内向型はリーダーに向いている!チームの力を引き出す、内向型の“2つの強み”

内向的で柔らかく知的な雰囲気のビジネスパーソン

内向的な人は、「ミーティングで積極的に発言できない」「職場で影が薄い気がする……」などと悩むことが多いかもしれません。

しかし、ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏、イーロン・マスク氏やマーク・ザッカーバーグ氏などのように、内向型でありながら超一流のビジネスパーソンとなった例も多いといいます。*1

「そんな人たちと並べられても……」

そう言いたくなるような桁外れな人たちですから、そう言いたくなる気持ちも分かります。しかし実際に、内向型の人には独特の強みがあると言われているのです。

そこで今回は、見落とされがちな内向型の人の強みと、それを活かしてビジネスシーンで活躍する方法をご紹介します。

“傾聴力”を活かして、相手の力を引き出す

内向型で活躍している人は、じつのところとても聞き上手。そしてその傾聴力を活かしたコミュニケーションが得意です。

世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』の著者であるジル・チャン氏は、内向的な人の特性を次のように分析しています。*1

内向的な人は場を盛り上げたりトークを回したりするのは得意ではありませんが、「聞く力」――相手の話に耳を傾けることで、相手が何を考え、どのようなニーズを持っているのか察することに長けています。

静かに話を聞き、相づちを打ち、絶妙なタイミングで質問を挟みながら相手の伝えたいことを引き出していく。そんな人がひとりでもいれば、会話が心地よく進み、話し合いや意見交換もスムーズになるのではないでしょうか。

じつは、チャン氏も実践しているという、「相手の話を上手に聞くコツ」があります。内向的な人なら、ちょっと意識すれば無理なくできるはず。内容は以下のとおりです。*1

  1. 相手を「観察」する
    表情やボディランゲージ、感情の変化を見逃さず、相手の真のニーズや意図を汲み取る。

  2. 相手の発言を「メモ」して「繰り返す」
    大切だと思った部分やキーワードをメモし、それをリピートして確認することで、相手に「きちんと話を聞いている」と伝える。

上記のコツを、内向型の人が職場で取り入れた場合の例を見てみましょう。

  • 【同僚A】:じつは、退社されたCさんから引き継いだプロジェクトの進捗が遅れているんですよ。Bさんも関わられていましたよね。

  • 【内向的な人B】:えー、そうなんですね……。(少し考えるような表情を見せ、相手を観察しながら相づち)〇〇社のプロジェクトのことですよね。どのあたりで問題が出ているんですか?

  • 【同僚A】:クライアントからのフィードバックがあまり好意的ではないのです……。改善の必要性を感じます。

  • 【内向的な人B】:(メモを取りつつ繰り返す)クライアントの反応がよくないということですね。具体的には、どのような点についてのフィードバックがありましたか?

  • 【同僚A】:全体的なデザインが、クライアントの求めていたものとずれていたようです。

  • 【内向的な人B】:(さらに確認しながら)うーん、そうですか。デザインがクライアントの要望とずれていたんですね……。デザインについて、先方からの要望を含め、Cさんからはどのように聞いていますか?
    (少し間を置いて)その点を整理しながら、どう改善するか一緒に考えてみましょうか。

  • 【同僚A】:ありがとうございます!

上記のように、内向的な人がポイントを何度か確認しながら対話を進めることで、相手に落ち着いて頭を整理しながら、状況の説明や自分の意見を述べることを促すことができるはずです。

ちなみにチャン氏によれば、内向型の人の能力が発揮されやすいのは3〜4人くらいまでの「小さなグループ」。それ以上になると、聞く力を発揮しにくくなるといいます。

そうした弱点も考慮しながら、優れた傾聴力を最大限に発揮することで、周囲からの評判も上々となるでしょう。

ぜひ「ここだ!」と思ったら、臆せずその力を発揮してください。

同僚と仕事について話す、聞き上手な内向型のビジネスパーソン

”観察力”を活かした細やかな提案

チャン氏の「相手の話を上手に聞くコツ」にもありましたが、内向的な人は、相手の状況をよく観察しています。ですから、外向的な人が見落としがちな、ちょっとした変化や違和感に気づくことができるのです。

『もう内向型は組織で働かなくてもいい 「考えすぎるあなた」を直さず活かす5ステップ』(世界文化社)の著者である堤ゆかり氏によれば、内向的な人は「観察力に長けている」といった強みをもっていて、相手の状況に合わせた「細やかな提案」ができるといいます。

参考:

studyhacker.net

相手を注意深く観察し、相手が置かれた状況や気持ちを推し測ることができる能力は、うまく交渉を進めていくために欠かせないスキルではないでしょうか。

たとえば内向型のデザイナーが、ウェブサイトリニューアルを依頼するかどうか、まだ迷っているクライアントと交渉を進めるとします。その際に、内向型の強みと特性を生かせば、次のような流れになるはずです。

【クライアント】:予算は限られますが、素材にこだわった商品もアプローチしたいので、高級感のあるデザインにしたいと考えています。

【内向的な人】(クライアントを観察し、「予算を気にしているが、製品へのこだわりが強い様子。予算内で対応できることを伝え、まずは不安を解消しよう」と考える)
承知いたしました。ご予算内で対応できるように工夫いたしますので、ぜひご希望を教えてください。できるかぎりご要望に沿うような、高級感のあるデザインを提案するようにいたします。

【クライアント】:それは助かります。ホームページのリニューアルは初めてなので、ご依頼するとすれば、すべてお任せするかたちになると思います。ちなみにご依頼した場合、ビジュアル素材を先に見せてもらうことは可能ですか?

【内向的な人】(クライアントを観察し、「具体的なイメージが固まっていないようだ。修正を減らすため、理想像を共有しながら進めよう」と考える)
はい、可能です。まずは、いくつかのデザイン例をご覧いただくようになると思います。そのなかからイメージに近いものをお知らせいただければ、それを基に進めていきます。

このように、内向的でも相手の状況や気持ちを推し測る「観察力」を発揮し、相手の真意を汲み取りながら的を射た提案をすれば、グイグイと攻めなくても交渉を有利に進めることができるはずです。

商談に成功した内向型のビジネスパーソン

じつは内向型には”リーダー”が向いている

コミュニケーション術だけではありません。じつは、内向型にはリーダーという立場が向いている可能性もあります。

女性管理職育成・交渉コンサルタントとして累計2万人を指導してきた、株式会社ワークシフト研究所の代表取締役社長を務める小早川優子氏は、「自分の思考や感情を見つめる内省的な性質はむしろ、多くの組織で求められる現代のリーダーシップに欠かせない要素」だと伝えています。*2

また、経営戦略論の第一人者である慶應義塾大学大学院教授の清水勝彦氏も、「発信力があり、強いリーダーが良い」と考えられがちだが、必ずしもそうではないとして、『「観察力」と「聞く力」はリーダーにとって必要な力のトップに入る』との考えを述べています。*3

傾聴力を用いて相手の力を引き出し、観察力を活かして細やかな提案ができる——そんなリーダーが、チームの力を最大限に引き出すことは想像に難くありません。

ですから、内向型のみなさまは、もっと堂々と胸を張っていいはずなのです。その特性を知ってどんどん生かし、能力を開花させてください。いま見えている景色のその向こうに、想像以上の世界が広がっているかもしれません。

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一見「弱点」とも思われがちな内向的な性質。しかし、そんな性質には明らかな強みがあります。外向的な人のようにはできないからといって、ビジネスで活躍できないというのは誤解です。強みを自覚し、成功をつかみ取りましょう!

 

【ライタープロフィール】
上川万葉

法学部を卒業後、大学院でヨーロッパ近現代史を研究。ドイツ語・チェコ語の学習経験がある。司書と学芸員の資格をもち、大学図書館で10年以上勤務した。特にリサーチや書籍紹介を得意としており、勉強法や働き方にまつわる記事を多く執筆している。

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