旅路のスケッチブック

津々浦々の旅を書き留める

乗鞍高原温泉に宿泊して、乗鞍高原氷瀑と上高地霧氷をスノーシューで楽しむ旅

旅した日:2025/2/22(土)~2025/2/24(月祝)
旅したところ:岐阜県・長野県(乗鞍高原温泉、乗鞍高原滝めぐり、上高地

・1日目:
松本駅ー(松本鉄道上高地線)ー新島々駅ー(アルピコ交通バス乗鞍高原線)ー乗鞍高原観光センターー(送迎)ーゲストハウス雷鳥宿泊
・2日目:
ゲストハウス雷鳥主催スノーシューツアー 乗鞍高原・三本滝ーゲストハウス雷鳥宿泊(連泊)
・3日目:
ゲストハウス雷鳥主催スノーシューツアー 上高地早朝霧氷ツアーーゲストハウス雷鳥ー(送迎)ー乗鞍高原観光センターー(アルピコ交通バス乗鞍高原線)ー新島々駅ー(松本鉄道上高地線)ー松本駅

ふわふわの新雪を踏んで歩く時の きゅっきゅ とした音。冷え切った空気を肺に吸い込んだ時の凛とした温度感。良いも悪いも覆い隠して0にしてくれるような真っ白い世界。
ひとシーズンに一度は雪深い森を歩きたいと、今年は乗鞍高原へと足を運んだ。
乗鞍高原は2度目。前回はコロナ禍の2020年の夏、緊急事態宣言が少し緩和された隙を狙って、上高地を散策、その後バスで乗鞍高原へと移動し、乗鞍岳山歩き&温泉に宿泊した。
季節は真逆の夏で、緑の生命力あふれる車窓の景色が印象に残っていて、白濁した硫黄の温泉もとても気持ちよく、コロナ禍の閉そく感を打破してくれるような自然にパワーをもらった。今回は、すべてを覆い隠すような雪に覆われたモノクロの世界。どんな旅になるのかずいぶん前から楽しみにしていたのだが、日にちが近づくと、ちょうどこのタイミングで日本海側が大雪・大荒れになると予報が出てきた。訪れてみると乗鞍高原は荒れると予報されていたエリアに含まれていないことがわかるが、東京でニュースばかり見ていると、今行って大丈夫だろうか…?と不安感ばかり大きくなっていた。この感じ、コロナ禍の時も同じだったなーと、前回訪れた時の思いをなんとなく思い出したりもした。

ゲストハウス雷鳥は、源泉掛け流しの硫黄温泉を有するゲストハウス。ゲストハウスなので基本は食事なし(※)で、アクティビティプランが季節ごとに用意されているのが特徴。そして海外からのお客さんがとても多い。この時は3連休だったので日本のお客さんもいたが、普段はほとんどが海外からの人だという。
(※)朝食に別途地元のパン屋さんのベーグルを頼むこともでき、もちもちで食べ応えがあって美味しい。夕食は外のお店へ食べに出かけるか、キッチンで調理して済ませるかで、私は車もないので持ち込んだパンやレトルト食品などで済ませた。

冬のアクティビティといえばスノーシュー。今回は乗鞍高原を歩き、二つの氷瀑をめぐる「のりくら氷瀑巡り」と、早朝に上高地を訪れ霧氷を見る「大正池霧氷スノーシューハイク」の2つに参加。

まずはのりくら氷瀑巡り。
宿から乗鞍スキー場まで車で行き、少しの登りとリフトでレストハウスまで。身支度を改めて整えハイクスタート。
この日は日本人客と台湾からのお客さん。日本語も分かる台湾の方だったので、ガイドは基本日本語で行われていた。
2025年の雪の積もり具合は、過去数年の少雪と比べると多い方で、前日雪が降っていたこともありふわふわの新雪の上を歩くことができた。この歩く感覚が大好きなので、足を踏み出すのが楽しくて仕方ない。

乗鞍高原の森

乗鞍高原の森


三本滝と善五郎の滝という、乗鞍を代表する滝の氷瀑は迫力満点で、青く凍った神秘的な姿にはもちろん感動したが、それがなくてもふかふかな新雪を踏みしめて歩けただけでも、このツアーに参加してよかったと思えただろう。

善五郎の滝 善五郎の滝

善五郎の滝は氷結。アイスクライミングしている人も



ゆっくりたっぷり歩いて、宿に帰ってからは温泉入って部屋でゆっくりして、次の日の早朝ツアーに備える。

そして上高地大正池霧氷ツアー。霧氷は太陽が当たると溶けてしまうため、早朝に宿を出発。
シーズン中は車で通れる釜トンネルは、冬期は車通行止めになるので手前で車を降り歩いていく。トンネルの中はゆるーい登りで、雪は出入口以外は心配ないが、空気が冷えて寒い。
この日のお客さんは上海からの旅行者で日本語がわからない方だったため、ガイドさんは日本語より英語で説明することのほうが多かった(私でも理解できるくらいの簡単な英語だし、個人的に話してくれるときは普通に日本語だったので特に気にはならなかった)。トンネルの中を30分ほど歩いたが、話しているとあっという間に出口まで来た。そしてトンネルを抜けると青空の下白く輝く穂高連峰の峰と、焼岳が見えてきた。
白と青の世界が本当に綺麗。

青空に映える真っ白な穂高連峰

青空に映える真っ白な穂高連峰

そして葉を落とした裸の樹々は、しっかりと霧氷をまとっていた。

樹氷のついた木々

霧氷のついた木々

夢中で写真を撮っていると、目の前の枝がキラキラと輝きだした。顔を上げると太陽が山の肌から出てきていて、次第に木全体がイルミネーションを付けたかのように光りだした。思わず声が出る。「すごい!太陽!木が光ってる!」みんなで感激の声をあげ、神々しい光景をずーっと眺め、そして必死に写真に収める。本当に綺麗だった。

太陽が当たって霧氷が光りだす
太陽が当たって霧氷が光りだす
霧氷のついた木
太陽が当たって光りだす
青空に霧氷が映える
霧氷の樹
青空に霧氷のついた木が映える

スノーシューツアーは大正池まで歩き、そこで一服、元来た道を戻りトンネルも抜けて、ピックアップしに来てくれた車に乗ってゲストハウスまで戻った。
お昼過ぎには宿に着き、温泉に入ってバスの時間まで待たせてもらう。
宿からバス停まで送っていただいて、新島々駅で鉄道に乗り換えて松本まで帰る。(帰りに乗ったバスには車掌さんがいなかったので、切符は新島々駅到着後バスと鉄道分まとめて支払った。ちなみに松本から行く時は、松本駅の券売機で鉄道・バスの通し券を購入できた。)

白濁した硫黄泉をたっぷり堪能しつつ、ふわふわの真っ白い雪の世界にも入り込める、冬の旅としては私のなかで王道といえる旅でした。

雪の山形 温泉をめぐる旅

旅した日:2025/2/10(日)~2025/2/11(月祝)
旅したところ:山形県小野川温泉、赤湯、かみのやま温泉

・1日目:
米沢駅 9:40ー(山交バス)ー10:05 小野川温泉 12:45ー(山交バス)ー13:10 米沢駅 13:40ー(JR)ー 13:55 赤湯駅ー(徒歩)ー赤湯元湯、旅館十文字屋
・2日目:
旅館十文字屋ー(徒歩)ー赤湯駅 9:57ー10:16 かみのやま温泉駅ー(徒歩)ー下大湯公衆浴場、新湯共同浴場、上山城などぐるりと散策ー(徒歩)ーかみのやま温泉駅

冬の山形が大好きで。
冬だけではなく、夏や秋、ほかの季節も好きなのだけど、冬にどこ行こうかと考えた時に、頭に浮かんでくる場所の最初の方に必ず山形がある。
電車の中から見るどこまでも広がる真っ白い雪原と、遠くにそびえる雪を湛えた白い山並み、それらが青空を背景に広がっている景色は
何回見ても見飽きることはなく、毎回初めて見たように心奪われる。

旅の初日のこの日、数日前から続いた大雪の影響がまだ残り、山形新幹線の始発は運休に。次発便も、福島ー米沢の県境部分を速度を落として走行するとのこと。新幹線の窓際まで迫る雪の壁を見ると、いつ雪崩れてもおかしくないのではと不安な気持ちが沸き上がってきて、こんななか運行できるよう尽力された関係者の皆さまに頭が上がらない思い。
本当にありがたい。

米沢駅から小野川温泉までのバスも、途中の雪道で遅れながら運行。新幹線と同じく、この状況で走らせて頂いていることに心から感謝した。
窓の外のふわふわの雪を眺めながらたどり着いた小野川温泉もかなりの積雪。

小野川温泉の積雪

小野川温泉

少し歩いただけで体が冷えたので、早速共同浴場滝の湯へ。無色透明で硫黄の香り漂う熱めのお湯は、体がしゃきっとする。
カフェぼぬーるさんのオムライスでお腹を満たしたあと、バスの時間までもうひとっ風呂いただこうとうめや旅館さんへ。こちらは源泉5号のみの濃厚湯と案内があった通り、硫黄の香りが強く少しトロミも感じる無色透明の湯。白い湯の花も少し舞っていた。癖になりそうだ。
温泉街の駐車場のところには飲泉所もあり、口に含んでみると梅のような味がしてなんとも不思議。

飲泉所のある駐車場から

飲泉所のある駐車場から

米沢駅に戻り次はJR山形線赤湯駅まで。新幹線も止まるこの駅は何度も通過したことはあるが、降り立ったのは初めて。今どきの、スタイリッシュさを取り入れた雰囲気の駅で、お土産屋さんの横に山形県南陽市産のワインが試飲できるコーナーが。ワイン樽を壁にあしらった一角で地ワインをいただく。
駅から赤湯の温泉街は2キロほど離れており、コミュニティバスもあるようだがこの日は運行がない日だった。タクシーも待機していたが、天気もよく歩道も除雪されていそうだったので30分歩いて向かうことにした。
到着後すこし待つと、日帰り入浴施設の赤湯元湯が昼休憩から再開(15時)。2つの源泉のかけ流しのお湯が楽しめ、施設は新しく快適だった。
宿泊した十文字屋旅館さんは、薄く緑がかったようなお湯で硫黄の香り。カルシウムナトリウム塩化物泉の泉質でよくあたたまり汗が出る。

駅から赤湯温泉街までの道 赤湯温泉街

赤湯温泉

翌日、赤湯からJR山形線かみのやま温泉駅まで。この日はたまたま加勢鳥という藁の傘のようなものを頭からすっぽり被って町を練り歩く上山の伝統行事が行われていた。通りを歩いていると何度かすれ違いながら、今日も温泉へと赴く。下大湯、新湯というふたつの共同浴場は昔ながらの味わいある雰囲気でたまらない。
下大湯では洗髪料なるものを初めて知った。湯船のお湯ではなく、蛇口のお湯を使う場合に必要で、お金を払うと蛇口のハンドル(ひねり口)を借りれる方式。お湯は無色透明で優しい肌触りだった。

加勢鳥という伝統行事 観音寺

上山市 加勢鳥という伝統行事が行われていた

大雪に見舞われた山形の旅だったけど、何度来ても冬の山形は良く、飽きることなくむしろ好き度が増してまた来たくなるのだった。

白山比咩神社お礼参りと温泉巡りの1泊2日旅

旅した日:2025/1/17(金)~2025/1/18(土)
旅したところ:石川県(野々市の温泉、鶴来、白山比咩神社、白山すぎのこ温泉)

・1日目:
金沢駅ー(IRいしかわ鉄道)ー西金沢駅ー(徒歩すぐ)ー新西金沢駅ー(北陸鉄道)ー野々市駅ー(徒歩)ーしあわせの湯ー(徒歩)ー野々市駅ー(北陸鉄道)ー鶴来駅ー萬寿荘さわだ旅館宿泊
・2日目:
さわだ旅館ー(散策しながら)ー白山比咩神社参拝ー一の宮バス停 10:18ー(北鉄白山バス)ー10:37 佐良ーすぎのこ温泉入浴ー佐良 12:03ー(北鉄白山バス)ー12:37 鶴来駅 13:02ー(北陸鉄道IRいしかわ鉄道)ー金沢駅 14:53ー(北鉄金沢バス)ー15:40 湯涌温泉 16:52ー(北鉄金沢バス)ー17:43 金沢駅

前年2024年の夏に白山へと登った。
標高差1,400メートル超えの登り降りでヘロヘロになりながらもなんとか登頂、見事な夕焼けを見せてくれたそのお山にお礼参りをしたいと、白山比咩神社への旅を計画した。
実は前回、石川の温泉のポテンシャルの高さに思わず唸った。山間の温泉は言うまでもなくだが、街中に何食わぬ顔で建っている温泉の、泉質の良さと言ったら。温泉博士でもなんでもない、素人の勝手な感想だが、「え、こんなところにこんな良いお湯が?」というのが、青森に次ぐポテンシャルなのではと感じていて、ぜひその温泉をいくつか回りたい、と1泊2日の旅をしてきた。

北陸新幹線開業を機に第三セクターになったIRいしかわ鉄道と、永く地元の足として走り続けてきた事を体全体で醸し出している北陸鉄道を乗り継いでたどり着いた野々市のしあわせの湯は、薄い黄金色のすべすべのお湯でぬるめの露天は長湯してしまう良いお湯だった。
北陸鉄道の終点鶴来駅から徒歩で向かうお宿、さわだ旅館さんは温泉ではないが、金劔宮の麓に位置し神聖な空気をまとった佇まいや、女将さんのさりげない気遣いと程よい距離感、地のものを使った料理の美味しさに、また来た時もぜひ泊まりたいという気持ちにさせてくれた。

さわだ旅館
鶴来のさわだ旅館さん

翌朝は朝食なしにして早めに出発。キンと冷えた空気の中を歩いて白山比咩神社へと向かった。朝早い時間は参拝客も少なく、厳かな気持ちでお参りができる。

参道のお店
参道には蔵もある
翌朝神社までの参道を歩く

白山比咩神社

白山比咩神社。朝陽が照らす。

その後路線バスで白山市の温泉すぎのこ温泉へ。佐良バス停で降車し5分弱ほどバス道を戻ったところにある。
無色透明でぬるめ、熱めの2つの浴槽があり、優しい肌触りがした。源泉掛け流しで浴槽も大きくないので新鮮なお湯にどっぷりつかれる、なんとも贅沢な温泉だ。
行きも帰りもバスの乗客は少なかったが、取手川沿いを山に向かって走る路線は心が解放されていく良さがあり、この路線沿いには他にも訪ねてみたい温泉や施設があるので、ぜひまたバスに乗って来たい。

すぎのこ温泉
バス車窓から
すぎのこ温泉、バス車窓、鶴来駅

鶴来から電車で金沢まで戻り、そこから別の路線バスで次は湯涌温泉へ。金沢の奥座敷と言われている温泉だ。
日帰り入浴施設は新しめで綺麗、人気があるのか入浴客も多い。掛け流しではなく循環で塩素臭も少し感じた。たまたまかもしれないが若い人が多く、温泉街にはお洒落なカフェもあったので、SNSで見つけてくるような若者層も増えているのかもしれない。夕暮れ時で、お店の賑わいなど、日帰り入浴施設内以外の温泉街の雰囲気はあまり掴めなかったが、地元の方や旅行者から愛される温泉であれば良いなと思いながらこの旅最後のバスに揺られた。

このバスの中から見た夕暮れが、白山登山の時に見た夕焼けの記憶へと連鎖していき、こういう地続きを感じられる人生、悪くないよな、という思いに耽りながら旅の終わりへと向かった。

湯涌温泉の神社
湯涌温泉の神社
金沢駅
鶴来駅湯涌温泉にあった神社、金沢駅

まえがき

気づけばいつも「どこに行こうか」が頭にある。

 

20代のころは音楽フェスや海外をテーマに

30代半ば以降山を登りに、今はそこに温泉も加わった。

これから先も、何か心が動くものに出会うとその真髄に触れるため、あちこち足を運ぶのだろう。

 

自分や環境や世間が変わりゆき、色々なものを諦めていくなかで、ふと今までの旅を書き記したくなった。何で今さら、と思わなくもないが、思ってしまったものは仕方がない。

 

日本全国、津々浦々、本当によく旅してきたものだな、と。しみじみと。