『今年の振り返り』は、年末にやってはいけない。充実した新年を迎えるための「11月の整理術」

ノートの上に枯れ葉が落ち、秋を感じさせる画像

年末はいつも慌ただしく過ぎていく……そんな経験はありませんか?

決算や納期対応、忘年会、帰省の準備、大掃除、年賀状……。気づけば新年を迎え、「今年の振り返り、ちゃんとできなかったな」と後悔することも。

そんな年末を、今年はゆとりをもって過ごしてみませんか?

考えてみれば当たり前のことですが、1年という期間の振り返りや整理を、1年でもっとも忙しいとされる12月にやるのは、そもそも無理があります。

12月はじっくり落ち着いて何かに取り組める月ではありません。だからこそ、振り返りの時期をあえて11月に設定するのです。

本格的に忙しくなる前の11月に環境や人間関係、学びやタスクを整理しておけば、12月を落ち着いて過ごせるだけでなく、新たな年を充実した気持ちで迎えられます。

11月に整理が必要なワケ

多くの人が年末年始に1年を振り返り、新年の目標を立てます。それは、1月が「フレッシュスタート効果」を得られる絶好の機会だからです。

「フレッシュスタート効果」とは心理学の用語で、新年・月初・誕生日といった節目をきっかけに、気持ちを新たに行動を始めやすくなるというもの。*1

この効果を最大限活かすには、1月を迎える前に振り返りと整理を済ませておく必要があります。しかし前述の通り、12月は1年でもっとも忙しい時期。落ち着いて振り返る時間を確保するのは現実的ではありません。

だからこそ、11月のうちに整理を始めておくのです。本格的に忙しくなる前に準備を整えることで、12月を余裕をもって過ごし、1月には「フレッシュスタート効果」を存分に活かせる状態で新年を迎えられます。

カラフルな手帳の紙面

11月にやっておきたい整理術5選

では具体的に、11月にどのような整理をしておけばよいのでしょうか。5つの整理術を紹介します。

1. デスク・デジタル環境の整理

【デスクまわりの整理】

本やノート、文房具、物の山……。物理的な乱れは目に入るだけで脳のリソースを奪います。

振り返りの際の集中力を高めるために、いまのうちから整理しておきましょう。

「散らかった物を視覚から物理的に消してしまうことで、集中力は驚くほど高まる」と話すのは、東京大学卒で整理収納アドバイザーの米田まりな氏。*2

筆者は最近本棚を購入し、作業机に置いていた仕事関連の本を整理しました。

作業スペースが広くなったので心地よく作業ができるようになり、集中力だけでなく作業効率も上がりました。

【デジタル環境の整理】

登録したメルマガや公式ラインが未読の山になっている……そんな経験はありませんか?

筆者も同じ悩みを抱えていましたが、「メルマガの断捨離」を実践したところ、メールフォルダがすっきりしてチェック効率が上がりました。

「今週ずっと未読だったメルマガ」を登録解除してみるだけでも効果的です。

また、メールに限らず、次のようなデジタル環境の整理も作業効率や情報管理のリスクヘッジとなります。

  • 散らかったデスクトップ
  • クラウド内の不要データ
  • リンク切れや未使用のブックマーク

デジタル環境を整えることで、探索コストと視覚的ノイズを減らし、思考の深度を高めましょう。

スマートフォンを操作する人の手元

2. 人とのつながりを「再設計」

11月は感謝を伝え、関係性を深める絶好のタイミングです。

  • 感謝の気持ちを言葉にして伝える
  • SNSでの交流にとどまらず、直接声をかけてみる
  • 年末年始にあいさつする人をリストアップしておく

特に、普段関わりの浅い人との軽い接点づくりは、来年のチャンスを広げるきっかけになります。

関係性の強いつながりの人(強い紐帯)は生活圏や価値観も類似しているため、持っている情報も似たものになりがちです。一方、関係性の弱い人(弱い紐帯)は生活圏が異なり、価値観も異なるが故に得られる情報も新規性があり、効果的です。

— 40代からのキャリア戦略研究所 代表 中井弘晃氏 *3

筆者のおすすめは「11月下旬にクリスマスカードを送ること」。年賀状より印象に残りやすく、自然に再会のきっかけが生まれます。

また、関係性の整理も大切です。価値観が合わず消耗してしまう人との距離感を見直すことで、来年のエネルギー配分が変わります。

紙を人型に切り、人間関係を表現している画像

3. 学び・スキルの振り返り

今年取り組んだ学びや習慣をリストアップしてみましょう。

一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会代表理事の工藤紀子氏は、「どのような行動がどのような結果につながったのかを整理することは、自己効力感を高めていく」と話します。*4

リストアップする学びや習慣の例

  • 残業が続く中でも勉強習慣を継続できた
  • 新人教育を通して伝え方を学べた
  • 納期前の難局をチームで乗り越えられた
  • 通勤時間で月5冊の読書を達成した

リストを書く人の手元

4. 具体的な計画をリスト化

「後回しにしていたことが気になって集中できない」そんなときは、いつ・どのようにするかを具体的に決めましょう。

「未完了のことをやり遂げたい!」というツァイガルニク効果によって、未完了のタスクが頭を占領してしまうことがあります。そんなときは、具体的な計画にコミットすることで認知資源を解放することができます。

未完了の課題が集中を妨げる場合、「いつ・どのようにするか」という計画を立てるだけで、脳が"完了済み"と認識し、ストレスが軽減される。

— ウェイクフォレスト大学 E.J.マシカンポ氏・クイーンズランド大学 ロイ・バウマイスター氏 *5

5. 来年への「ひとつだけ」先取り

後回しになっていたことを「いつ、どのようにするか」という計画を立てられたら、ひとつだけ先取りして行動に移してみましょう。

  • すでに着手しているため、新年に迷わず動き出せる
  • 新年を迎える頃には、学びのリズムやすべきことが明確になっている

新年という節目の「スタートダッシュの勢い」も大切ですが、止まらない仕組みを先につくることの重要なのです。

笑顔のビジネスパーソン

***
11月は「静かな整理」の月。本格的に忙しくなる前に環境・人間関係・学び・タスク・未来の5つを整理しておくことで、12月を落ち着いて過ごし、新たな年を充実した気持ちで迎えることができます。

そのための土台を11月のうちにつくっておきましょう。

※引用の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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