
毎年恒例の。
去年はこちら。
今年は現時点で過去最少の35冊。
でもいい本たくさんありました。
年末年始の参考にでも。
『生きる言葉』 俵万智
『マザーアウトロウ』 金原ひとみ
『アワヨンベは大丈夫』 伊藤亜和
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 三宅香帆
『夫婦間における愛の適温』 向坂くじら
『悲しみの秘儀』 若松英輔
①『生きる言葉』 俵万智(新潮社)

言葉と文章の奥深さと面白さを学べて、著者の真摯であたたかい目線での捉え方がとても素敵な作品。
”でも、繰り返すが、目印はないよりもあったほうが、ずっといい。説明できないことをわかったうえで、いくつかの目印を集めて、だいたいこんな感じなんですと伝える努力をすることがコミュニケーションだし表現ということなのだ。”
”賢い人とは「笑顔である事。幸せである事。正直である事。誇りを持つ事。」”
”「夜の街」に向けられる目は、厳しい。けれど夜の街という名前の街はない。曖昧な言葉でひとくくりにするとき、抜け落ちてしまう何か。そこを掬うのが文学の役目でもあるだろう。”
②『マザーアウトロウ』 金原ひとみ(U-NEXT)

思っていること・思っていたいことを言語化してくれると自分のための物語のように感じられる。180ページのほど良い長さ。
”じゃなんで産んだん?って。怪獣でも妖怪でもなんでも愛せますって自信あるやつ以外産むなよって。”
”でも子供とか繁殖とかのことを考えるなら、まずは自分をどのレイヤーで見つめたいか、を見極める必要があるんじゃないかしら。”
③『アワヨンベは大丈夫』 伊藤亜和(晶文社)

“相変わらず私たちのあいだには、温かいセクハラとパワハラと差別が横行している”
認めてもらうつもりなんかハナからない、自分たちだけの不文律が許されている場所の居心地の良さにすごく共感した。
祖父とのエピソードも素敵だし、より周囲の人たちに対して愛おしさも湧いたけど、「陽だまりの季節」は特に素晴らしかった。
デビュー作よりさらに好き。
④『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 三宅香帆(集英社)

時代の変遷を紐解きながら現代社会を知る面白さもあるけど、なによりもなぜ自分が本や読書を好きなのかということを言語化して改めて教えてくれた作品。
”大切なのは、他者の文脈をシャットアウトしないことだ。
仕事のノイズになるような知識を、あえて受け入れる。
仕事以外の文脈を思い出すこと。そのノイズを、受け入れること。
それこそが、私たちが働きながら本を読む一歩なのではないだろうか。”
”自分から遠く離れた文脈に触れることーそれが読書なのである。”
⑤『夫婦間における愛の適温』 向坂くじら(百万年書房)

夫婦間の出来事や考え方の違いも興味深いけど、自身の考えで結論に到達する前の一度立ち止まった思考の巡らせ方がとても好き。
“誰かに愛によって行われたことが、自分にとっても本当にいいことである、そんな奇跡のようなことが、どこかで起きてくれないかなあと思うのだ”
⑥『悲しみの秘儀』 若松英輔(文藝春秋)

2025年のベスト。これから何度も読み返したい作品。
世界中の様々な形式の作品の掘り下げを通して、悲しみを読み解き、読者に寄り添ってくれる。著者の実体験を含めた文章にも圧倒される。
表紙の刺繍作品も含めて最高の一冊。
”また、文学とは、ガラスケースに飾られた書物の中にあるのではなく、個々の魂で起こる一度切りの経験の呼び名であることも想い出してよいのである。”











