薄暗くなると細かなものが見えにくくなるのはなぜ
日が落ち暗くなっていくと、それにしたがって見えにくくなります。明るい所で視力が1.0の人でも、薄暗くなると0.1になり、さらに暗くなると0.01と視力が悪くなります。このように暗くなるにしたがって視力が低下してものが見えにくくなります。
目は光によってものを見ているので、真っ暗になり、光がなくなれば見えなくなるのは当たり前です。でも光が弱く(薄暗く)なるのにしたがって、徐々に細かいものが見えにくくなっていくのはなぜでしょうか。
眼で何かを見ているとき、その像は眼球の内側の網膜に投影されています。網膜には視細胞が1億個以上あり、光が当たると電気信号を発生。その信号は網膜の神経細胞で処理されて大脳に伝わっていくと、見ているものが認識されます。
薄暗くなるのにしたがって、徐々に細かいものが見えにくくなっていく理由を、視細胞と神経細胞の関係を雨量計に例えて説明しましょう。図1と図2を比較しながら見てください。
図1は光が強いときの例えです。雨が強いときは漏斗を使わなくても十分な量の水が溜まり、それぞれの位置に降る雨量を区別して測定することができます。すなわち、光が強いときは、一つの視細胞に届いた光の情報を一つの神経細胞が捉えることができる。そうすると、位置ごとに変化している光の強さが分かる。これは明るいときは細かなものまで見えることを意味します。
図2は光が弱いときの例えです。雨が弱いときは漏斗を使い広い範囲から雨を集めないと測るのに十分な量の水が溜まりません。漏斗を使うと少ない雨量を測ることができますが、それぞれの位置に降る雨量を区別して測定することができません。すなわち、光が弱いときは、たくさんの視細胞に届いた光の情報を一つの神経細胞に集めます。そうしないと信号の大きさが十分な強さにならず、情報として捉えることができないからです。しかし、それでは位置ごとに変化している光の強さが分かりません。これは薄暗くなると細かなものを見ることができなくなることを意味します。
もし、雨が弱くなってもロートの口が広くならず狭いままですと、雨が降ったのかどうかも十分に判断できません。これと同じように、一つに神経細胞に届く視細胞の情報の範囲を広くしないと光を見ることができないのです。このようにして薄暗いなかでもどうにかものを見るために細かなものまで見ることを犠牲にしているのです。

図1 明るいとき 図2 暗いとき