今作品の大物主要キャストで一番設定が違った人ですね。報道では最初は沢尻エリカに内定していたものの、色々な問題が起きて元々の候補の一人だった黒木メイサになったとのことで、私もキャスティングが発表された時点の情報だけでは、「えぇ~、原作のイメージからすれば圧倒的に沢尻エリカやん(本人の性格が余りに知られすぎて、それを知ってしまってからだと先入観なしに観れないかも知れないけれど…)、何故あのキツイ黒木メイサ!?」と思った一人です。
ただ、設定ががらった変わった実写版を観たあとだと、「いや、(ルックス的に)黒木メイサでむしろ大正解やん!!」というのが率直な感想。一部には彼女の演技レベルが心配、との声もあったようですが、個人的には十分合格点と思います。「上手い!!」という感動レベルではないかも知れませんが、わけの分からないアイドルとかでなくて良かったです。
原作ヤマトファンの中には、かなりの割合で森雪ファンがいらっしゃり、一部には「あれは森雪とは認めない」のような発言がありましたが、改めて感じされられたのは私は原作の森雪のファンでは全くないということです。森雪の名言(?)とよく言われる、「古代君が死んじゃう」や「古代君のそばにいたかったの」とか「勝ってね、古代君」とか台詞達にも全く思い入れがないんですね。というより、ストーリーの中で森雪との絡みに全く重点を置いて観ていませんでした。言い換えれば不要とまでは云いませんが、古代と森の愛にほとんど興味がなく、メカのかっこよさ、演出、心湧き立つ戦闘シーンやBGMと共に、男の熱いドラマのほうにばかり心を奪われていたようです。台詞で云えば「男だったら戦って戦って戦い抜いて…」とか「お前を弟のように…」とかです。
何ていうんでしょうか、多少の語弊はあるかも知れませんが、ヤマトのこれまでの古代と雪の恋愛ドラマはどうも「クサイ」というか、「無理やり感がある」というか、強いえて云えば違和感とはまた少し違う感覚があったのでしょうか…。冷静に考えれば映画版(論外です)はおろか、テレビシリーズのパート1でも今もってどこでどういう過程を経て二人が恋仲になったのかも全く分かりません(多少のエピソードはありますが…)。気が付けばある突然恋人に【なっていた感】満載で、テレビ放映カットの影響があるのか分かりませんが、どうにも腑に落ちません。森雪の生活班長兼チーフレーダーオペレーター兼看護婦という設定もなんだかな~という感じで…
もっと云えば、ヤマトファンに総攻撃を受けそうですが、年齢を重ねれば重ねるほどヤマトで出てくる「愛」って何か可笑しくない?という気がして、テーマは「愛」というのも作品を重ねるごとに無理やり感を感じるようにもなってきました。パート1の「我々がすべきことは戦うことじゃない、愛し合うことだった!!」は非常に含蓄があり、良かったと思うのですが「さらば」の「宇宙は愛だ!!」辺りから雲行きが怪しくなってきました。「2」のテレサ発言も余り納得できず、「永遠に」で少し持ち直したものの「3」では愛の安売りが始まり、完結編の「試練もまた愛なのです」は、「かわいい子には旅をさせよ」はその通りだけどアクエリアスが云うか??っていうか意味不明。復活した沖田艦長の「二人が愛し合うことが宇宙の平和に繋がる理論」は典型的お目出度い日本人的発想と云いますか…。少し興奮して話が広がり過ぎましたでしょうか??…延々と続きそうなので、この辺で…
ご意見、ご批判はあるかと思いますが、そういう目から見れば、今回の森雪の設定は個人的には原作よりも遥かに説得力がありました。(二人の恋愛の絡みを入れるのは大前提とすれば)二人の恋愛の進展も二時間の作品の中でよくまぁ(必要最小限のエピソードは)入れられたなぁと感心です。個人的には最後の第一艦橋での少々長過ぎる別れを惜しむシーンは7割くらいにして、問題のワープシーンからコスモゼロ発進までの間にもう一つくらいのエピソードは欲しかったとは思いますが、それくらいですね。
恐らく賛否両論とは思いますが、最後の主題歌の最後のシーン、私も映画館での初見時「えぇ!?そういうオチ!?」と思いましたが、どちらが良かったのかは未だに自分の中でも判断しかねてます。個人的な希望だけを云えば、問題のワープ前のエピソードも完全カットして最後のシーンも「一人古代の写真を手に復興した地球を眺める森」という少し物悲しい終わりにして欲しかったとは思うのです。ただ、この終わり方は70年代ぽくてぽくて好きなのですがそのときの森雪は完全に過去にのみ生きる人になってしまいます。興行的に、ファン層の反応、一般客の反応、原作との兼ね合いとして、そして今作のテーマ、とか色々考えたときに森雪にとっての「明日への希望」を与えることは必ずしも間違いではないのかな…とか。
映画としての主人公は古代ですが、間違いなくこの映画の語り部(?)としての主人公は森雪で(山崎さんのコメントにもありますが、今作は森雪で始まり森雪で終わっています)、彼女が前向きな状態で物語を終えるためには、(古代が突撃するのは避けられないとして)作品通りの終わり方以上のものが私には思いつかない訳であります。古代が直前に脱出とか、無人操作で…とか合理的で全く感動を呼ばない方法はありますが…
何か森雪2とかも書けそうですが、取り敢えずこの辺りで…