![]() 私の表題の付け方が、誤解を招くようなものだったので仕方ありません(今の表題は修正済みです)。 なぜシリーズ記事としようとしたかですが、理由はいくつかあります。 ・この技術は、一般に思われていることよりも複雑であること → 説明が長くなりそうで整理がつかなかった ・ネット情報や、一般的なイメージに、紛らわしいもの、誤解があること → それらのどこが正しくて、どこが間違いなのか整理したかった ・原理を知らなくても、方法を守り稽古すれば上達は可能なこと → 実践的技術があれば理屈はいらないかな で、以前にも書いたように、画を描きながら考えていると、次第に思考も整理されていきました。 これから書くことは、異論のある方もおられるかと思います。 これらは、現時点での私流の考え方、解釈なので、その辺ご理解ください。 明らかな間違いについては、ご指摘あれば修正していきたいと思います。 上の図は、少々ごちゃごゃしていて、一見解り難いかと思いますが、複数の関係要素を纏めたつもりです。 これらの要素以外にも、まだ考慮していない事もありますが、それらはまた後日、考察記事にしたいと思います。 最初に、図b.です。 ”2つの力”は”角見”と”掌内捻り"です。 ”角見”は弓の右側角を支え、”離れ”で弓の張力が開放される際には、弓側の力の支点になります。 図b.では直線的な大きな弧のイメージで表現しました。 ”角見”の効果は、矢を”的付け”通りに真っ直ぐに飛ばすことですが、図中の他の部分で描いていますので、このあとに説明します。 もう一つの力、”掌内捻り"は、図c.で説明しますが、”手の内”の掌側であり”弓返り”で働きます。 ここで、サブテーマにある”角見”と”弓返り”の関係についてです。 ”角見”は”弓返り”の技だという方もいます。 または”角見”の延長上に”弓返り”があるという方もいるでしょう。 それらも間違いではないと思いますが、私は別のものとして考えています。 ですから、”角見”と”掌内捻り"を”2つの力”としました。 次に図c.です。 ”掌内捻り"の説明です。 ※”掌内捻り"は私が勝手につけた用語です ”手の内”を作るときに”天文筋”を外竹に合わせます。 ”打起こし”~”大三”にかけて、弓が掌の中で回転することにより、掌の皮が引っ張られて、捻る力が蓄えられます。 ”離れ”で弓が復元し、手の内が弓の張力から開放されると、弓は掌の中で逆回転し始めます。 この”天文筋”と外竹が”弓返り”の弓が回転する支点(線)となります。 この時、”角見”で押された弓の慣性も相まって”弓返り”が生じます。 この”弓返り”の動きは、スロー動画を見ればわかりますが、弦が矢を押し出す動きより、かなり遅れて動き出します。 しかもそのスピードは比較にならないくらい遅いものです。 ですから、”弓返り”が直接的に矢勢に影響したりすることは無い訳です。 図d.は”会”を後方から見た図です。 ”離れ”で弦が開放されると、弦は真っ直ぐに弓の方向に戻るのではなく、”角見”の効果などで、やや外側に膨らんで戻っていきます。 そのため、弓と弦の間に頭が割り込んでいても頬や耳を打たないわけです。 ちなみに”角見”が効いていないと、弦は弓に直線的に戻り、時に頬などを擦って痛い思いをします。 また弦音も、弦が上関板に直角に当たる為、バチンと大きな音がする事があります。 図e.は”会”を上から見た図です。 いろいろごちゃごちゃ描いてしまいましたが、要点としては、弦の軌跡です。 ”角見”の効果ですが、例えでいえば、弓を上から見たイメージで、弓は”釣竿”、弦は”釣り糸”です。 弓は引く(弓手と妻手の)前後方向だけでなく、”角見”を効かせることにより、右(的の前方向)にも撓る力を蓄えています。 そのため、釣竿で魚を引き上げるような軌跡で、弦を引っ張っていきます。 図f. g.は、弽の拇の弦枕と弦の動きです。 弦枕から弦が開放されるときは、射手の身体の外側に離れます。これも小事のようですが、弦の軌道に関係します(このあと説明)。 ちなみに、世界中の弓矢では、矢の番え方が弓の左右の違いや、取り懸けの仕方もピンチ式、蒙古式などがあります。 図h.は、弦に押されて前進する矢の軌跡を描いたものです。矢の筈部分の軌道が弦の軌跡に重なるイメージです。 図はちょっと正確ではないです。すみません。いやちょっとではなくかなりいいかげんです。 簡単に言うと、矢は蛇のように蛇行して飛んでいきます。 アーチェリーパラドックスという現象で、アーチェリーをやる方には常識だそうですが、弓道では上段者でも知る方が意外と少ないです。 以前の記事「弓の稽古 矢の擦り痕、アーチェリーパラドックス」で紹介していますので、参照してください。 ”角見”が効いていない場合や、弓力に合っていない箆張り(のばり)の強い矢を使用するなどでは、この蛇行が適切にならず、前矢になったり、頬摺り羽をすり減らし易くなります。 図i.は、矢の蛇行が次第に収束し、的の10~15m程度の手前で羽根の抵抗により回転し始める様子です。 一見、矢は何のブレも無く、一直線に飛んでいくイメージがありますが、実際には、このような動きをしています。 弓の造りと角見の技は、このような現象を巧妙に利用していて実に面白いと思います。 先人達は、これらの現象を経験的に学び、創意工夫して弓術を成したのでしょう。
by tin_box
| 2021-07-01 23:18
| ブリキ的生活
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