tn3のブログ

野村忠央です

28. 『侍タイムスリッパー』と山口馬木也

 昨年の劇場公開時からずっと観たいと思っていたのだが、『侍タイムスリッパー』は笑いあり、涙あり(実際に何度か泣いた)のとても良い映画だった。最後の山口馬木也(1973-)と冨家ノリマサ(1962-)*1の殺陣も実に緊迫感があって良かった。

 侍タイムスリッパー | 公式サイト

 山口馬木也藤田まこと版『剣客商売』(2003-2010)の二代目秋山大治郎役*2以来、良い俳優だと思っていたが、私見ではその後、良い作品に登場する機会に恵まれなかったと思う(冨家ノリマサもである)。*3それを考えた時、低予算、少ないスタッフ(安田淳一監督が何役もこなしていた)で作り上げた本作品が日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したことは本当に良かった。斜陽の時代劇ファンとしても心からうれしい。

 エンドロールで「5万回斬られた男」福本清三(1943-2021)にこの映画が捧げられていたこと、福本に依頼するはずだった殺陣師の役を峰蘭太郎(1948-)*4が演じていたことも良かった。

*1:私には冨家規政の名前の方が馴染みがあるのだが、今回、片仮名のノリマサとなっていることを初めて知った。

*2:初代大治郎役は渡部篤郎。ちなみに、佐々木三冬(田沼意次の娘、後に大治郎の妻となる)役は初代が大路恵美、二代目が寺島しのぶである。どちらも別の味があって良かった。

*3:水戸黄門』の鳴神の夜叉王丸の記憶があるが、実際には私が気付いていないだけで、多くの作品に出ているのだろう。最近では、新しい松本幸四郎版の『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』(2024)で鬼平の友岸井左馬之助の役を演じていた。

*4:暴れん坊将軍』で俳優としての活躍もよく観た。なお、今回の映画では道着の名前が福本清三となっていた。