コンチネンタル彼岸

意識の別荘

名古屋旅行2025 【美食編】

 

このあいだ名古屋を旅行してきました。名古屋自体は何度か行ったことはあるものの、法事のついでに寄るみたいなことばかりしており、しっかりと地面を踏み締めて歩いた感覚に乏しいのです。故に、なんだかあやふやな印象しか持っておらず、いい歳してそれもどうかと思ったこともあり、今回は丸3日に渡って歩き回りました。


しかし、名古屋は広かった。広いことは計画段階で分かりきっていたので、巡る場所の候補を絞り込んだ上で予定を立てましたが、それでもとにかく歩いて歩いて歩き通して、半分くらいしか消化できませんでした。まあそこは名古屋のせいばかりにはできない。私の要領の悪さに加え、横道があれば逸れていく性格にもよるでしょう。


ともかくいろいろ見て、学んで、食べて、と三拍子揃ったいい旅行でした。せっかくなので、こちらのサブブログでそのあたりのことをまとめていきたいと思いますが、内容を【美食編】と【名所編】に分けて書きます。今回はその【美食編】ということで、勿論いろいろ美味しいものを食べたわけなんですけど、特に印象に残ったお店を二軒だけ紹介させて頂きますね。

 

 

宮鍵(みやかぎ)

 
一軒目は名古屋駅から地下鉄桜通線に乗り国際センター駅下車、そこから南へ10分くらい歩いたところにあるお店。明治32年創業だそうです。店先の佇まいにやや敷居の高さを感じましたが、思い切って、えいっと入ったわけです。そしたらなんとも朗らかな店員さんが気持ちよく案内してくださいました。

 

 

 

人気店ですし、そのうえ予約なしだったので待つことを当然覚悟してたのですが、すんなりと席に通され、そこそこ空いている。なんだか狐につままれたような気分。このお店はうなぎと地鶏を扱った料理が有名です。観光客のセオリー通り、私はここに「ひつまぶし」を食べにきたんですけど、メニュー表を眺めているうちに、どれもこれも美味そうでわけがわからなくなり、結局、「長焼き定食」に冷酒を一本つけてもらうことにしました。

 

空いているとはいえ、お客さんがいらっしゃるため店内の写真は好き勝手に撮れませんでしたが、座っていてなんとも落ち着く空間でした。昼間、ずっと歩きっぱなしだったこともあり、ここにこうしているともう二度と立ち上がれないんじゃないかと思うくらい居心地が良い。

 

そしてやってきた長焼き定食(¥5,650)がこれです。要するに鰻の蒲焼定食ですね。

 

蒲焼、鰻巻き、お櫃に入ったご飯と、質実といっていいほどシンプルな食構成が美しい。

 

当然、肝吸いもついてきました。

 

ちなみに冷酒を頼んだら白鹿がきました。いわゆる「灘」のさっぱりとした口当たりのお酒です。名古屋で兵庫の日本酒とは、と思うかもしれませんけど、初めてのお店に入ったとき、銘柄が記載されておらず、単に「酒」とか「日本酒」とメニューに書かれているのを頼んだ時に何が来るかを個人的に楽しみにしています。そこで別に地酒が来ようと来まいと構いません。日本酒がもつ物流的な流れを味わいつつ飲むのが好きなのです。

 

それと、ここの鰻の蒲焼ですが、おそらく蒸す工程を省いた「直焼き」じゃないかなと思います。食べた時のカリッとした皮の食感と香ばしい味わいがそれっぽいですね。東京あたりの鰻というと、あまじょっぱいタレでベタベタになってしまってるもんですが、この鰻のタレの風味はまるで甘くない。さっくりとした品のある味わい。ご飯にもお酒にも調和します。これは文句なしでうまい。多幸感で頭がクラクラしました。

 

 

 

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珈琲処カラス

 

次は地下鉄東山線伏見駅からそう遠くないところにある喫茶店。店名で気づいた人もいるかもしれませんね。ドラマ版『孤独のグルメ』のロケ地にもなったお店です。

 

 

 

 

訪れたのはランチタイムをやや回った昼下がり。それでも店の前には人の列ができている。仕方なく並びましたところ、何故だか前に並んでいた人たちが途中で諦めてどっかに行ってしまい、案外すんなりと店内に座れました。

 

 

店内はお客さんがたくさんいて、写真を撮るのも憚れる感じでしたが、まさに「レトロ喫茶」といった趣です。壁や調度品からも、この店が重ねてきた年月の厚さを感じ取ることができます。

 

 

こちらは店内で喫煙可です。私の周りにいたお客さんはほぼ学生さんだったと思うんですけど、感心するほど堂々とタバコを吸っていました。それがまた70年代あたりから一切変わらない情景のように思えて、正直、体感的には煙たかったんですけど、ここは時空そのものが異なるんだと考えれば許せます。

 

 

ということでコーヒーを注文。「カラスブレンド」(¥450)ですね。私のコーヒーの好みとして、なるべく酸味が少なく、コクと苦味のバランスが取れているものが好きなのですが、こちらのコーヒーは理想的で非常に飲みやすかったです。名古屋の人って、砂糖とミルクをけっこう投入するイメージありますけど、ブラック派としては勝手ながら、素でこんなに美味しいのに勿体無いことしてるなとも感じてしまいます。

 

 

『孤独のグルメ』では「あんトースト」を注文していたはずですが、私はちゃんと食事がしたかったので、オムライス大盛り(¥950)を頼みました。料理の美味しさって、技術はもちろん関係するのでしょうけど、それ以上に、料理に込めた心意気のようなものをこちらが受け取れるかどうかによると思うのです。そういう意味で、このオムライスはとても美味しかったし、何よりも有難い気持ちになりました。周りの学生さんも、そのうちこの店の有り難みに感じ入るようになるでしょうか。

 

 

ちなみに店名の「カラス」は八咫烏から来ているそうです。八咫烏には足が三本あり、それぞれが「天」「地」「人」を表しているのですが、天命と、土地が保持する力に、人の縁が加わる。当然ながら商いにおいても重要な示唆を冠しているなと思い至りつつ店を出ました。

 

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