この記事は横浜北部ソフトウェアエンジニアの集い Advent Calendar 2025の19日目の記事として執筆しました。 盛大に遅刻してしまい申し訳ありません・・・。
今回はYokohama North Meetup #11「LT忘年会2025」で発表した内容をブログ向けにリライトした内容でお送りしたいと思います。
ソフトウェアエンジニアに転職してもう8年となりますが、ふとこれまでを振り返って「変わらないと思っていたこと」は、だいたい変わるなと実感したため、これまで起きたこととこれから起きる変化についてどう向き合うかアウトプットしてみました。
転職したてのころに思い描いていたこと
ソフトウェア開発者として働き始めた頃、毎日が変化に富んでいて刺激的で、とてもモチベーションが高かったのを覚えています。 書くコードも、覚える技術も、すべてが新鮮でした。
「分からないことがある=成長の余地がある」
そう思えるだけのエネルギーがあり、常に前に進めていた実感があります。
その中で、自分で「これはこの先も変わらないだろう」と思っていたものがありました。
- コードを書くことは、ずっと楽しいはず
- 体力は気合でなんとかなる
- ずっと目標にしていた仕事に就くことができていてハイだった
- 仕事上のストレスも少なく、疲れをそこまで感じていなかったので夜遅くまで勉強や作業をしていた
- スキルを積み上げていけば、将来は自然と明るくなる
- 自分はずっと「実装する人」でい続ける
- とにかく手を動かすことが楽しいのでこれからも続けていける
- 転職も成功したし、これからの人生はきっとうまくいくという全能感
当時の自分にとって、それらは疑う余地のない前提でした。
少しずつ見えてきた、別の側面と最初の壁
しばらく経つと、景色が少し変わってきました。
- 学ぶべきことが減らないどころか、むしろ増えていく
- 実装などで自力で解消できない問題にぶつかるたび焦る
- もちろん周りのメンバーや上司も頼っていたが、もっと自走したいという気持ちがあった
- 自分の現在地が分かりにくくなる
- 成長具合やスキルレベルなどが計りづらかった
- 悩みが増え、体力の消耗を感じるようになった
- 将来について、漠然とした不安がよぎる
「何かがおかしい」というほどではないけれど、以前のような軽やかさは確実に薄れていました。
これは特定の出来事が原因というより、「時間の経過とともに、仕事や自分自身をより俯瞰的に捉えるようになった」 という感覚に近いです。
環境が変わると、見えるものも変わる
最初にソフトウェアエンジニアとして働いていた会社はとても良い環境で、未経験の自分を受け入れて頂いたことにも多大な恩を感じていました。しかし、「他の世界(他社)のことも知ってみたい」「コードを書くだけじゃなく中〜大規模チームで開発する経験を身につけたい」という理由で転職に踏み切りました。
環境が一新し、さらに違う技術を身につける機会が増えて「出来ること増えた!まだまだやれるじゃん自分!」という自信も湧き、キャリアがスタートした頃の前向きさが次第に戻ってきました。 しかし、その高揚感は持続せず、複数チームで大きなプロダクトを開発する組織でまた新たな悩みが生まれます。
- 信頼している人の退職、新メンバーとの関係構築
- 在籍メンバーもポジションが変わったりして関係性が変わる
自分の成長以上に事業や組織の変化が目まぐるしく、適応していくことに四苦八苦したこともあります。
コロナによって強いられた「強制的変化」によるストレス
そして、新型コロナの感染拡大に伴い働き方が一気に非対面中心へと切り替わりました。
「選択した変化」以上に、ほぼ強制的に訪れた変化がもたらしたネガティブ要素は計り知れないものでした。
仕事の仕方がフルリモートに切り替わることで
- ちょっとした相談がしづらくなる
- 相手の状況や感情が文面だけで読み取りにくくなる
- 雑談や偶発的な会話が減る
といった影響がすぐに現れました。
また、オフィスで働いていた頃よりも誰かと並走している感覚が薄れ、「手応えのなさ」や「孤独感」がじわじわと積み重なっていくのを感じました。
画面越しのコミュニケーションは効率的な一方で、「今これを聞いていいのか」「自分の理解は合っているんだっけ?」といった小さな迷いが積み重なっていきました。以前は自然にできていたことが意識しないと成立しなくなり、滅入ってしまう日々が増えました。
今でこそハイブリッド型勤務を実践することでリモートワーク・対面コミュニケーションの恩恵を享受できていますが、当時はなるべく人と会うのを避けようという雰囲気が社会全体を包んでいましたし、未知の感染症との戦いはいつ続くのか・自分は健康に過ごし続けられるのかという不安も重くのしかかっていました。
今振り返ると、これは個人の問題というより、急激に変わった働き方に、心と認知が追いつくまでの調整期間だったのだと思います。
「変わらない」は前提にしない
ここ数年で、「変わらないと思っていたものほど、実は変わっていく」という事実に直面しました。 自分の考え方や社会情勢、人の立場など、思った以上にこの社会は変数で溢れており、それを確信しました。
- 働き方は、大きな外的要因をきっかけに一変した
- コミュニケーションの取り方も再設計が必要になった
- 生成AIの登場で、職種と職域が再定義を迫られ「コードを書く」ことの意味も変化した
どれも、個人の努力やキャリアの計画とは無関係に起こりました。
変化に対して、どう向き合うか
環境の変化そのものはコントロールできません。でも、どう向き合うか・変化をどう捉えるかは選べます。 変わっていくことを「強風」と例えるなら、絶対に折れることのない大木になることは難しくとも、大きく曲ったりはすれどしなやかに受け流すことができる竹のような心持ちでいようと考えるようになりました。
- 悩みや不安を隠さない
- 感謝は正面から伝える
- 記録を残し、前提を共有する
というオープンコミュニケーションを意識的に実践すること、これは非対面でも対面問わずますます重要になりました。
また、スキルと役割についても
- 職種を固定的に捉えすぎない
- これまでの専門性を軸に、隣接領域へ踏み出す(越境する)
- 学び直し(アンラーニング)を恐れない
という柔軟さを身につけることを目標にしています。
組織との関わり方については、自分が目指すキャリアの位置に固執するのではなく、
- 人や役職が変わっても揺れにくい立ち位置を意識する
- 「今いる場所で何を提供できるか」に集中する
ことで多少の変化を受け入れて前に進めるようになりました。
変わり続ける前提で、働く
常に同じだろうと思っていたことに対して変化が起きると、自分の中で築いていた前提のようなものが崩れるような感覚に飲み込まれ苦しくなります。
一方で、
変わることを前提に、自分も少しずつ更新していく
自分の現在位置を把握し、向かう道を自分で決める
そう考えるようになってからは、不安や違和感も「次の調整ポイント」として受け取れるようになりました。
この文章が、同じように変化の途中にいる誰かの視点を少しだけ楽にできたら嬉しいです。

