天星人語

無職71歳です。ふしだらな生活を送っています。65歳と2か月で脳梗塞を発症、5か月間の入院を経て、6か月後に復職しました。 4年後、通院と服用は終了しました。

2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

戦中派不戦日記 おまけ

12月31日 ああ昭和二十年!凶悪な年なりき。言語同断、死中に活を拾い、生中に死に追われ、幾度か転々。或は生ける屍となり、或は又断腸の想いに男泣きに泣く。而も敗戦の実相は未だ展開し尽されしにあらず、更に来るべき年へ延びんとす。生きることの難…

戦中派不戦日記15(最終)

12月31日 大雪。雪降るに降る。けぶる林の中に、雉子の声、山鳥の声、樫鳥の声、ひよどりの声。 ○運命の年暮るる。 日本は亡国として存在す。われもまたまたほとんど虚脱せる魂を抱きたるまま年を送らんとする。いまだすべてを信ぜず。 理由は分からない…

戦中派不戦日記14

12月28日 夜の炉端に近所の百姓ら集まり、ただ天皇を憂うる声のみ。 たまたま新聞に、北海道にて天皇打倒を演説せる徳田球一が、地方民に袋叩きに合い、民衆天皇陛下万歳を絶叫し、君が代を高唱せりという事件報道せられ、百姓ら、球一がこの村に来たら…

戦中派不戦日記13

11月14日 市ヶ谷駅は石垣の間に屋根をかぶせ、その上に土を盛りあげた原始的な姿である。街路樹の美しかった一口坂もただ廃塵。真っ黒に焦げた電柱が二つに折れて、上の柱は電柱にひっぱられて宙に浮かんでゆれている。靖国神社は雨の中に人影もない。先…

戦中派不戦日記12

10月30日 四時半起床。リュックを背負って千葉県の津田沼へ。 十時三十分着。少し歩いて京成バスを待つ。大行列。ときどき百姓が車をひいて通ると、みんな「何だ?」といって首をさしのばす。飢えた眼である。 青い野菜畑のつづく地平線にレンズのような…

戦中派不戦日記11

9月17日 とにかく東条大将はこれからも敵から怪物的悪漢と誹謗され、また日本の新聞も否が応でもそれに合わせて書きたてるであろう。(中略) しかし、彼の人間と存在意義は、遠い後に歴史が決定するであろう。 まったく同感である。

戦中派不戦日記10

9月12日 連合国司令部より逮捕状を発せられた東条大将それを待つことなくピストルを以て自決を計ったが死に至らず、敵幕舎に拘留せられ、アメリカ軍軍医の手当てを受けつつありと報ぜられる。(中略) 逮捕状の出ることは明々白々なのに、今までみれんげ…

戦中派不戦日記9

9月1日 新聞がそろそろ軍閥を叩きはじめた。「公然たる闇の巨魁」といい、「権力を以て専制を行い、軍刀を以て言論を窒息せしめた」といい「陛下を盾として神がかり信念を強要した」という。そして。-「われわれ言論人はこの威圧に盲従していたことを恥じ…