「助けて」と言えないあなたへ。職場でSOSを出すための3つの方法

ソファに座り、両手で頬を支えて物思いにふける女性。明るい部屋の中で少し落ち込んだ様子を見せている。

「もっとまわりに助けてもらえたら、仕事が楽になるのに……」

そう思いながらも、ついひとりで抱え込んでしまうことはありませんか? 人に頼るのが苦手だったり、頼んでも助けてもらえなかったりした経験があると、「結局、自分でなんとかするしかない」と思い込んでしまいがちです。

しかし、職場でうまく助けを得ている人たちも、まったく何もしないで助けられているわけではありません。じつは彼らも、小さな習慣や工夫を通じて、「助けてもらいやすい状態」をつくっているのです。

この記事では、困ったときに助けてもらえる人になるための3つの方法を紹介します。

1.   シンプルに「助けてほしい」と伝える

「困っているとき、助けてもらいたい」

このように思うのなら、シンプルに「助けて欲しい」と伝えることが第一歩です。当たり前のことだと感じるかもしれませんが、「自分は助けてもらえない」と感じている人は意外とこのことを忘れているのです。

特に職場では、人手不足でまわりに気を配る余裕がなかったり、「助けてほしい」と言われるまでは手を出さず、見守る方針をとったりしていることがあります。

そんななか、黙ってひとりで作業をしていれば「あの人は大丈夫そうだな」とスルーされてしまうわけです。困っているなら、「自分はいま助けを必要としている」とまわりに伝えることが、助けを得るためには不可欠なのです。

しかし、これまでひとりで頑張ってきた人は「いきなり助けを求めろと言われても難しい」と感じるかもしれません。

具体的には、どのように助けを求めればいいのでしょうか?

精神科医の井上智介氏は、SOSと言っても深刻な悩みを打ち明ける必要はなく、まずは話しやすい人に小さなSOSを出して、助けを求めることに少しずつ慣れることが大切だと述べています。*1

たとえば下記のような例です。

 ・ 同僚に「Teamsのこの機能、前に使ってたよね。画面共有ってどうやるんだっけ?」と尋ねる。

 ・ 同じチームの気さくな先輩に「この表現、少しかたい気がするのですが、ご意見いただけませんか?」とお願いする。

このように、ひとりで解決できるようなことでも、あえてまわりに頼ってみることで、助けを求めることの抵抗感が無くなっていきます。

井上氏は成功体験、つまり「頼って、教えてもらえて、『頼んでいいんだ』『質問していいんだ』という感覚」を積み重ねていくことが大切だと述べています。*1

助けを求める練習だと思って、少しずつ試してみるといいでしょう。また、こうすることで周囲も、「この人とはお互いに助け合える関係だ」と感じるようになり、いざというときに助けてもらえるようになります。

デスクにうつ伏せになり、ノートに「HELP」と書いて助けを求める男性。

2.   普段から雑談をする

「仕事で雑談をするのは時間のムダ」と考えていませんか?

しかし、困ったときに助けてもらいたいのなら、日頃から雑談をしておくことはとても大切なのです。メンタルヘルス・ストレス・トラウマを専門とする、常葉大学准教授の赤田太郎氏は「助けてもらえる人は、日頃から挨拶などをきちんと行っている」と語っています。*2

たしかに、普段からよく話す人と、ほとんどコミュニケーションをとらない人なら、前者のほうが声をかけやすいはずです。日頃から気軽に声をかけ合うことで、困っているときにお互いに助け合える土台をつくれるのです。

また、赤田氏は、普段の雑談のなかで気軽に現状をシェアすることをすすめています。

たとえば下記のような例です。

・ 日常の会話のなかで「最近、こんなことが大変なんだよ」と困っていることを気軽に話す。

・ 相手に「調子はどう?」と話のネタを探すかのように気軽に聞く。

こうするメリットは、問題が深刻になる前に助けてもらいやすくなるということ。

たとえば、

「あの作業が大変で、すごく時間がかかるんだよね」

「それなら、たしか 〇〇 さんが自動化ツールつくったって聞いたよ」

こんな具合で、ちょっとしたぼやきに助け舟を出してもらえることもあります。雑談のなかでのことなので、相手の負担になりにくいのもポイント。まずは、まわりの人にちょっとした雑談を振ることから始めてみませんか。

屋外で目を閉じ、胸に手を当てて微笑む女性。

3.   助けてもらいやすい相手を把握しておく

「助けを求めても、実際には助けてもらえなかったことがある」

こんな経験から、助けを求めることを躊躇してしまう人もいるかもしれません。しかし、それはもしかすると、助けの求め方が少しズレていたのかもしれません。赤田氏は、「その人の得意なことに頼る」ことをすすめています。

「助けてもらいたい」といっても、その内容はさまざまなはずです。

・ 業務の専門的な部分のアドバイスをもらいたい。

・ 単純に作業を分担してほしい。

・ キャリア相談に乗ってもらいたい。

これらを、身近にいるからという理由で同僚や先輩になんでもお願いするのは得策ではありません。相手の得意分野から外れたお願いをすれば、「それは難しい」と断られてしまうもの。

「自分は何を助けてもらいたいのか?」を整理し、できるだけそれに詳しい人や、助けてくれそうな人に声をかけるようにするだけで、助けてもらいやすさが変わってきます。とはいえ、「相手の得意分野」はどうやって知ればいいのでしょうか?

業務改善・オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまね氏は、「折に触れて職場を歩き回り、場の空気、メンバーの様子や会話などから、状況や行動特性や関係性を把握」することをすすめています。*3

ただオフィス内を観察するだけでも、意外といろんな情報が手に入るもの。

たとえば下記のような例です。

・ 朝早く出社する人。

・ 誰がどんな業務に関わっているか。

・ 輪の中心にいる人(声の大きい人)。

・ 誰と誰がいつも一緒にいるか。

こうしてまわりを観察することで、相手の特徴や専門性、助けてもらいやすいタイミングなどを知ることができます。そして、日頃からのコミュニケーションを大切にすることで、いざというときに助けてもらいやすくなるのです。

***

ちなみに、グロービス経営大学院教授の濱暢宏氏によると、14時台がもっともお願いを聞いてもらいやすい時間帯なのだそう。*4

上記で紹介した助けてもらえる人になるコツに加えて、このテクニックも活用してみるといいかもしれません。

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。

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