
※記事内の実践画像はすべて筆者が作成した
成果につなげるために読書しても、結局読みっぱなし。
でも——「今年こそ、本を読むだけで終わらせない」
そう決意した人に試してほしいのが「3行ノート」という読書ノート術です。
読んで知識を蓄えるだけの読書ではなく、学んだことを行動につなげるのに役立ちます。
具体的なやり方を実践例も交えながらご紹介します。
読むだけでは成果につながらない理由
「読書習慣をつけて、仕事に活かそう」と年初に決意したものの、結局いつもどおり読みっぱなしになってしまった——そんな状況に陥っていませんか?
よくある失敗パターンは次のようなものです。
- 覚えておきたいフレーズをノートに書き写そうとして、作業が面倒になり挫折した
- 本にマーカーを引いただけで満足し、行動に移らず読みっぱなしになった
読書をして情報整理しただけでは、わかったつもりの状態で止まってしまいます。
行動に変わらないまま終わってしまうのです。
そこで重要になるのが、読んだ直後にその情報を「具体的にどう使うか」決めること。
たとえば以下のように、読んだ内容から「仕事での具体的行動」を導き出します。
| 読んだ内容 | 仕事での具体的行動 |
|---|---|
| 伝え方の本 | 翌日の1on1で学んだフレームワークを試す |
| 思考法の本 | 寝る前に「自分の思考のクセ」を書き出すワークを実践 |
経営学者の楠木建氏も、「仕事で成果を出すために本を読むなら、必ず自分のアウトプットにつなげる意識で読むといい」と述べています。*1
この行動変換を強力に後押しするのが、一般社団法人日本手帳マネージメント協会代表理事の高田晃氏が考案した「3行ノート」です。*2

3行ノートの書き方【3ステップ】
高田氏が提唱する「3行ノート」は、読書直後に行動へ移すためのシンプルなノート術。
次の3ステップだけで実践できます。
STEP1.「この本を読む目的」を明確にする
目的が曖昧だと、読み終えたあとに「なんとなく読んで終わった」という状況に陥りかねません。
高田氏は、「自己投資のための読書では、読み終えたあとに行動を変えてなんらかのメリットを得る必要がある」と話します。*2
この「どんなメリットを得たいか」を明確にすることで、より具体的なアクションに落とし込めます。
目的設定の例:
「営業資料作成スキルを上げたい」
「部下とのコミュニケーションを改善したい」

STEP2. 見出しを記入する
ノートの見出しに「読み終えた日付、書籍名、著者名、○△×の3段階評価」を記入します。*2
評価をつけることで、あとから振り返ったときに「どの本が役に立ったか」が一目でわかります。
STEP3. 3つの具体的なアクションを書く
「その本を読んで『これをやってみよう』と決めた3つのアクション」を記入します。*2
このシンプルな3ステップには、次のような効果があります。
- やることを3つに絞るため、行動に移しやすい
- 実践できることを探しながら読むため、集中力や理解の解像度が上がる
- やることを書き出すことでアウトプットが生まれ、知識が定着する
- インプット → アウトプットの循環が回り始めると、問題に対しての打ち手が増え、判断が早くなる
- 得た知識を活用できた経験の蓄積は小さな成功体験を生み、自己効力感が上がる
本を読んで終わりにせず、「学び → 行動 → 成果」のサイクルを可視化できるのが3行ノートの強みです。

3行ノートを実践してみた
さっそく実践してみました。
今回の読書の目的は、考えすぎて行動できない自分を変えること。
そこで選んだ本は『マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
電子書籍で読んだので、実践できそうなところにハイライトをつけながら読み進めました。
ハイライトをつけておけば、読み終わったあとそのなかから楽に3つのアクションを選ぶことができます。

そして、読み終わったあとに書いた3行ノートがこちら。

アレンジのポイント
- 小さく印刷した書影を貼る
→ あとで振り返ったときに読んだときの印象や内容が思い出しやすくなる - アクションのタイミングを青字の吹き出しで追記
→ 「いつやるか」を決めることで、より行動しやすくなる - 余白に読書の目的を追記
→ 選んだアクションが本来の目的からブレていないか確認できる
もちろん見出しと3つのアクションのみでもかまいません。
やりやすいやり方を探してみてください。

3行ノートを試してわかった3つのメリット
3行ノートの魅力は、読書で得た学びを行動につなげられることにあります。
実際に試してわかったメリットを3つご紹介します。
1. 読み返さなくても行動できる
3行ノートを開けばどんな行動をすればいいのか書かれているので、本を読み返さなくても「振り返り→実行」の流れをつくれました。
やるべきことが明確になるため、行動に移すハードルが下がったと感じました。
特に、「いつ行動するか」を3行ノートを書くときに決めておくことが、確実に行動につなげるために有効です。
2. 心理的ハードルが下がり、サクサク読める
これまでは、実践に活かそうと考えながら読書をすると、あれもこれもメモしようとして読むのに時間がかかっていました。
今回は「3つだけ書けばよい」と思えたことで読書効率が上がり、心理的ハードルが下がったと感じました。
3. 習慣化しやすい
これまでは、読書記録をとるのが大変で読書自体を中断してしまうこともありました。
3行ノートは書くのが簡単なので、継続の心理的ハードルも低いです。
この実行のしやすさは、読書から得た学びを仕事に活かしたいすべての人にとってのメリットだと言えます。
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「読書をして『なるほど』と思っても仕事に活かせていない」
そんなお悩みがある人は、3行ノートを活用してみてください。
今年こそ、読書を仕事の成果につなげましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 3行ノートは紙のノートでないとダメですか?
A. いいえ、紙でもデジタルでも問題ありません。NotionやEvernoteなどのアプリでも実践できます。大切なのは「3つのアクションを書き出す」というプロセスです。自分が続けやすい方法を選んでください。
Q. 3つのアクションが思いつかないときはどうすればいいですか?
A. 無理に3つ書く必要はありません。1つや2つでも十分です。また、読書中に「実践できそう」と思ったところにハイライトやふせんをつけておくと、あとから選びやすくなります。
Q. 小説や物語の本でも3行ノートは使えますか?
A. 主にビジネス書や実用書向けの手法ですが、小説でも「この登場人物の考え方を真似してみよう」といった形でアクションを書くことは可能です。ただし、エンタメ目的の読書であれば、無理に3行ノートを使う必要はありません。
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※引用の太字は編集部が施した
*1 ダイヤモンド・オンライン|【一橋大学教授が教える】成功する人がやっている「仕事の成果が爆上がりする読書術」とは?
*2 STUDY HACKER|本を読んでも「いいこと書いてるなあ」で終わる人に最適。読書を行動に結びつける「3行ノート」
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。