忙しいという感覚がなくなる! 「アイビー・リー・メソッド」というタスク管理術。

筆者が実践したノートの様子

「毎日忙しさに追われて、時間的にも精神的にも余裕がない」

「やるべきことが多すぎて、1日があっという間に過ぎてしまう……」

このような状態に頭を抱えている方は、生産性を高めるシンプルなタスク管理法「アイビー・リー・メソッド」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

アイビー・リー・メソッドは、次の日にやるべきタスクを6つに絞ってリスト化しておき、優先順位をつけて実行するという非常にシンプルな方法です。このメソッドを実践すれば、余裕をもったスケジュールで成果をあげることができます。

筆者の実践を交えて、その効果を詳しくご紹介いたしましょう。

アイビー・リー・メソッドとは何か

アイビー・リー・メソッドとはアメリカの経営コンサルタント、アイビー・リー氏が考案したメソッドで「1つの作業が終わるまで、次の作業をやってはいけない」というルールを前提としています。

一般社団法人アクティブ・ブレイン協会会長の小田全宏氏は「このメソッドを使うことによって、非常に効果的に『忙しい』という感覚が払拭され、『忙しさレベル』が格段に下がり、安心して目の前にあるものに集中でき」ると語ります。*1

アイビー・リー・メソッドによって得られるメリットは、大きく3つあります。

忙殺される感覚を払拭できる

脳のなかが整理され、シングルタスクに集中できる

決断疲労を防ぐ

エネルギーを効率的に使うことができ、生産性が向上する

大きな成果を出しやすくなる

大きな仕事や難しい仕事を後回しにしてしまうリスクを減らせる

つまり、「忙しい」と感じることなく、目の前のタスクに集中できるようになる効率的なメソッドなのです。

マルチタスクに追われるビジネスパーソン

アイビーリーメソッドの具体的なやり方は次のとおり。

  1. 翌日に取り組むべきタスクを6つ書き出す
  2. 6つのタスクに優先順位をつける
  3. 翌日、優先順位にしたがってタスクに取り組む
  4. すべてを終えられなくてもよしとする
  5. 翌日に取り組むべきタスクを6つ書き出す

このとき、次のふたつのルールを厳守したうえで取り組みます。

ルール1. 目の前のタスクを終わらせてから、次のタスクに取りかかる

ルール2. できなくても落ち込まない

マルチタスクで効率よく仕事を進めようとしたのに、結局すべてが中途半端になってしまったり、ミスが増えてしまったりした経験はありませんか?

このような弊害を防ぐために、「目の前のタスクを終わらせてから、次のタスクに取りかかる」というルールを遵守し、シングルタスクに集中するのです。

また、前出の小田氏はルール2について、「1日を1日でリセットする」ことがアイビー・リー・メソッドのポイントであり、すべてのタスクを終えられなくてもそれでよしとするように話します。*1

できなかったことにばかり意識が向いてしまうと、心理的負担が増えてしまうでしょう。脳科学の分野では、心理的負担は集中力にも影響を及ぼすことがわかっています。*2を参考にした

完璧主義に陥り生産性が低下することを防ぐ、アイビー・リー・メソッドならでは工夫なのです。

リストにチェックがされていく様子

5日間実践してみた

実践するにあたり、筆者はデジタルではなくアナログで書き出すことにしました。手書きのほうが脳の活動量が増え、記憶の定着にも役立つからです。*3を参考にした

また、以前デジタルデバイスでタスク管理していたときに、誤操作でタスクを消してしまったことがあります。そのようなリスクを減らすためにも、手書きのほうが安心できると思いました。

今回用意したのは持ち運びしやすいB6サイズのノートです。

1週間のうち5日間が仕事なので、1ページに5つの枠をつくりました。

筆者が実践したノートの様子

夜寝る前に、翌日のタスクを6つ書き出して優先順位をつけました。

筆者が実践したノートの様子

前出の小田氏が「すでに決まっている予定を書き出さない」ようにすすめていたので、筆者が行なっているピラティスレッスンの実施やミーティングについては書き出しませんでした。

アイビー・リー・メソッドで重要なのは予定の管理ではなく、「何かをしているときに、他のことに意識が散らないこと」だからです。*1

そして、翌日にタスクに取り組んだ結果はこちら。完了したタスクには線を引きました。

筆者が実践したノートの様子

タスクに取り組む際はシングルタスクに集中し、目の前のタスクが終わってから次に進むというルールを遵守しました。

初日はすべてのタスクを終わらせることができませんでしたが、翌日以降に取り組めばいいと自分に言い聞かせて割り切ることにしました。

また、急な仕事の割り込みで予定していた時間を確保できないときには、決めていた優先順位よりも、完了させてしまえそうな作業を先にやることに。仕事は流動的な面もあるので、状況に合わせて柔軟に取り組む必要もあると感じました。

そして夜にはまた、翌日やるべきタスクを6つ書き出しました。

筆者が実践したノートの様子

これを繰り返し、5日間実施してみた様子がこちらです。

筆者が実践したノートの様子

実践の画像はすべて筆者が作成した

1週間分を1ページに収めたことで、後回しにしがちな作業やまとまった時間の確保が必要な作業が明確になったと感じます。

笑顔の女性

実践してみてよかった点・注意点

ここからは、アイビー・リー・メソッドを実践し、筆者が得た利点や注意点をお伝えしていきます。

よかった3点

以下の3つの点がよかったと感じました。

  • 精神的に落ち着いて取り組める

以前は複数のタスクに追われていましたが、事前に優先順位をつけているので、やるべきことが明確に整理され、落ち着いて取り組めるようになりました。

  • 達成感を得られる

できたタスクに線を引くことで自分の進捗を可視化でき、できなかったことよりもできたことに意識を向けられるようになりました。

  • 集中力が高まる

ひとつのタスクに集中するので、中途半端にならずに効率的に作業を進められました。

デスクにて笑顔を見せるビジネスパーソン

注意するべき3点

一方で、以下の3つの点では注意が必要だと感じました。

  • 優先順位に固執すると、予定外のタスクに対応しづらい

優先順位に沿うことをベースにしつつ、状況に応じて柔軟に対応するのも大切です。

  • 時間のかかるタスクにかかりきりになると、ほかのタスクをこなせない

時間のかかるタスクは細分化し、短時間で取り組めるタスクに分割して済ませやすくする必要があると感じました。

たとえば「記事の執筆」であれば「構成の検討」「リサーチ」「導入部分の執筆」といった具合に、細分化したそれぞれのタスクをひとつのタスクと見なすのです。

  • チームメンバーとの連携が必要

また、アイビー・リー・メソッドはチームで仕事をする際にはほかのメンバーとの連携が必要です。チーム全体の進捗によっても優先順位が変動するので、メンバー間でのコミュニケーションを大切にし、チームの一員としてどのような優先順位で仕事を進めていくべきかを考える必要があるでしょう。

優先順位が書かれたノート

***
「忙しさに追われている」「頭が混乱している」と感じたときは、ぜひアイビー・リー・メソッドを取り入れてみてください。まずは明日のタスクを6つリストアップしてみましょう。それが、余裕あるスケジュールと成果を生み出す第一歩となるはずです。

※引用の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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