トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

『人生を楽しむための30の法則』(小林正観)は昨年いちばんの収穫だった

人生を楽しむための30の法則  小林正観

 

去年の最大の収穫は小林正観さんの本を読んだことだった。

今までも目についていた本だったが、なぜか手に取ることがなかった。それが昨年も後

半になって突然読んでみようという気になったのだ。「そのときが来た」という感じ。

斎藤一人さんの本と同じように人生を楽しくしてくれる気づきがある。(正観さんの本の中にも一人さんのことに触れている箇所があった。)

たくさんある著作をまだ読み進めている最中だし、これからひとつひとつまとめていきたい。

 

今まで読んだ正観さんの本から学んだこと

①幸せになるための努力や頑張りはいらない

 幸せには2種類あって、一つは「夢や目標を達成すること」、もう一つは「笑顔で感謝し、光を発して生きていくこと」。どちらの幸せを選ぶか?

②投げかけたものに囲まれる

 投げかけたものが返ってくる。投げかけないものは返ってこない。今自分がどういう状態であるかを考えると今まで投げかけてきたものが見えてくる。

③代償先払いということがある

 いわれのないアンラッキーな出来事が降りかかることがある。それはすごい幸運が舞い降りる前兆。しかし愚痴や泣き言を言わないという条件がある。

④幸せは1%の人と出会い仲間になること

 99%の人は利害だけで生きている。残りの1%の人と出会うことが幸せ。

 そのためには自分が1%に入る必要がある。

 人間関係うまくいかないといろいろ対応に悩んでいたけれど、気にしないで自分が1%になることだけを考えればいいのだと気づいた。逆に言うと99%の人とうまくいかないのは当たり前。それをいちいち問題にしていたら生きていけない。

 一人さんが「感謝を知らない人からは離れたほうがいい」と書いておられたと記憶しているが、このことだったのかもと思った。

⑤1%の人になるというのは「頼まれる人になること」

 頼まれたことを淡々とやっていくのが人生。(利用されるということではない)

 で、頼まれないときはどうするのか。まさに私が、あまり頼まれない。

 正観さんによると、頼まれない人は「不機嫌な顔をしている」そうだ。

 「愚痴、悪口、不平・不満を言わず、うれしい・楽しい・幸せ・愛している・大好き・ありがとうなどの言葉(一人さんのいわゆる天国言葉だね!)を口にしているとだんだん顔つきが良くなり、頼まれるようになるそうだ。

 これ、やってみようと思った。ただし3年くらいかかるらしい。

 

この本の内容で得た気づき

①目の前の人や「こと」を大切にする。それだけで人生は成り立つ

 目の前のことを楽しく丁寧にやっていけばそれで十分。次の流れが来たら、またそれを楽しんでやる。

 何かを待ち望んだり、目標を立ててがんばったりしなくてよい。

②一喜一憂しなくていいし、無理にポジティブに考える必要もない

 思い通りにならなくて当たり前。

 自分の「思い」があって、その通りになるのは百のうち一つくらい。99%は思い通りにならないと自分の来し方を振り返れば分かる。願いが叶っても、なんか違うと感じることも多い。なんとなく「こうなればいいな」とうっすら思ってたことが思いがけず叶っちゃうということは、ある。

 絶対に掴もうと必死になるほど手の内から逃げていくことがある。

 自分にとって楽しく幸せに思える捉え方を採用すればいい。心地よい場所を見つけてそこで生きていく。

③人は10万回生まれ変わって感謝に向かう

 鉱物→植物→動物→人間と魂が進化してきて「人間」の次の段階に行くには10万回の生まれ変わりが必要ということらしい。

 10万回の内の一回と思えば焦る必要はないと思える。また、一つ一つの段階が大切。必要なことは経験しなければならないし、このシチュエーションのこの私は一回性のもの。一度しかないというのは本当だ。だから大切。

 善人も悪人もいない。ただその段階にいるというだけ。みんな一生懸命その時の自分にとって最善だと思えることをしているだけ。みんな、がんばっている。

 10万回と考えると、嫌な奴なのにルンルンで生きてる人のことも理解できる。魂が幼いだけ。3歳児が大暴れしても怒られたりしない。

 他人のことをいちいち気にしなくていいんだ。

④仕事や人間関係がうまくいかないのは、感謝が足りないから

 努力やガンバリが足りないのではなくて。

 その状況を変えようと一所懸命がんばっているのは、「今のこの状態は気に入らないよ」と文句を言ってることになる。文句たらたらの人に天は味方しない。

 今の状況を受け入れて感謝と共に目の前のことを淡々と楽しくやる。

 苦しんでがんばることを義務のように思っていたが、そうではなかったのだ。

⑤感謝は権利

 すべてのものに感謝できる。感謝は人間を楽しむ権利。

 印象に残っているのは、許すことのできないような人にでも感謝はできるということ。無理に許そうとしてかえって憎んでしまうことがあるが、何かするなら感謝すればいい。大嫌いなひとでも、とうてい好意が持てなくても、許せなくても、いろいろ理由をつけて感謝はできる。

 年賀状の一言が難しい相手に、「ご多幸を祈る」も『今年もよろしく」もむかむかしてしまうとき、「ありがとう」は嘘でなく書ける。ずいぶん気が楽になる。どんな人にでも感謝する部分はあるから。悪意を発散しなくてすむ。

⑥本当の幸せは、温かくて愛情に満ちている人に囲まれていること

 老後の過ごし方でコミュニティに属することが惚けない秘訣だとよく言われているが、注意が必要だ。ひどいコミュニティなら属さないほうがまし。その区別こそが身を守る。性善説で孤独より帰属と力説されていることがあるが、ぜったいに但し書きが必要。一人の方がましってこともある。

「温かくて愛情に満ちている」でなくては。もちろん、まず自分がそうでなくてはだめだけれど。それと、自分が「温かく愛情に満ちていれば」相手もそうなるとか寝言は言わないでほしい。それはモラハラに近いと思う。そういう人が集まってくるということはあるだろうと思う。でも、郵便ポストに向かってお辞儀を繰り返しても返されることはまずない。

⑦人生の後半は、「何を食べるか」ではなく「誰と食べるか」が重要となる

「同じ方向を向く同じ価値観」の人。「同じ話題を笑顔で話せる人」「感謝のある人」「喜ばれる生き方をしている人」とある。

 自分がそういう人にならないとだめなんだけど。

 

 

 

Kindleアンリミテッドが面白い!『継母の心得』(トール著)めっちゃ面白かった!!!

Kindleアンリミテッド『継母の心得』 トール著

 

イザベルはシモンズ伯爵家の令嬢。結婚式の前日前世の記憶が蘇る。

なんとイザベルは前世愛読していた漫画『氷雪の英雄と聖光の宝石』の悪役継母だった。前世は平凡なオタクのOL山崎美咲、35歳で癌のため死去した。

このままでは継子いじめをしたあげく断罪される未来が待っている。イザベルは前世に得た35歳の知恵で断罪を回避すると決意する。

しかし嫁いだ先にいた継子はとんでもない可愛さだった。

前世の記憶で覚醒したイザベルは継子のノア(2歳)可愛さで経営の才を発揮、女嫌いのデイバイン公爵の心も溶かしていくというサクセスストーリー。

 

余談だが、Kindleアンリミテッドを読むことで、ストーリーの強制力、悪役令嬢、聖女、精霊などについて知識を得ることができる。公爵を頂点とする貴族の序列とかも。別世界に遊ぶ楽しさ。気分転換に最適である。

 

 

Kindleアンリミテッドが面白い『毒好き令嬢は結婚にたどり着きたい』が面白い

『毒好き令嬢は結婚にたどり着きたい』  

 守雨著  イラスト紫藤むらさき

 

主人公のイラストがかわいい。吊り上がった紫の瞳が。

守雨さんの小説は鉄板。主人公が凜々しくて、楽しくて後味の良い作品たちだ。

 

ボウエン侯爵家の末娘エレンはある日、婚約者のサムエル・コーレインがボウエン侯爵家に滞在中のメラニーと逢い引きしているのを目撃する。

ボウエン侯爵家は代々の薬師の家柄、選ばれた一人の娘が養子をもらって跡を取る。エレンは末娘ながら薬師としての才能と人柄で跡取りに決まったのだ。

サムエルは穏やかな人柄でエレンの父の友人の息子、エレンが結婚後も自由に研究ができるよう選ばれた。コーレイン家は借金があり、エレンの父から援助を受けている。サムエルはエレンに引け目があったのだ。

「結婚はできないが日当たりの良い家で生まれてくる子どもと楽しく暮らそう」と、懐妊していると言うメラニーにサムエルは話していた。

恋ではなかったがサムエルを未来の夫として愛していたエレンはショックを受けるが、このままでは不幸な結婚生活になると考えサムエルの不貞を明らかにして婚約を解消した。

ボウエン侯爵家の跡取りとしてエレンは早急に結婚する必要があった。才能ある薬師のエレンはそのままにしていると王宮に取り込まれる恐れもあったのだ。

美しく聡明なエレンに思いを寄せる貴族、裕福な侯爵家の財産に魅力を感じる若者たちがいる中で、エレンは今度こそ信頼のおける夫を自分で選びたいと宣言する。エレンは自分の父母のような愛と信頼に満ちた結婚生活を送りたいと願っていたのだ。

 

エレンの魅力は薬師の仕事に才能があり、心から打ち込んでいるところ。婚約者の不貞を知って傷付きはしても、うじうじ悩んだりせず冷静に対処する。それは愛されて育ち、自分をだいじにしているからだ。

このライトノベルも楽しく読めて後味が良い。元気の出る一冊。

 

 

 

 

12月14日に「忠臣蔵」を観て大興奮

12月14日(日)明治座

主演 上川隆也 大石内蔵助

藤原紀香 大石りく

高橋克典 吉良上野介

藤岡真威人 堀部安兵衛

 

明治座は初めて。

花道はなくて、ややこじんまりとした舞台空間が客席と一体化してわくわくさせてくれた。

実際赤穂浪士たちが客席の間を駆け抜ける。

討ち入りのシーンではセットと映像がダイナミックに交錯して迫力ある舞台だった。

 

推しの上川隆也の大石がすてき。私の年代だと赤穂浪士と言えばNHK大河の長谷川一夫。あの音楽やニヒルな林与一密偵、重厚な「おのおのがた」と言うときの長谷川一夫の声の響きなどが印象に残っているのだが、上川隆也の内蔵助は壮年の男盛り。その主君への情熱、反骨精神、できる男の雰囲気、家庭人であり夫である愛、がまぶしい。

定番だが、何度も何度もゆさぶり、試すことによって討ち入りの同志をまとめていく手腕とか上川さんにぴったりの役どころだ。仇討ちという非生産的な企てに説得力を持たせる。私も血判押したかった。

高橋克典吉良上野介も良かった。けちくさい爺さんというイメージがあったが、有能な官吏的側面もうかがわれて、そういう人だったのかも、と思わせる。炭小屋から自分で出てきて、最後に立ち回りがあるのも良かった。

そして藤岡真威人をはじめとする若い人たちの凜々しさがまぶしい。殺陣がかっこいい。劇画から抜け出たみたいだ。

藤原紀香の大石りくも印象的だった。

とにかく声が大きい。明るくて強い大石の妻。悲しみに耐えつつ支える妻じゃなくて背中を守る堂々としたいい女なのだ。

 

極月の忠臣蔵はいいねえ! 年が暮れる。その先には新しい年が待っている。

内匠頭の悲劇も最後一人を除いて切腹になっちゃった浪士たちの人生も、確かに意味があったのだと思わせてくれた。勝者も敗者もなくて、ただ生き抜くことに意味があるのだと。

 

 

12月大歌舞伎昼の部 丸橋忠弥 芝浜革財布 に大満足

過日歌舞伎座へ出かけ、12月大歌舞伎 昼の部を観てきた。

丸橋忠弥

江戸初期の慶安の変を題材にしている。丸橋忠弥はこの事件で大きな役割を担う男。企ては失敗して、捉えられるが、歌舞伎では男を貫いた激烈な人生が描かれる。

最初の場面は江戸城のお堀の側。実は酒豪で、浴びるほど呑んではいるが素面同然の忠弥が酔ったふりの千鳥足で立ち飲み屋へ通りかかる。酔った芝居、堀に小石を投げて堀の深さを測るなどお約束の芝居が繰り広げられる。いいなあ。

圧巻は最後の立ち回りで、戸板や捕り縄を使ったダイナミックな動きが連続、息もつかせない。

 

芝浜

魚屋政五郎が未明の浜で拾った財布には五十両という大金が入っていた。早速仲間たちを読んで大盤振る舞いをする政五郎だったが、賢い女房おたつは預かった財布をこっそり大家のもとに届け、財布を拾ったのは夢だと政五郎を言いくるめる。

落語でもおなじみのエピソードが江戸情緒たっぷりに描かれる。

 

盛り上がった! 丸橋忠弥の立ち回り

松緑の立ち回りがかっこいい。槍を奪われて鴨居を引き剥がして戦うし、捕り縄の上に飛び降りるし、長時間にわたる大奮闘。20分以上と思う。

 捕り方の面々も息ぴったりで、アクロバット感がすごい。

②丸橋忠弥という男は、女房舅、世間にどう思われようと幕府転覆に向けておのれの役割を貫く。一切の説明、理屈、大義もなく、ただ前に進む。最後は捕り方に捕まってしまうのだが、そんなことは全然かまわないのだと思わせる。

 丸橋忠弥という男がどう生きたかが鮮烈に語られる舞台だ。

 歌舞伎って、荒唐無稽だし不条理極まりない世界が繰り広げられるが、そこにこそ人間の真実がある。モラルに反しても本音で生きる、挫折しても格好いい生き方が描かれている。いいなあ。松緑、いいなあ。

 

江戸情緒たっぷり 芝浜革財布

①浜で財布を拾う場面、つまづいて最初何か分からず毒づきながら拾い上げる政五郎。現代とは違う未明の江戸の深い闇が描かれる。

 中村獅童の子どもたち陽喜くん、夏幹くんが演じる丁稚さんが可愛い。実際こういう幼い子どもたちが各商家で働いていたのだと思う。

 女房おたつに財布を預けた政五郎は手ぬぐい持って銭湯へ。その何気ない動きがいいなあ。江戸っ子なんだなあ。

 おたつの立ち居振る舞いも江戸の市井のかいがいしい女房ぶりがさもありなんと思わせる。

 「江戸」が好きだけれど東京にもう江戸は残っていない。歌舞伎には江戸がある。

②政五郎はいい男

 大金を棚ぼたした政五郎は早速仲間たちを呼んで大盤振る舞い。独り占めしないでみんなで楽しもうという心意気だ。宴会の話題も結局各自の女房自慢に。宴会の支度も和気藹々と分担する楽しい仲間たちである。

 そして財布を拾ったなんて夢を見たんだよといなす女房おたつにあっさり言いくるめられる人の良さ。

 貧乏な飲んべえだけれど、女房はじめ皆に愛されている政五郎はいい男なのだ。これだけで人生幸せだと思う。

 そういう男だから思わぬ大金を得ても道を踏み外さず、まっとうに生きることを得るという、いい男のいい話なのである。

 

イヤホンガイド、意外にも良かった

今まで観劇の邪魔になると思って利用していなかったが、今回連れがいないのでイヤホンガイドを頼んでみた。案外良かった。

よく考えられていて、ぜんぜん邪魔にならない。細かいところの説明が楽しい。歌舞伎をより楽しめるアイテムだと分かった。

 

観客がおとなしい

いつも思うことなのだが、ちょっとノリが悪いのではないかと思う。

もちろん周囲でベチャクチャしゃべられてはたまらないが、なんか、芸術を鑑賞してます感が漂っていて。

でも、舞台の邪魔をする人がいないのもありがたいことだし。マナーが悪いより、いいのかも。

 

丸橋忠弥

河竹黙阿弥 作「慶安太平記」より

丸橋忠弥  松緑

松平伊豆守 中車

忠弥女房おせつ 雀右衛門

 

芝浜革財布

魚屋政五郎 獅童

政五郎女房おたつ 寺島しのぶ

丁稚長喜吉 陽喜

魚屋小僧  夏幹

大工勘太郎 中車

 

 

 

 

Kindleアンリミテッドのライトノベルが面白い!『ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息を狙います』

ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息を狙います  宝小箱著

Kindleアンリミテッドのライトノベルにはまっている。

「悪役令嬢」もの、「婚約破棄されました」に始まる「ざまあ」ノベル。同じような設定のファンタジーなのに種々雑多、荒唐無稽、玉石混淆、こんなにたくさん違った物語が書けるのだとびっくりだ。とにかくどの作品も作者が楽しんで書いていることが伝わってくる。読む方ももちろん楽しい。そしてほとんどがハッピーエンド確約の安心感。

設定は異世界なので、ヨーロッパ中世っぽいが地球ではない。風俗、道徳、宗教、政治、すべて作者の思うがままである。

 

先日読んだ『ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息を狙います』も、ヒロインがめっちゃチャーミングで、楽しい。

シンシア・ルドランは子爵の一人娘。両親から受け継いだ赤毛の美人で領地経営にも意欲的な頭のいい女性だ。

しかし女は後を継げないので婿を取ることになっている。それがドリス伯爵の次男エディ。おっとりのんびりした性格と夕焼け色の髪が気に入ったシンシアがエディを選んだのだ。そのエディ、子どもの頃は良かったが、長じて美貌が際立ってくるにつれて、性格と頭の悪さも顕著に。貧乏伯爵家の息子が裕福な格下の子爵家に金で買われたというので周囲から同情されるのをいいことに被害者ぶってシンシアを悪者に仕立てている。この縁談はドリス伯爵家から申し込んだものであり、エディはルドラー家の婿として大切にされていたのに。

そんなとき、実は現代の日本から転生した女の子シンシアはこの世界が自分がプレイしていた恋愛アプリゲームの世界であることに気づく。ゲームの世界ではシンシアは悪役令嬢であり、エディの恋路を邪魔したあげく断罪されてしまうのだ。そんなことになってはたいへんだから、シンシアは自分の運命を変えるべく行動を起こす。

サクッとエディとの婚約を解消、学園の同級生、家庭でシンデレラのごとく虐げられていたシライヤという公爵家の三男をターゲットに定めた。シライヤは「紳士的なうえに誠実。そして顔が良くて成績優秀」なのだ。

シンシアの明るい積極的な性格、シライヤのシンデレラ魂、そしてエディのだめっぷりが楽しい。エディの最後は厳しいけれど、まあおとぎ話だからいいとしよう。

 

 

『わたしがわたしを助けに行こう』(橋本翔太著)を読んでセルフヒーリングした

 

ほんとに実用的な本だ。

「自分で自分を褒める」とか「自分を認める」「自分を許す」などが必要なことなのは分かっているが、むつかしい。自己評価の低い私にはハードルが高かった。無理に自分を褒めたりすると逆に落ち込んでしまうのだった。

この本に書かれている方法だとつらい自分を客観視できるので自分を慰めやすい。

友達が悩んでいたら心から慰めるが、自分自身に対してはそれができないのをできるようにする方法だ。それだけでなく、今まで気づかなかった自分に気づくこともできた。

 

内容

問題行動を繰り返してしまったり、解決できなかったり、うまくいかないことが多々あるものだが、その繰り返しには実は隠れた目的がある。それは自分自身を守ること。

人生でつらい思いをしてきた人は、助けてくれる誰かを無意識に求めている。癒やしてくれる誰かが必要だと感じている。

しかしあなたを守ってくれるナイトは、あなたの中にすでにいる。

ナイト君と対話することで、自分で自分を助けることができる。

 

ナイト君は、あなたを守るために生まれたもうひとりのあなた

ナイト君はいつも私のためにがんばってくれている。

幼い頃、親などの保護者から精神的援助、共感などの協働調整が得られなかった場合、自分を守るために「ナイト君」が現れる。

長じてからもナイト君は私を守ろうとがんばってくれている。しかし子どもの時に生まれたナイト君なので、精神は幼いまま。大人になった私を守ろうとして過剰な反応をしてしまい、かえって足を引っ張ってしまう。

私はそんなナイト君がうとましい。ナイト君は私に邪魔にされていると分かってはいるが、それでもなお私を守ろうとがんばり続ける。

私はナイト君以外の誰かに助けてもらう必要があると感じている。

でも、大人になった私は自分で自分とナイト君を助けることができる。その力は自分の中にある。

 

ナイト君ワークで自分で自分を助けに行く

トラブルはナイト君とのコミュニケーション不足が原因。ナイト君と話し合う必要がある。

具体的に7つのステップが記されているが、実際にやってみて、ほんとうに癒やされるのを感じた。

どんなに親しい、やさしい友達であっても、自分ほど自分を理解していないし、必要なことも分からない。

ナイト君ワークの7つのステップで、自分の最高の親友として自分を助けることができる。

 

ナイト君ワークで気づいたこと

①繰り返し、やっていい。一回ではクリアできないし、様々な問題が次々出てくる。

 同じ問題も繰り返しワークを行うことでより深く癒やされる。一気に解決しなくていい。するわけもないのだ。

②ナイト君の名前を覚えなくてもいい。

 それぞれの問題について一人ずついるナイト君。一人一人に名前をつけてあげるという作業があるのだが、最初その名前を覚えなくてはと思っていた。でも、忘れてしまう。表にするかなとも思っていたが、めんんどうだ。

 同じ名前でなくていいと思う。また、同じ問題のようでも微妙に違うのだから名前も違っていいのだ。

 たとえば人見知りしてしまうときに出てくるナイト君をミッチ君と名付けてワークをしたとする。一回で解決するわけもなく、三日後にまた同じ問題が出てきてもう一度同じワークをしようとしたとき、「ミッチ君」という名前を忘れてしまっていることがある。そのときは「ミー君」と名付けても問題ないということだ。

③自分が分かる。

 ワークで、ナイト君の「目的」を尋ねるのだが、その問答を繰り返しているうちにはっと気づいたことがある。私のナイト君は最終的には私を抹殺しようとしているのだ。これ以上自分を苦しませないためには存在を消すしかないと思っているのだと。

 気づいたとき、ナイト君が哀れで涙が出た。

 そのとき初めて自分を愛おしむ気持ちが現れた。

④ナイト君ワークの肝は、ナイト君を見捨てないこと

 7つのステップ中でいちばん大事なのは、ナイト君を拒否しないことだ。ナイト君のがんばりを否定せず、ナイト君と別れるのでもなく、「ずっと一緒だよ」「これからもよろしくね」「いままでありがとう」と抱きしめる。感謝して暖かい気持ちで包む。

 このステップで、ほんとうに癒やされる。

 

この本は、つらいことがある人には、ほんとうにおすすめだ。つらいことがある人は、ぜひ読むといいと思う。

2005年に読んだ本の中でベスト3に入る。