最近記事で取り上げた企業に、興味深い動きが見られたので、簡単に状況をアップデートします。
先日、トランプと米国の医療業界が対立しているという記事を書きました。
またその中で米国の保険会社である「ユナイテッドヘルスケア(UNH)」について触れました。
保険金支払いの拒否率が30%を超える悪名高い企業で、これが原因でCEOが射殺される事件も起きたことがあります。
この事件によりユナイテッドヘルスケアの株価は暴落し、600ドル台だった株価は200ドル台まで、約60%下落しました。
しかし米国の医療システム上、提携病院が多い1位の保険会社に加入しなければ、せっかく保険に加入しているのに保険金がもらえない可能性が高い点も記事の中で指摘しました。
そんなユナイテッドヘルスケアを、ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイが16億ドル分株を買収したとのことです。
バークシャー・ハサウェイの買収報道を受けて、ユナイテッドヘルスケアの株価は時間外取引で11%上昇しました。
米医療業界はトランプから攻撃を受けていますが、1位の保険会社の収益は長期的に維持されるとバークシャー・ハサウェイは判断したようです。
ちなみにバークシャー・ハサウェイは同期間にアップル(AAPL)株2000万株を売却しています。
次にグローバル製薬会社の「イーライリリー」です。
トランプはグローバル製薬会社に対し、行政命令を通じて米国の薬価を他国と同程度にするよう要求しました。
つまり、米国だけ薬を高く売るな!ということです。
この要求に対し、最初に動いた企業がイーライリリーでした。
イーライリリーは英国で肥満治療薬「マンジャロ」の価格を引き上げました。
従来122ポンドだった1か月分の薬代を330ポンドに、なんと170%も値上げしたのです。
米国の薬価を下げて他国と同程度に合わせるのではなく、薬価の安い国の価格を引き上げた形です。
これを黙って見ているトランプではないため、近いうちにイーライリリーに何らかの制裁を加える可能性が高いと思います。
最後に、医療業界ではありませんが、最近トランプと対立した「インテル(INTC)」です。
トランプは米国の半導体ファウンドリを活性化させるため、TSMCにインテルとの合弁会社設立を提案し、台湾に高関税を課すなどの動きを見せていました。
一方で、インテルのCEOが中国と関係があるとして、リップ・ブー・タンCEOに辞任を要求していました。
インテルのリップ・ブー・タンCEOは、トランプからの辞任要求後、ホワイトハウスを訪問してトランプと面会したといいます。
面会後、トランプはリップ・ブー・タンCEOへの非難をやめ、SNSで突然以下のようにインテルのCEOを誉めました。
「リップ・ブー・タンCEOとハワード・ラトニック米商務長官、スコット・ベセント米財務長官らと会議を行った。非常に興味深い場だった。彼の成功と成長の過程は驚くべきストーリーだった。」
これは、トランプがリップ・ブー・タンCEOから何らかの大きなプレゼントをもらったことを意味すると解釈されます。
インテルはオハイオ州の工場建設資金が不足している状況です。
これまでは米国の補助金で賄われると予想されていましたが、リップ・ブー・タンCEOとトランプの面会後の噂では、補助金ではなく米政府による株式取得になるとのことです。
つまり、オハイオ州の工場建設資金を米政府が支援する代わりに、インテルの株式を取得するということです。
もしこれが実行されれば、インテルは事実上米国の国有企業となるわけです。
台湾政府の資金が入ったTSMCが半導体ファウンドリの最強企業になったように、インテルに米政府の資金が入れば、復活の可能性は非常に高くなります。
かつて70ドル近くあった株価が18ドルまで下落したインテルですが、チャート上でもゴールデンクロス直前の形を示しています。

このまま順調に進めば、2〜3年以内にインテルはかつて「半導体の恐竜」と呼ばれた名声を取り戻せるかもしれません。