出向者の就業規則を出向者の私が作成した話

私は何度も転職経験があると書きましたけど、前の会社では在籍出向という形で働いていました。
A社に中途採用で入社して、B社に出向。ただしA社はB社の子会社で、しかも最寄り駅が日比谷駅と二重橋前駅(歩いて行ける)ので、1日にA社とB社の両方で働くこともよくありました。

出向という働き方は、さまざまです。会社によって事情が全く違うと言っていいかもしれません。

その時には社会保険労務士の試験に合格して何年も経っていたのですが、B社で就業規則を作成していた人が退職して、詳しい人がいないので、代わりに人事部で就業規則に関する仕事をしてくれとのことです。

※就業規則の作成は労働法に基づいた業務なので、社会保険労務士の独占業務になっています。
もちろん会社の内部で作成するなら社労士でなくても合法ですけど、外部の業者に委託する場合は、税理士や司法書士やコンサルタントのような人がお金を受け取って就業規則を作成すると違法になります。

例外的に弁護士はどんな法律業務もできると弁護士法に書かれています。でも、裁判に関係のない労務管理の細かい実務までは司法試験の選択科目でも出題されないので、全ての労働法を把握している弁護士さんは少ないようです。

たとえば、労災保険のメリット制や、育児休業給付金の申請や、メンタル不調者の雇用管理や、パワハラ防止規程の作成や、定年後の再雇用や、障害者の法定雇用率が年々引き上げられていることへの対応策など、他にも人事労務に関する仕事は山ほどあります。

ところで、A社とB社の就業規則は違います。
なぜ違うかと言うと、B社がA社を買収したからです。
A社は退職金を廃止して、その代わりに給与に毎月、〇〇手当の形で上乗せしていました。
B社にはまだ退職金制度がありました。

しかしB社も就業規則を変更して、
・退職金を廃止する代わりに給料が大幅に増える
・退職金制度はそのままで給料は増えない
のどちらかを従業員に個別に選択させることになりました。

※これは不利益変更ではないので、従業員のほとんどは給料が増える(退職金を廃止する)方を選択しました。
(一部の人は意志を表明しないまま廃止になりました)

私は在籍出向者なので、B社の就業規則による退職金制度は無関係です。
〇〇手当の額はA社とB社で違う(後から変更したB社の方が多い)のですけど、B社は翌年さらに就業規則を改定して、給与への上乗せ額を増やすことになりました。

私はB社でも働いているのに、自分では受け取れないB社の手当のために、B社の就業規則を改正する仕事もしなければいけなかったのですね。
馬鹿らしいですね。

でもいちいちお金のことを気にしていたら仕事になりません。
給与計算の仕事もよくやりましたけど、〇〇さんのお給料がなぜ自分より多いの? などと気にするような人はこの仕事はできません。

在籍出向者の就業規則が、「〇〇は出向元の就業規則が適用されて、〇〇は出向先の就業規則が適用される」とネットに書かれていることもありますけど、就業規則は法律ではないので、会社によって違います。

私の場合は、ほとんど出向元の就業規則に従っていました。

会社によって違うのは、法律が在籍出向という働き方を想定していない時代に作られたものだからかもしれません。


出向者の就業規則

出向者の働き方は、本当に会社によってさまざま。就業規則もさまざま。
一概には言えないので、その会社に合った規程を、会社内で判断して決める必要があるのですよ。

他の会社の真似をしてはいけないのです。