Speee DEVELOPER BLOG

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「できる領域」のやり方を、「できない領域」に転用する——そのために必要だったのは、暗黙知を「構造化」することだった

※この記事は、2025 Speee Advent Calendar 22日目の記事です。昨日の記事はこちら


はじめに

こんにちは、SpeeeでHousiiというサービスの開発をしている新卒2年目エンジニアの北田です。

この1年で、事業として実現したいことの難易度が大きく上がりました。それに伴い、設計・調査の難易度も上がっています。結果として、私は「実装はできるのに、設計・調査になると見積もりが大きくズレる。対策を立てても改善しない」という壁にぶつかりました。

この記事では、そこから私がどうやってその壁を突破したのかをお伝えします。結論を先に言うと、「できる領域」で無意識にやっていることを構造化し、「できない領域」に転用することで突破しました。

同じように「できる領域」と「できない領域」の差に苦しんでいる方にとって、この考え方が何かしらの助けになれば嬉しいです。

課題:なぜか「できない領域」がある

私にとって、設計・調査は「できない領域」でした。

見積もりが大きく乖離することが続いたのです。2営業日で終わる想定が6営業日かかる。そんなことが何度も起きました。

振り返って対策を立てても、うまく改善しない。なぜか。「Whatを考える」「立ち止まる」「相談する」といった対策は出せても、具体的に何をどうすればいいかがわからなかったからです。

対策として「やるべきこと」はわかっていた。でも、その「やり方」が具体的になっていなかったのです。

では、その「やり方」をどうすれば明らかにできるのか。

気づき:「できる領域」には暗黙知がある

ヒントを探すために、比較対象を探しました。自分の中で「同じような状況でも、うまく回せている領域」はないか。

私にとって、それは実装でした。実装では、見積もりが大きくズレることはありません。たとえズレても、何が原因かはすぐにわかる。

では、なぜ設計・調査ではそれができないのか?

考えてみると、実装では無意識に何かをやっている。つまり、「できる領域」には、自分でも気づいていない暗黙知があるのではないか。そう考えました。

問題:暗黙知のままでは転用できない

しかし、暗黙知があるとわかっても、それだけでは何もできません。

改めて私がやりたいのは、実装で無意識にやっていることを、設計・調査にも転用することです。しかし「無意識にやっている」ことを、どう明確にすればいいかわからない。だから、何をすればいいかもわからない。

暗黙知をどうにかして明らかにする必要がありました。

解決策:暗黙知は「構造化」する

では、暗黙知を明確にするには、どうすればいいのでしょうか。

私はそこで、まず要素に分解し、関係性を整理してみることにしました。いわゆる「構造化」というアプローチです。

実際に、実装でやっていることを構造化してみると、次のような進め方をしていることがわかりました。

1. 要件・やりたいことを把握する
2. どう実装するかのイメージを書き出す
3. テスト方針として、contextを整理する

そこまでやって、ようやく実際にコードを書き始めていました。

つまり、コードを書くという具体作業に入る前に、目的・方針・検証観点といった全体像を整理していたのです。

構造化することによって、「具体作業に入る前に、全体像や関係性を整理する」という原則を実装では行っていることがわかりました。これが、実装では無意識にできていて、設計・調査ではできていなかったことの正体であり、私にとっての転用できる武器でした。

実践:「できる領域」のやり方を、「できない領域」に転用する

「具体作業に入る前に、全体像や関係性を整理する」。この原則を、設計・調査に転用しました。

設計なら、具体的な検討に入る前に:

1. 目的・要件を整理する(何を解決したいか、どこまでやれば完了か)
2. 制約条件を洗い出す(既存影響、期限、依存関係など)
3. 問題を分離する(複数あるなら切り分ける)
4. アプローチの選択肢を出す
5. 選択肢を比較して決める

調査なら、手を動かす前に:

1. 目的を確認する(何を明らかにしたいか)
2. 完了条件を確認する(何がわかれば終わりか)
3. 仮説を立てる(こうなっているのではないか)
4. 調査手順を整理する(どの順序で確認するか)

これはあくまで私が出したステップであり、完璧なものではありません。そのため、まだ見積もりとズレることもあるでしょう。

ただ、武器を転用してステップとして明確化したことで、ズレた時の対処ができる状態になりました。「どのステップで詰まっているか」がわかれば、相談もできる。振り返りでも「意識が足りなかった」で終わらず、「どのステップを抜かしたかまたは足りなかったか」という具体的な改善につなげられる。

暗黙知を構造化したことで、「できる領域」のやり方を「できない領域」に転用でき、その結果、設計・調査のやり方を明らかにできたのです。

まとめ

「できる領域」には、自分でも気づいていない暗黙知があります。

それを構造化することで、「できない領域」にも転用できる武器が見つかります。

私の場合、その武器は「具体作業に入る前に、全体像や関係性を整理する」という原則でした。これを設計・調査に転用し、具体的なステップに落とし込むことで、振り返りの精度も上がりました。

もしあなたが「なぜかうまくいかない領域がある」と感じているなら、まずは「できる領域」で何をやっているかを構造化してみてください。そこに、転用できる武器が眠っているかもしれません。

最後に

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