念をするところですが何とか復活しました。[email protected]


















ローライB35と35Bって? の巻

続いてローライB35をやろうと思いましたら「35B」のプレートが貼ってありますね。B35とどう違うの? カメラ店の店長さんにもお伺いしてみましたが・・・・。上のクロームB35は私の私物で美品のジャーマニーです。(*´∀`)

外観の目立つ違いはというと・・ファインダー左にカバーの留めネジが追加されています。ローライ35では化粧ネジがありましたが、両側面のネジだけでは強度が足りないという判断でしょうか? ブラックモデルではメッキのネジ頭が目立ちますので黒ネジの方が良いかとも思いますけど、サイドのネジがメッキだしね。

例によってシャッターダイヤルの回転が重いというお訴え。潤滑が切れているのが原因ではあるのですけど、このようにダイヤルを摘まんで回そうとすると、ダイヤルは樹脂製で薄く強度が無いため変形してしまい、中央の金属リングを押さえるようなことになって、それで極端に回転が重くなるのです。アルミで製作されていれば起きない不具合とも思いますがコストが優先なのでしょう。

そもそもダイヤルの前面にローレット加工がされていることから、このように操作をするとこが前提なのかもしれません。すると軽く回転しますね。

シャッターは基本的な原理はローライ35と同じですが、絞り機構など設計は全く別物です。

基本的に35Bの方が生産は後と考えているのですが、シャッター地板を留めるネジのナットの形が違います。殆どの個体の場合は左側の長方形の特殊ナット。右の35Bは普通の六角ナット。なら最初からこれで良かったじゃん。先日は長方形のナットをわざわざ作りました。

B35ジャーマニーの方はRollei表記はプレスに色入れ。35Bはタンポ印刷ですが、これは後期のB35でも同じですね。

細かな違いは露出計のASA表示部の文字色が35Bジャーマニーは黒、35Bは茶系。距離ダイヤルはft同列表記はローライ35でもありますね。

巻き戻しダイヤルは樹脂製は同じですが形状が異なります。また、金属台座の高さがB35ジャーマニーは3.5mmで35Bは4.0mmとなり三脚座の高さに揃っています。

モデルによる違いと製造時期による変更もあると思いますが比較してみると面白いです。結論としてはB35と35Bは同じカメラということになります。[email protected]












PEN-FTとローライC35の巻

12月は忙しなく過ぎて行きますね。カメラ修理も量産体制となってブログに取り上げることも少ないです。今回はPEN-FT 2台とローライC35を仕上げていました。#2928XXは特に問題のない個体ですがハーフミラーの劣化が気になります。

かなり大きなカメラ虫が出て来ました。使用されていなかった証拠です。

29万台の頃はシャッターユニットのバネの条数が多く変更されています。線径は変わらないので耐久性の向上が目的と思います。変更前はの長さです。

この頃としてはハーフミラーの劣化が激しい方です。湿気の多いところに放置されていたのでしょう。

こちらは#3052XXのブラックですがコンディションはほぼ同じで悪くはありませんでした。ハーフミラーは清掃で再使用としています。どちらも信頼性は高い良い個体ですのでお探しの方にはよろしいと思います。

で、問題の多いローライC35です。ジャーマニーですがフィルムカウンターは正常に作動します。気になるのがシボ革の剥離。

前面右側のシボ革がオリジナルではありません。両面テープ貼りです。パターンはほぼ同一ですが、カットが雑です。そもそもシボパターンの向きが違います。オリジナルは横目ですが、こちらは縦目で取っています。C35のバッチはシールだけが残っていてシボ革には穴加工がされていません。バッチを紛失してしまったので穴無しのシボ革を貼りたかったのか? 

シャッターをメンテナンスしておきます。左上のスローガバナーの動きが緩慢です。沈胴のフェルトも調整しておきます。

これも多い不具合ですが、絞りダイヤルにクリック感がなくクルクルと回ってしまう。これはまず上のストッパーネジが緩んで、それによって下側2本のネジも緩んでしまったのです。不思議なことに工場では緩み止めの塗布がしてありません。

前カバーと取り付けます。

意識してみるとシボ革目の縦横は気になるものです。シボ革をご自分で交換される場合は生地の取り方にも注意をしてくださいね。[email protected]

 

ミノルタrepoSの巻

ちょうど手直しのrepoをやっていたのでついでにropoSの作業をしていました。repoの完全プログラム式と違い、シャッタースピードと絞りはマニュアル化されていますが露出計との連動は絞りダイヤルによります。内部の露出計やファインダーなどはrepoと変わりませんね。

シャッターはSEIKO製です。repoはCITIZEN-Lで同一ではありません。しかし、シャッター羽根が張付き易いのは同じですね。分解洗浄をして行きます。

シャッターとの連動に多くのダイヤル(リング)が使われています。レンズは大口径となって32mm f1.8 が付いています。

repoとの比較。repoはPEN-EEのデザインに影響を受けているように感じますが、repo-SはミノルチナP系の垢ぬけたデザインが好ましいです。

昨日の12月8日は84回目の開戦記念日でしたので映画「トラ・トラ・トラ」を見返したいと思います。画像のキ-43「隼」二型乙は今から40年ぐらい前に製作した恐らく旧マルサンあたりの金型モデルでしょう。加藤隼戦闘隊(六四戦隊)は開戦劈頭、山下兵団の上陸部隊を載せた船団護衛のため上空直援を実施しました。

 

PEN-FVとスポーツローライ4X4の巻

すみません、余裕が無くて画像を撮っていません。このPEN-FV #1341XXはシャッター不動と裏蓋開かず(巻き戻しダイヤル上下せず)で来ています。観察するとの部分に陥没があって、本体側のラッチカバーも変形してカギイタが上下出来ない状態でした。

ラッチカバーの変形を修正しておきます。

シャッター不動の原因はシャッター幕の中心軸部は無給油で回転していますが、それによって軸部が荒れて回転抵抗が大きくなり最終的に不動となったものでした。どの個体にも多少の抵抗増加はありますが、この個体のようにシャッターが止まってしまうのは珍しいです。で組み立てが終わってセルフタイマーの作動をチェックするとの部分が衝突をしててしまい止まってしまう状態です。観察するとリンケージのの部分が通常よりも大きく開かれていてカメラ底部のレリーズリンケージの長さ調整もいじられている。何をしたかったのかは分かりませんが、規定外の調整をしたために正常に作動しない状態です。

まず、リンケージの開きを狭くして関連部分を調整していきます。リンケージの開きを比べてください。

不幸なことから不動となっていましたが、元々は素性の良い個体で巻上げも軽くシャッターも快調となっています。

で、ベビーローライフレックス4X4ですが、通称スポーツローライフレックスと言われているようで、意外に古く1938(昭和13年)となっていますね。まず、裏蓋のロックレバーが変形していてロックできない。逆側に曲げてしまったようです。構造的にこの部分は分解が出来ませんので組み込みのまま修正をします。

この時代の繰出し機構はネジによる繰り出しで、古いグリスにより作動が重くなっています。前面を取り外してグリスを入れ替えます。また、シボ革(本革)が擦れて黒色が抜けていますので補修をしておきます。

この時代のレンズは全て曇っていますので完全に分解して清掃します。

シャッターはコンパーラピッドですが不動状態ですので洗浄注油をして行きます。

スクリーンを洗浄してフードを取り付けますが、後のベビーローライも同様ですが、スクリーンの収まりを確認せずにフードを押し込むとスクリーンを割ってしまう危険があるので注意をして組みます。(端が欠けている個体も多いです)

フィルムのバネの端が折れ曲がっています。フィルムを抜く時に強引に抜いたのでしょう。修正をしておきます。

後のベビーローライと違って、ちゃんとクランク巻上げが良い。レンズの状態も良く年代を考慮すれば程度は良い個体と思います。[email protected]