目次
はじめに
ゲーム開発では、多くのプロジェクトで共通して必要になる技術領域が存在します。
しかし、プロジェクト単位で開発が進む場合、これらの技術が各プロジェクトで個別に開発されてしまい、いわゆる「車輪の再発明」が起こりがちです。
その結果、技術投資が分散してしまったり、ノウハウが組織全体に広がりにくくなったりするという課題があります。
サムザップではこの課題に対して、技術投資を横断的に行う組織として 開発推進室 があります。
開発推進室のミッションは次のとおりです。
技術力でサムザップのコンテンツ開発力をブーストする
この記事では、開発推進室が生まれた背景や現在の取り組み、そして今後目指している状態について紹介します。
開発推進室が生まれた背景
ゲーム開発では、プロジェクト単位で開発を進めることが一般的です。
そのため、次のような技術領域は多くのプロジェクトで共通して必要になります。
多くのプロジェクトで必要になる共通技術
- ビルド
- CI
- 共通ライブラリ
- 開発ツール
- 描画技術
しかし、これらを各プロジェクトごとに個別に開発すると、次のような問題が発生します。
プロジェクト分断による問題
- 似たような機能を各プロジェクトで開発してしまう
- 技術検証がプロジェクトごとに分散してしまう
- 技術ノウハウがプロジェクト単位で閉じてしまう
そこで、これらの技術投資を横断組織で担うことで、次のような状態を考えています。
開発推進室の目的
- 車輪の再発明を防ぐ
- 技術投資を集約する
- ノウハウを組織全体に広げる
これらの目的で作られたのが 開発推進室 です。
小さく始めた横断技術組織
開発推進室の前身には、「開発効率化室」「TA室」という組織がありました。
技術横断組織は、以下のような難しさがあります。
- 成果が見えにくい
- 価値が伝わりにくい
そのため、最初から大きな組織を作るのではなく、 小さく始めて実績を積み上げていく という戦略を取りました。
開発効率化室
開発効率化室では主に、以下の領域でプロジェクト横断の技術支援をしていました。
- ビルド環境
- CI
TA室
TA室では、以下のようなプロジェクト横断のグラフィックス関連サポートをしていました。
- シェーダー
- 描画技術
- グラフィックス支援
これらの取り組みを通して横断技術組織としての価値が徐々に認識され、現在の 開発推進室 へと発展していきました。
開発推進室の現在
現在の開発推進室は、プロジェクトには所属しない 横断技術組織 として活動しています。
ただし、開発したものを実際に活用してもらうため、プロジェクトに入り次のような支援をすることもあります。
- 導入支援
- 技術サポート
- 要望のヒアリング
また、現場のニーズを近くで拾うために プロジェクト兼務のメンバー も存在しています。 さらに、技術検証やR&Dといった技術投資も行いながら、組織全体の技術力向上を支えています。
4つの技術領域
開発推進室では、技術支援を5つの領域に分けて取り組んでいます。
それぞれ異なる角度から、プロジェクトのコンテンツ開発を支える役割を担っています。
開発推進室 ├─ ソリューション ├─ アプリケーション基盤 ├─ サーバー基盤 └─ グラフィックス
ソリューション
プロジェクトや組織の業務改善を目的とした領域です。
ビルドやQAなどの開発支援領域を中心に、開発フローの改善やツール提供を通じて開発効率の向上を支援しています。
アプリケーション基盤
プロジェクトで利用できる共通ライブラリを提供する領域です。
各プロジェクトでの車輪の再発明を防ぎ、開発速度の向上を目指しています。
サーバー基盤
バックエンド開発の共通基盤を提供する領域です。
API基盤やサーバー開発フレームワークなどを整備し、安定したバックエンド開発を支援しています。
グラフィックス
描画技術に関する技術支援をする領域です。
描画パイプラインやシェーダー、ポストエフェクトなどの技術提供やツール開発をしています。
技術的な取り組み
これらの技術領域の中で、実際に行っている取り組みの一部を紹介します。
- GitHub Actions を利用したアプリビルド
- Anjin を利用したモンキーテスト
- ビルドエラーやクラッシュログのAI解析
- クリエイター向けポストエフェクトや背景シェーダーの提供
これらの取り組みを通して、プロジェクトがよりコンテンツ開発に集中できる環境を整えています。
開発推進室が目指す未来
今後は、「ライブラリ提供数の拡大」や「技術資産のさらなる蓄積」を進めていきます。 また、AI活用や自動化などを通して、開発効率をさらに高めていきたいと考えています。
開発推進室はこれからも、 技術力でサムザップのコンテンツ開発力をブーストする 組織として、プロジェクトのコンテンツ開発を支えていきます。



