
「でも、それって……」
「とりあえずやっておきます」
あなたが悪気なく使っている何気ない口癖が、チームの士気や信頼関係の構築を阻害しているかもしれません。
この記事では、職場での信頼や評価を下げがちな口癖と、その言い換えテクニックを解説していきます。
信頼を損ねるNGワード
信頼を損ねてしまうような、次のNGワードを多用していませんか?
1. 「でも」「だって」「どうせ」「だから」の4Dワード
「でも」「だって」「どうせ」「だから」のように、頭文字がDから始まる接続詞を「4Dワード」と呼びます。*1
- 自分から質問したのに、「でも、自分はこう思うんですよね」と相手を否定してしまう
- 指摘事項に対して、「だって、急な依頼だったからそこまで細かく見られなかったんです」と言い訳してしまう
- これからみんなで頑張ろうというときに、「どうせ無理でしょ」と水を差してしまう
このように、「でも」「だって」「どうせ」のあとには相手を否定するような言葉やネガティブな表現が続きます。
言った本人としては「自分の意見を言っただけ」であったとしても、相手からすると「言い訳がましい」と感じるでしょう。
これに加え、「話し始めに使う『だから』」にも注意が必要だと話すのは、『気づかいの壁』 (ダイヤモンド社)の著者 川原礼子氏です。*1
😢例1.
Aさん「Bさん、いま質問してもいいですか?」
Bさん「だからさっきも言ったけど、いまは余裕がないんです」
😢例2.
Aさん「すみません、この処理でエラーが出てしまったのですが……」
Bさん「ですから、手順書に記載されている対処法を試してみてください」
このように「だから(ですから)」から話し始めると、威圧的で相手を見下しているような印象を与えてしまいます。
言っていることがどんなに正しくても、心理的安全性を脅かすような話し方は信頼関係を築くうえで得策ではありません。

2. 「とりあえず」「一応」
「とりあえず」や「一応」といったワードもビジネスシーンにふさわしくありません。
😢例.
- 「とりあえずやっておきます」
- 「依頼されていた作業、一応終わりました」
このような曖昧な表現は、「『とりあえず』って、本気で取り組んでいないのだろうか?」「『一応』ってずいぶん曖昧だけど、大丈夫だろうか……」と、相手に不安を与えてしまいます。
仕事をしていくうえで、「あなたに任せたら安心!」と思ってもらえるような信頼関係を築きたいなら、曖昧な表現は避けたほうがいいでしょう。

3. 「〜みたいな」
😢例.
- 「プレゼンのスライド、もっと雑誌みたいな感じで、インパクトを出したいです」
- 「依頼された資料作成、この前みたいな感じでいこうと思います」
「〜みたいな」という表現はイメージを伝えるときに便利な言葉ですが、幼稚で曖昧な印象を与えかねません。
また、曖昧な表現が多いと、「断定を避けたい」あるいは「責任をとりたくない」という意図に受けとられる可能性もあります。
ビジネスシーンにおける言葉遣いは、正確でプロフェッショナルな表現が適切であり信頼を高めると言えるでしょう。

信頼失墜ワードを変換する「信頼構築話法」
次に、信頼失墜ワードをどのように言い換えたらいいか考えてみましょう。
「でも」「だって」 → 「そうですね」
つい「でも」「だって」と言いたくなってしまったときには、「そうですね」と言い換えるといいでしょう。まずは相手の意見を受け止めてから自分の意見を言うことで、相手を否定することを防ぎます。
また、言い訳ではなく根拠を説明することを心がけましょう。
例.
😢「でも、それは……」
😊「そうですね。加えて、私はこういう見方もできると思いました」
例.
😢「だって忙しかったから」
😊「その日は優先タスクが重なっていたため、〇〇の対応が後回しになってしまいました」
「どうせ」 → 論理的に表現する
否定的な表現をそのまま使わずに論理的に表現することで、ネガティブに受け取られるリスクを減らします。
例.
😢「どうせ無理でしょ」
😊「ハードルが高そうですね……〇〇の課題があるかもしれません」
「だから」 → 事実確認や提案をする
冒頭に使われる「だから」は相手を責める印象が強く、建設的なコミュニケーションを阻害してしまいます。
事実を確認し、次の行動につなげる表現になるよう工夫しましょう。
例.
😢「だから、前にも説明しましたよね?」
😊「以前にもお伝えしましたが(事実確認)、もう一度一緒に整理しましょう(提案)」
「とりあえず」「一応」 → 「まず」
「まず〜〜します」という表現で、責任をもって取り組む姿勢を表せます。*2
例.
😢「とりあえずやっておきます」「一応、見てみます」
😊「まずこちらから取り掛かかります」「まず最初に確認します」
「〜みたいな」 →「〜に似ている/私の印象では、/たとえば、/具体的には、……」
イメージを伝えたいなら、「〜に似ている」「私の印象では〜」と言い換えられます。*3
ほかにも、「たとえば」や「具体的には」のように、例を用いるのも有効です。ぜひ試してみてください。
例.
😢「この雑誌みたいな感じのレイアウトはどうですか?」
😊「この雑誌に似せたレイアウトはどうですか?」
例.
😢「先ほどの会議は、みなさん緊張しているみたいな雰囲気でした」
😊「先ほどの会議は、私の印象ではみなさん緊張しているようでした」

***
小さな口癖を意識して変えるだけで、周囲の見方は確実に変わります。まずは1週間、「でも」を封印することから始めて、「任せて安心」と思われる人材へとアップデートしていきましょう!
※引用の太字は編集部が施した
*1 ダイヤモンド・オンライン|相手を不快にしてしまう「4つのDワード」。「でも、だって、どうせ」あと1つは? 【書籍オンライン編集部セレクション】
*2 プレジデントオンライン|その一言が命取り! 一瞬で嫌われるNGワード集
*3 NIKKEIリスキリング|ビジネスではアウト 幼稚に聞こえる話し方ワースト3
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。