まだ「理想の上司」を探してるの? 成長する人がやっている、メンターを「機能で使い分ける」賢い生存戦略

上司ガチャに悩むビジネスパーソン

小泉進次郎氏の活躍をめぐり、SNSで「上司が高市さんだからうまくいっている」という声が上がっています。いわゆる "上司ガチャ" に当たった、という見方です。

実際、調査では「部下の成長差のおよそ70%は直属の上司の影響」とされています。*1
同じ能力でも、誰の下につくかで伸び方はまるで違う。
とはいえ、私たちは上司を選べません。

上司は忙しく、同僚には本音を話しづらい。
相談したくても、周りにピンとくる人がいない——そんな状況でも、上司ガチャを待たずに自分でメンターをつくる方法があります。
本記事では、特別な人脈がなくても今日から始められる4ステップを紹介します。

なぜ「上司以外の相談相手」が必要なのか

ハーバード・ビジネス・レビューによれば、メンターをもつ人ほどキャリア満足度が高く、昇進機会も多いとされています。*2
メンターは「正解」をくれる存在ではありません。
自分では気づけない視点を補い、判断に迷ったときの"ものさし"を貸してくれる——意思決定を支える外部のフレームです。

上司ガチャに外れても、そうした存在は自分でつくれます。

STEP1|いまの自分の「テーマ」を言語化する

最初の落とし穴は、「誰に相談するか」から考え始めること。
それより先に、「自分はいま何に悩んでいるのか」をはっきりさせるのが先です。

心理学の研究では、悩みを言語化するだけで意思決定の質が上がるとされています。*3
メンター選びも、「話しやすい人」より「自分の課題に経験がある人」を重視しましょう。

たとえば、テーマは次のように分解できます。

テーマ 悩みの例
スキル 資料作成が遅い/プレゼンが苦手
仕事の進め方 優先順位づけが苦手/締切に追われる
キャリア どうキャリアアップすべきか/転職を考えるべきか
リスキリング どのスキルから学ぶべきか/学びを仕事にどうつなげるか

このなかで、「これが変わったらいちばん仕事がラクになりそう」と感じるテーマを、ひとつだけ選びましょう。

STEP1 今日やること

  • 今の悩みを3つメモに書き出す。
  • それぞれに「これが解決したら何がラクになる?」を一行で書き添える。
  • そのなかで "いちばん仕事が変わりそうな1つ" に丸をつける。

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キャリアの悩みを整理する方法については、こちらの記事も参考になります。
"キャリア迷子" を今度こそ終わりにする。3つの「アクションの起こし方」

キャリアの悩みを言語化するイメージ

STEP2|"ミニメンター" を複数もつ——1人に依存しない

「完璧な1人」を探す必要はありません。
キャリア研究では、複数の人から支えられる "発達ネットワーク" をもつ人ほど成果が高いとされています。*2 *4

1つのテーマでも、視点の違う人を複数もつほうが偏りがなく実践しやすい。
理想は3人ですが、まずは1人からで構いません。

たとえば「スキル(資料作成力を伸ばしたい)」というテーマなら、次のような3人をミニメンターとして設定できます。

  視点 どんな人?
メンターA 論理 資料の構成や説明が上手な人
メンターB 表現 スライドのデザインや言葉選びがセンスのいい人
メンターC 実行 短時間で形にする実行力に長けた人

別の例も挙げましょう。「仕事の進め方(営業成績を上げたい)」というテーマなら、

  視点 どんな人?
メンターD 商談 クロージングが上手で成約率の高い人
メンターE 関係構築 顧客との長期関係づくりに長けた人
メンターF 効率 行動量が多く、案件を回すのが速い人

社内外・元上司・オンライン・スクールなど、所属は問いません。「全部この人に頼る」のではなく、

  • 構成が迷ったら → メンターAに3分だけ聞く
  • 作業スピードで困ったら → メンターCのやり方を真似する
  • 行動量を増やしたいなら → メンターFを参考にする

そんな "分業制の相談" にすると、1人に負担をかけずに確実に伸びていきます。

STEP2 今日やること

  • STEP1で決めたテーマについて「ここがうまい」と感じる人を思い出す
  • 完璧な人でなく、部分的に尊敬している人をまず1人選ぶ(余裕があれば3人まで)
  • 「上司」「同僚」「社外」「オンライン」など、偏りすぎないようにする

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メンターの選び方や関わり方のヒントは、こちらの記事も参考になります。
ハーバード元研究員「○○には99.9%従うべき」脳科学的に最強な "人生のお手本" の見つけ方

複数のミニメンターに相談するイメージ

STEP3|最初は "3分のピンポイント相談" から始める

「いきなり相談するのは重いのでは」と考え、声をかけられないまま終わる人が多い。

行動科学では、最初のハードルを小さくするほど実行率が上がるとされています。*5
最初から深い相談は不要。"3分で答えられるピンポイント相談" で十分です。

たとえば、こんなメッセージで十分です。

「突然すみません。
◯◯について一つだけ迷っていることがあります。
ご経験から見て、3分でお答えいただける範囲で、"ここだけは気をつけたほうがいい" というポイントがあれば教えていただけませんか?」

ポイントは、

  • 「一つだけ」「3分で答えられる範囲で」と負担が小さいことを明示する
  • テーマを具体的に絞り込む(例:「資料全体」ではなく「構成だけ」など)
  • 相手の経験をリスペクトする一言を添える

優秀な人ほど、「なんでも相談させてください」という漠然としたお願いよりも、こうした短く・具体的で・答えやすい相談を好むものです。

STEP3 今日やること

  • ミニメンター候補3人のうち、「一番声をかけやすい人」を1人選ぶ
  • その人に聞きたいことを「3分で答えられる1問」に絞って文章化する
  • メール・チャット・対面など、相手が負担なく返せそうな手段で実際に送る

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フィードバックを上手にもらうコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
デキる人は「フィードバックのもらい方」がうまい。相手からの助言に素直に耳を傾けられますか?

先輩に短時間で相談するビジネスパーソン

STEP4|"相談 → 実践 → 報告" のループで、信頼関係を育てる

「相談して、試して、報告する」——これを丁寧に回し続けるだけ。

アドバイスが活かされたとわかると、人はもっと応援したくなるもの。相談を受けた側がうれしいのは、

  • アドバイスを受けて実際に行動してくれた
  • その結果をフィードバックしてくれた

という実感です。たとえば、こんな一言で十分。

「教えていただいた構成に直したところ、会議がスムーズに進みました」

「優先順位の決め方を試したら、残業が減りました」

「いただいた視点を入れて提案したら、クライアントの反応が変わりました」

成果の大小は関係ありません。「アドバイスを受けて、ちゃんと動いた人」だと伝わることが大事です。

STEP4 今日やること

  • もらったアドバイスのなかから「一つだけ」実行する内容を決める
  • 実行してみて、「何がどう変わったか」を2〜3行でメモする
  • 感謝の一言とともに、そのメモをチャットやメールで共有する

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「やりっぱなし」にならない振り返りの方法については、こちらの記事が参考になります。
落ち込むだけの振り返り、やめませんか? 成長を引き出すYWTの自分ごとメソッド

相談後にお礼メールを送る様子

上司ガチャに頼らないキャリアは、こう変わる

筆者も20代後半、上司が多忙で1on1が形骸化していた時期がありました。
企画書を出しても「まあいいんじゃない」で終わり、何を直せばいいかわからない。

転機は、社外セミナーで隣になった先輩に「企画の通し方」を聞いたこと。
「最初の3行で決裁者のメリットを書け」——この一言で翌週の企画が一発で通りました。
こうした視点をくれる人と関係を築けると、"上司ガチャに外れても関係ない"と思えるようになります。

1. リスキリングの遠回りが減る

独学では「何からやるか」の迷いが大きい。経験者のひと言で、いまやるべきことが見え、学びの投資対効果が上がります。*6

2. 判断のスピードと精度が上がる

ひとりで考えると保守的で偏りがち。短く壁打ちできる相手がいれば、リスクを事前に知れたり別の選択肢を得られたりして、「考えすぎて動けない」が減ります。

3. 「環境のせいにしない」感覚が育つ

自分でミニメンターを見つけ、相談のループを回せるようになると、「成長環境は自分でつくれる」という自己効力感が育ちます。

***
まずは「いま一番なんとかしたい悩み」を1つ書き出す。
そのテーマで「3分だけ相談できそうな人」を思い浮かべる——それだけで、キャリアは「上司次第」から「自分でつくるもの」へ動き始めます。

よくある質問(FAQ)

Q. メンターには何を相談すればいいですか?

「いま一番困っていること」を1つだけ。
「資料の構成が決まらない」「優先順位のつけ方がわからない」など、具体的で答えやすいテーマがおすすめです。
漠然とした「キャリア相談」より、ピンポイントの質問のほうが実践的なアドバイスをもらえます。

Q. メンターをお願いするとき、どう声をかければいいですか?

「3分だけ教えていただけませんか?」と、負担の小ささを明示するのがポイント。
「◯◯について一つだけ迷っていて、ここだけは気をつけたほうがいいポイントがあれば教えてください」のように、テーマを絞って依頼しましょう。

Q. 社内にメンターになってもらえそうな人がいない場合はどうすればいいですか?

社外でも問題ありません。
勉強会やセミナーで出会った人、オンラインコミュニティのメンバー、過去の職場の先輩など、所属は問いません。
むしろ、社外の人のほうが利害関係がなく、率直なアドバイスをもらえることもあります。

Q. メンターとの関係を長続きさせるコツはありますか?

「相談→実践→報告」のループを回すことです。
アドバイスをもらったら必ず試し、その結果を簡単に報告する。
「教えていただいた方法を試したら、こう変わりました」という一言が、相手の「また応援したい」という気持ちにつながります。

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部

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