私の会社での主な仕事は、メンタル不調の社員の対応や管理です。
うつ病などの精神疾患で会社を休む時は、社員からメールで私のところに連絡が来ます。
診断書がないと始まらないので、「まず診断書をもらってきて」と返信します。
メンタル不調の社員は会社に出社できません。なので、カメラなどで撮影した診断書を、メールの添付ファイルで送ってもらいます。
診断書に書かれている病名はさまざまです。
うつ病だけでなく、適応障害や、社会不安障害や、社交不安障害など。
※だけど、この診断書に書かれている文字が、ことごとく汚い字で、何と書かれているのか読めないのです。ミミズが這ったような字とでも言うのでしょうか。小学生の字よりも汚い場合も……。
加療だか治療だか分からないし、寛解が安静に見えたり。
お医者さんの書く診断書の字はなぜこんなにも汚いのでしょうか。読む人がいることを考えていないのでは? …と思ってしまいます。
診断書は形だけの物ではありません。会社側がきちんと証拠として残して、管理する必要があります。
診断書の内容をエクセルなどに書き写して記録するのは私の仕事ではなく、部下の人にやってもらうのですが、「これ何て読むのですか?」と聞かれても、本当に読めません。これでは管理ができない……。
診断書の内容が判明すれば、休職委員会を開催して、休職命令を出すかどうかを判断します。
休職命令が会社から出れば、休職命令書を本人に手渡します。
上にも書いた通り、メンタル不調の社員は会社まで満員電車に乗って通勤することができません。
と言って自宅まで訪問するわけにもいきません。だから自宅の最寄り駅近くのカフェやファミレスまで来てもらって、休職手続きの説明をします。
・休職期間中は無給になること。
・無給でも健康保険から「傷病手当金」が支給されること。
・給料から社会保険料などを控除することができなくなるので、自己負担分は会社宛に振り込んでもらうこと。
・定期代を先払いしているので、使っていない分は会社に返還してもらうこと。
・診断書は会社から請求がある度に提出してもらうこと。(傷病手当金の手続きを毎月する必要があるので、その確認のため)
・復職判定は復職委員会を開催して、産業医の意見も聞いて会社側が判断すること。
・休職期間満了までに復職できなかった場合は、就業規則の定めにより自然退職になること。
・解雇ではないので、離職票には「自己都合による退職」と書かれること。
・雇用保険から失業手当が支給されるのは働く能力のある人だけなので、病気の間は失業手当が出ないこと。
・その代わり健康保険の傷病手当金には継続給付の制度があるので、退職後も受給できること。
こういう説明をして、書類にサインをしてもらいます。
月に一回、衛生委員会があるので(私は衛生管理者でもあるので)、そこで休職者の状況を報告して、復職できるようであれば、 復職委員会を開催します。
復職できる確率は、約半数です。
ただし、最初から会社を退職するつもりで、その前に休職して傷病手当金をもらってから辞めてやろう、という人が一部混じっています。
仮病ですね。
こっちはこの仕事を数えきれないくらいやっているのですから、仮病はすぐにわかります。
でも傷病手当金は会社が払うわけではないですし、主治医が診断書を出しているのですから、仮病の疑いがあっても手続きはします。
健康保険組合から見れば詐欺ですが、主治医が「うつ病です」と診断して診療報酬を受け取ったのなら、責任はそんな診断をした主治医にあるでしょう。健康保険組合が訴えるなら社員と主治医です。会社には何の責任もありません。
診療報酬を目当てに安易にうつ病などの診断をする精神科医がどれだけいるのか知りませんけど、こっちも仕事なので、会社のルール通りに粛々と手続きをするだけです。
プロフィールにも書いているように、うつ病や適応障害や社交不安障害などで休職する社員は年々増えています。
その理由が、手厚すぎる休職制度にあるとしたら、考えものですね……。