2024-10-18から1日間の記事一覧
治承四年九月二日、相模国の住人大庭三郎 景親《かげちか》が、 福原へ差し向けた早馬のもたらした報告は、新都を着々建設して、 平家独裁の政府を樹立し一門繁栄の夢をむさぼろうとした平家にとって、 驚くべき報告であった。 「さる八月十七日、伊豆国の流…
【平家物語121 第5巻 物怪④もっけ】清盛は枕元から銀の蛭巻《ひるまき》をした小長刀《こなぎなた》を離さず、常に寝所に守り刀として置いていたが、ある夜消えた。これは大明神から授けられたものであった。
余りに奇怪と身もだえしたときに夢がさめたと若侍は人に語った。 この話が人から人に伝わり、清盛の耳にとどいた。 清盛の使者が立ち、雅頼に、若侍の話を詳細に聞きたいから、 当方へ差し出されたいと申し出た。 しかしすでにかの若侍は、 後難を恐れて逐電…