「どこに行っても人間関係がうまくいく人」の思考習慣3選。人間関係で消耗する人とは “ここ” が違う

ランチを食べながら談笑している社員

「上司との関係が悪く、プロジェクトの進行に支障が出ている……」
「チームメンバーとの連携がうまくいかず、業務効率が上がらない……」
「他部署との調整に時間を取られ、本来の業務に集中できない……」

このように、人間関係が原因で業務パフォーマンスが低下している多くのビジネスパーソンのために、今回は「どこに行っても人間関係がうまくいく人」の思考習慣を3つご紹介します。人間関係のストレスで生産性を下げないために、ぜひ実践してみてください。

【1】相手に期待をしない

部長に「このプロジェクト、納期が厳しいですね」と相談したら「そうだね。でも頼んだよ」と言われた。部長ならリソース調整や優先度の見直しをしてくれると思っていたのに、期待はずれでモチベーションが下がった……。

このように、相手の反応や行動が自分の期待したものと違ってイライラ・モヤモヤした経験がある人は、多いのではないでしょうか。そんな人は、相手に期待しないことを実践してみましょう。

精神科医の井上智介氏によると、「私たちが対人ストレスを抱えるのは、相手に『こうあってほしい』という期待をしてしまい、その期待が裏切られる時」。よって、「相手に対する期待値を下げる」べきであると言います。*1

期待が裏切られるとストレスになり、そのストレスが業務に悪影響を与えるのだから、そもそも期待しない、あるいは、期待を下げればいいのです。

先述の例であれば、「部長がプロジェクトの課題を理解してくれるはず」「適切なサポートをしてくれるのが当たり前」という期待があったから、モチベーション低下につながったということ。そもそもそういう期待をせず、「自分でできる解決策は何か」を考える方が建設的です。

“どこに行っても人間関係がうまくいく人” の思考習慣3選02

ただ「期待をしない」とはいっても、「こうあるべき」「こうしてくれるはず」という考えは、自然と生まれてしまうものですよね。心理カウンセラーの原裕輝氏がすすめるのは、「期待を手放して、あらたな目標設定をする」こと。*2 

では仕事に当てはめてみましょう。

期待「部長ならきっと、プロジェクトの課題を解決してくれるはず……」
目標「プロジェクトを成功させるために、他部署との連携も含めて最適な進行計画を立てよう!」

このように考え方を変えてみれば、無駄な待ち時間や停滞を防ぎ、自分主導で業務を進められそうですね。

「~~してくれるはずだ」「~~になるのが当たり前だ」といった期待が頭のなかに浮かんだら、自分がコントロールできる目標のかたちに言い換えるように意識してみましょう。

“どこに行っても人間関係がうまくいく人” の思考習慣3選03

【2】感謝の気持ちをもつ

ミスの多い後輩に、報告が遅い同僚。職場で非効率なことが目につくたび、本当にストレスがたまる。そういうメンバーとは、正直、生産的なコミュニケーションをとることができない……。

このように悩んでいる人は、感謝の気持ちを積極的にもつようにしてみましょう。

脳科学者の細田千尋氏によると、「総じて感謝をしやすい人は、well-beingが高いことが多くの研究から示されている」そうです。*3

その根拠のひとつに挙げられているのがこちら。カリフォルニア大学とマイアミ大学による研究(※)で、157人の大学生を3つのグループに分け、内容を次のように指定して日記をつけさせました。

  • グループ1:その日感謝したこと
  • グループ2:その日イライラしたり悩んだりしたこと
  • グループ3:その日感じた、自分が他人より優れていると思うこと

また、被験者は心身の健康や幸福度、他者を助けることがあったかどうかなどもあわせて記録。すると、感謝したことを日記に書いたグループ1には「ポジティブ気分や人生に対する肯定的な評価の向上」「ネガテイブな感情の想起の少なさ」などが見られたそう。加えて、ほかのグループよりも積極的に、誰かを情緒的に手助け(なぐさめる、相談に乗る)していたとのこと。

感謝の気持ちをもつことで、ネガティブな感情を抑制できるほか、チームワークを向上させる行動につながるのです。

親切心に関しては、ノースイースタン大学の心理学教授であるデイヴィッド・デステノ氏も、感謝の気持ちをもつと、人助けに努力を惜しまないようになることがわかっていると伝えています。*5

“どこに行っても人間関係がうまくいく人” の思考習慣3選04

ただそうはいっても、つい他人の欠点ばかりが目につく人は「人間関係がそもそもストレスだから、周囲に感謝できない」と思うかもしれません。でも大丈夫。

感謝する内容は、対人関係に関することでなくてもいいのです。たとえば前出の研究では、大学生たちは「今朝、目覚められたこと」も感謝する項目として書き出していたそう。

  • 「プロジェクトが予定通り進行していること」
  • 「使いやすいツールが導入されていること」
  • 「快適なオフィス環境で働けること」
  • 「新しいスキルを身につける機会があること」

感謝の気持ちをもつことを習慣化すると、周囲のメンバーに対してポジティブな感情をもてるほか、協力的に接することができるようになります。当然、チーム全体の生産性も向上するはず。日頃から、問題点よりも、感謝すべきことにぜひ目を向けてみましょう。

(※研究の内容は以下を参照してまとめた「Counting Blessings Versus Burdens: An Experimental Investigation of Gratitude and Subjective Well-Being in Daily Life」「感謝を数えることが主観的ウェルビーイングに及ぼす効果についての介入実験」)

“どこに行っても人間関係がうまくいく人” の思考習慣3選05

【3】自分基準で自分を評価する

上司の何気ない一言で一日中気分が左右される。評価が下がるのが怖くて、つい周囲の意見に合わせてしまう……。

こうした状況に当てはまる人は、自分の評価を相手に委ねている可能性大。他人基準ではなく自分基準で自分を評価するようにしましょう。

心理カウンセラーの浅野寿和氏によると、「人の期待に応える頑張りを続けている方ほど、実は『他人基準』で物事を見て、自分を評価している」のだとか。そして、「相手次第だけで自分の評価が決まるなら、人に振り回されつづけることにもな」ると述べています。*6

「上司に気に入られるようにこれをしよう」「同僚によく思ってもらえるようにあれをしよう」などと他人基準で考え、相手の期待に応えようとばかり思っていたら、本来のパフォーマンスを発揮できなくて当たり前なのです。

そこで大切になってくるのが「自分基準」の考え方だそう。

自分が自分を許し、評価できるようになること、が必要になります。
(中略)
今までの自分がどのような思いで過ごしてきたのか、自分が誰のために頑張ってきたのか、をしっかり認めて自分を「許す」ことです。*6

それは「『自分なりに頑張った』ことを自分で認められる」ことであるとも、浅野氏は表現しています。

「同僚に嫌われないよう、頼まれ事はいつでも引き受けなくては」と考える癖がある人は……
→「自分なりに、頼まれ事は頑張って引き受けている。それだけで十分同僚のことを思っているのだから、引き受けられないことがあってもいいのだ」と考える

プレゼンテーションが人より苦手なことで「自分は戦力として期待されていないかも」と感じる人は……
→「プレゼンスキルを向上させるため、自分なりに研修を受けたり練習したりしている。それで十分成長している」と考える

つい周囲の評価を気にしすぎてしまう人は、自分の成長と努力を自分で認めてあげてくださいね。

***
職場の人間関係にストレスを感じ、業務に支障をきたしている人は、一度思考習慣を見直してみてください。きっと、いままでより効率的で満足度の高い働き方ができるようになるはずです。

人間関係で疲れたときにやってほしいことは、「『人間関係に疲れたな』と思ったら最初にやるべき3つのこと」でさらに3つ紹介しています。あわせてご覧ください。

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。

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