広く浅く[blog.goo.ne.jp/taic02より移転]

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黒い月見団子?

今年の夏は、全国的には40度を越えたり豪雨の被害があったりして、良いとは言えない気候だったけれど、秋田市周辺に限れば、時々大雨が降ったくらいであまり暑くなく、過ごしやすい夏だった。
少なくとも、昨年、一昨年の夏よりは過ごしやすく、今年のアイスクリームや麦茶の消費量は少なかった。


今はもうすっかり秋で、9月19日は旧暦8月15日の「中秋の名月」。いわゆるお月見の日。
一昨年から今年までは、中秋の名月が満月の日とちょうど重なったものの、来年以降は満月ではない日が中秋の名月の当たっていて、次に満月と重なるのは8年後とのこと。

日本では、月見の日には、ススキを活けたり、いくつかの食べ物を供える風習がある。
供える食べ物は、里芋、枝豆、栗などで、場合によっては、中秋の名月以降の旧9月13日、旧10月10日の月見の日とともに、「供えるものを限定」することがある。「芋名月」「豆名月」「栗名月」と。
どの日が何名月かは、地域によって異なる。土地によって作物の収穫時期が違うから当然のこと。
gooの辞書検索「デジタル大辞泉」では、旧8月15日を「芋名月」、旧9月13日を「豆名月」または「栗名月」としているし、他には旧8月が「芋」、旧9月が「豆」(栗は無視?)だとか、山形県内陸部ではその逆で旧8月が「豆」、旧9月が「芋」だとか。
秋田県内でも地域差・家庭差があるかもしれないが、我が家では旧8月が「芋」、旧9月が「豆」、旧10月が「栗」
ところが、一般社団法人角館町観光協会をはじめ、いくつかの秋田県関係の人や組織のブログによれば、旧8月が「豆」、旧9月が「栗」というところもある。
要はいろいろ。


各名月において、共通で備えられる食べ物もある。「月見団子」。
でも、月見団子って秋田ではあまり供えない気がする。白玉粉上新粉のような米粉が豊富にある地域だから、作っても良さそうなものだが。
団子の代わりということか、秋田では菓子店やたけや製パンなどが、「月見まんじゅう」を発売している。月見まんじゅうは、東北地方で比較的見られるようだ。【16日追記】山崎製パンでも月見まんじゅうを製造しており、秋田市内で売られていた。たしか仙台工場製。
月見まんじゅうの形状や色は月見団子に準じて白くて丸い(団子よりは平べったいかな)が、派生としてウサギをかたどって耳や目があったり、月をイメージした黄色いものなどもある。

月見団子に縁が薄い地域の人でも、テレビなど(例えば今年は月見の話はまだ放送されていないけど「サザエさん」)の影響か、「三方」にピラミッド状に積み上げられた、白くて丸い団子が供えられている風景は、まるで自分が実際に見たかのように印象付けられている人が多いのではないだろうか。


そんな中、びっくりする月見団子に出会った。
19日放送のNHK秋田の夕方のローカル番組「ニュースこまち」。中盤の簡易な気象情報コーナーで、「スタジオでもお月見をしています」といった感じで、ススキと月見団子が置かれていたのだが…
右の矢印付近の物体って?

真っ黒い団子で、串に刺さっている!?(さらに透明フィルムが巻かれている)
最初見た時、里芋? 栗? いや泥団子?と戸惑ったが、あんこで包まれた団子のようだ。串刺しの。
外見からして、秋田市内の某菓子店の串団子ではないかと推察(個人的にはここの団子は好き)。秋田局近くの秋田駅前でも購入できるし。

そりゃあ、一から月見団子を作っていられないだろうから、買ってくるのはいい。串刺しでフィルム付きなのも、それをバラすとおかしくなりそうだし、ほぼ真正面からのカメラアングルだとあまり分からない(鮮明な地デジでは分かってしまったわけですが)だろうから、そのままということかもしれない。

でも、よりによって表面にあんこがついた団子を月見団子にするとは。秋田の人の多くは、違和感を覚えるはず。
月見団子の形は、お月様をモチーフにしたものだと思っていた。新月じゃないんだから、黒い月見団子なんてあり得ないのではないか。
(もしかしたら、番組内で説明などがあって、それを聞き漏らしたのかもしれないし、僕が知らないだけで秋田県内でもそういう団子を供える場所があるかもしれない。そうだったら、以下はまったく無意味なものになりますが…)


ネットで調べてみると、地域によっては「黒い月見団子」が存在するのだった!
月見団子には地域性があって、静岡では「へそ餅」という平べったくて中央が凹んだ形(よくある白玉団子みたいな形)、名古屋ではういろう状【2023年9月29日追記・里芋をかたどったしずく形】、沖縄では「フキャギ」という大きな餅に炊いた小豆(あんこでなく)をまぶしたもの、関西では白い団子の一部にあんこを巻きつける(里芋をイメージしたとか、月に雲がかった様だとか)そうだ。(東日本方面では白い団子が多いようだけど、中にあんこを入れたり入れなかったり地域差があるという。形はまん丸でなくややつぶすとか、十五夜にちなんで「一寸五分」の大きさだとか、供える個数はその年の「月(旧暦では閏月があるので12か13)」の数にするとか「作法」もあるらしい)
そして、四国や中国地方では、串団子を供えるという。みたらしなどの場合もあるが、あんこでくるんだものが多いらしい。
すなわち、中国四国なら、NHK秋田局の月見団子はごく普通のものなのかもしれない。


だけど、ここは秋田。秋田県の県域放送なんだから、飾るのなら地域の実情に配慮してほしかった。
秋田局のスタッフなんて(と言っては失礼ですが)、全国各地出身で数年で異動してしまう若手職員、あるいは契約スタッフが中心だろうから、秋田の風習を知らなかったり、そこまで考えが及ばないのかもしれない。

スタジオに月見団子を飾ろうということになって、何も考えずに・知らずに「とにかく『団子』を買えばいい」と行動してしまったのか、その人が中国四国出身で「月見団子はこういうものだ」と思い込んで買ってしまったのか。
でも、報道に携わる人だったら、例えスタジオの飾り1つだとしても、詳しい人に尋ねるとか調べるとかしてほしかった。
配慮しなかったのか、配慮できなかったのか。残念な「黒い月見団子」だった。



ちなみに、秋田で団子といえば、時期外れだけど花見団子が変わっている。特に横手とか内陸南部かな。
見た目としては、平べったくて、表面がテカテカしている。テカテカなのは、薄い羊羹(あんこを寒天で固めた)でコーティングしているため。