「『意志より仕組み』はもうわかった。今すぐできる『仕組み』を教えて」という人のための2つの方法

ベッドでウダウダするビジネスパーソン

今日も仕事だ。やるべきことがある。でも腰が重い。デスクに向かえない。気づけばスマホでニュースを見ている。そして「あれ、もう30分経ってる……」

私は長い間、こんな自分を「意志が弱い」と責めていました。

自己啓発本も何冊も読みました。「意志ではなく仕組みが大事」――耳にたこができるほど聞いた言葉です。わかってはいました。でも、仕組みをつくることはしなかった。面倒だったから。そして本を閉じて「いい話聞いたな」で終わる。何も変わりません。

なぜこんなことになっていたのか。

いまになってわかります。仕組みづくりが面倒くさかったから。習慣トラッカーをつくって、環境を整えて、ルーティンを設計して……やること多すぎる。これを考えるだけで疲れます。

でも、あるとき気づきました。仕組みって、じつは2つの儀式だけでいい。しかも5分でできる。

本記事では、私が実際に試して効果があった、意志に頼らない行動のつくり方をご紹介します。

私がずっと仕組みをつくらなかった理由

なぜ私は仕組みをつくらなかったのか。振り返ってみると、2つの理由がありました。

理由1 仕組みづくりが面倒くさかった

これが最大の理由でした。

仕組みをつくるには手間がかかります。何をどう設計するか考えて、実際に準備して、試行錯誤して……。考えるだけで疲れてしまいます。

仕組みがなくても、とりあえず今日は何とかなる。そう思っていました。

でも結局、いつもうまくいくわけではありません。ギリギリになってやることになったり、間に合わなかったり。それでも仕組みはつくらず、同じことを繰り返す。なんとも「よろしくないループ」です。

目の前の面倒を避けたい私は、仕組みづくりより「とりあえず今日は何とかなる」を選び続けていました。

理由2 仕組みづくり自体に意志が必要だった

もうひとつ、大きな問題がありました。

「習慣化しましょう」と言われても、習慣化するまでが大変。「環境を変えましょう」と言われても、環境を変える行動が起こせない。

仕組みをつくるスタート地点で、結局意志が必要になってしまう。

これでは本末転倒です。意志が弱いから仕組みが必要なのに、その仕組みをつくるのに意志が要るなんて。私はここで何度も挫折しました。

ノートブックパソコンを前に挫折を味わっているビジネスパーソン

転機 2つの儀式だけでいいと気づいた

あるとき、私は気づきました。

仕組みをつくることが面倒なら、つくるのが面倒じゃない仕組みにすればいい

私が試したのは、たった2つの儀式だけでした。

私が実践した2つの儀式

私が試して効果があったのは、以下の2つの儀式だけです。

 
  1. 儀式1(トリガー) 作業を始める場所に行くためのスイッチ
  2. 儀式2(ウォーミングアップ) 軽い作業から始める

たったこれだけ。でも効果は絶大でした。

儀式1 トリガー儀式

【私がやったこと】

作業を始める前に、毎回同じことをする。それだけです。

私の場合は――

  • 仕事用のカップに飲み物を入れてデスクに置く

最初はこれだけでした。コーヒーを淹れるのが面倒だったので、ただカップに飲み物を入れてデスクに置くだけ。

デスクに飲み物を置いたら、飲むために座りますよね。仕事をするために座るのではなく、飲み物を飲むために座る。これが大事でした。

自分が続けられる簡単なものでOKです。

【なぜ効いたのか】

これは『The Power of Habit』で紹介されている「習慣ループ」の考え方を応用したものです。習慣ループは「きっかけ→行動→報酬」の3つで構成され、繰り返すことで自動化されます。*2

私の場合、「カップを置く(きっかけ)→椅子に座る(行動)→作業が始められる(報酬)」という流れができました。

心理学の研究では、「意志力=使うと消耗する限られたリソース」であることが示されています(Baumeister et al., 1998)。だからこそ、意志を使わずに行動できる仕組みが重要なのです。*1

【ポイント】

  • 複雑にしない(ひとつの動作で十分)
  • 毎回同じ順序で行なう
  • 数日続ければ効果を感じ始める

筆者が「習慣ループ」的実践をしたイメージ

儀式2 ウォーミングアップ儀式

【私がやったこと】

いきなり本格的な作業に入るのではなく、軽い作業から始める。これが儀式2です。

私の場合は――

  • 今日やることを整理する(ToDoリストを作る)

儀式1で椅子に座っています。座っているのだから、ToDoリストの作成くらいはできます。デスクに置いた飲み物を飲みながら、軽い気持ちでToDoリストを書き出します。

頭を使わない作業なので、スッと始められます。そして不思議なことに、ToDoリストを書き出してみると――

意外と「急ぎ」は少なくて心が軽くなったり、逆に「あ、これ今日やらないとまずい!」と気づいてすぐ取りかかれたり。

どちらにしても、ToDoリストを書き終える頃には、自然と本格的な作業に入れる状態になっています。

【なぜ効いたのか】

いきなり重い作業を始めようとすると、心理的な抵抗が生まれます。「面倒くさい」「難しそう」と。

でも、軽い作業なら抵抗が少ない。そして一度動き始めると、脳は作業を続けやすくなります。

ToDoリストを整理するだけなら抵抗が少ない。しかもToDoリストをつくることで、今日やるべきことが明確になり、優先順位もわかります。

「何をすればいいかわからない」というモヤモヤがなくなるだけで、作業を始めるハードルが大きく下がります。

【ポイント】

  • 頭を使わない、簡単な作業を選ぶ
  • 5分以内で終わるもの
  • 本格的な作業への橋渡しになるもの

2つの儀式を組み合わせる

私は最初、儀式1だけでした。でも、それでもうまくいかない日がありました。

そこで儀式2を追加しました。

  1. カップに飲み物を入れてデスクに置く(儀式1)
  2. 椅子に座る
  3. 今日やることを整理する(儀式2)
  4. 本格的な作業を始める

この流れができてから、作業を始めるのがずっと楽になりました。

儀式1で「作業を始める場所に行く」、儀式2で「エンジンを温める」イメージです。

今日から始められる

意志の力に頼らなくていい。仕組みは面倒ではない。必要なのは2つの儀式だけです。

今日からできること

  • 儀式1 作業前に毎回同じ簡単なことをする(カップに飲み物、音楽を流すなど)
  • 儀式2 軽い作業から始める(ToDoを整理するなど)

私は長い間「できない自分」を責めていました。でも、ただ設計が足りなかっただけでした。

5分で作れる2つの儀式が、私の行動を変えました。あなたにも効くかもしれません。

***
今回は、私が実際に試して効果があった、意志に頼らず行動を起こすための2つの儀式をご紹介しました。

ぜひ今日からでもお試しください。

(参考)

*1: Baumeister, R. F., Bratslavsky, E., Muraven, M., & Tice, D. M. (1998). Ego depletion: Is the active self a limited resource? Journal of Personality and Social Psychology, 74(5), 1252-1265.
*2: Duhigg, C. (2012). The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business. Random House.

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部

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