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3分30秒の贈り物

 今日は小学校にて読み聞かせの本番の日で、2年生に読む日。
尊い時間を子どもたちと共有したのですが、次回のために練習をした絵本のことを書こうと思います。
 昨日書いた持ち歩きの絵本のことは次回へ。

しずかでにぎやかなほん
さく マーガレット・ワイズ・ブラウン
え レナード・ワイズガード
やく 谷川俊太郎
童話館出版

 子犬のマッフィンが夜じゅう寝ていたのだけど、何かの音で目が覚めた。
なんのおとだろう。

マッフィンは めがさめた、なにかのおとで
とても しずかな おと。
なんだろう?

しずかでにぎやかなほん

 マッフィンは想像をする。なんの音で自分が目が覚めたのか。

かいだんを ぞうが つまさきだちで おりてくるかな?
ちがうよ

しずかでにぎやかなほん

 このなんの音かな?を想像して、その答え方は
「ちがうね、いいや、ちがうな、まさか……」とちがうよの意味のいろんな言葉たち。

そういえば、この返答はだれがしているんだろう。

ページをめくるごとに、この音かな、あの音かな、たくさんの思いつくもの、または想像つかないものたちで溢れていて、どの想像も「そうだったらいいのにな」、または‥‥‥想像すればするほど、自分のなかの真ん中が優しくなれる感じがする。

とても短い言葉で、それほど重要で具体的な言葉ではないのに
なんでこんなにも響くんだろう。
そして、どれもが愛しいものじゃないかと気づく。

この包まれたような感覚は、大人だから感じとれるのではなく、
この本の力だ。

読み終えると3分30秒。
え?そんなに短い?ゆったりとした時間が流れたように感じるのも
谷川俊太郎さんの言葉たちの紡ぎのおかげ。

原題は『The Quiet Noisy Book』
Noisyを”にぎやかな”と訳すセンスが凄い。
この本が1950年にアメリカで出版されたということを知った仲間が驚いていた。それほどに古びない、たいせつなことが書かれているから。

派手なアクション。派手な愛情表現。派手な癒しの言葉。
派手なお涙頂戴‥‥。派手な‥‥。派手なといういか大袈裟というか、なんというか…。
最近そんな本ばかりが出版されていて悲しくなる。
申し訳ないけど、ペラペラな感じがするのだ。

オーバーリアクションもないし、必要以上の擁護もないのに、
抱きしめられたような感覚を持てる絵本を子どもと読みたい。
そして間違いなく、この本はその1冊。

気づくと文庫の棚にはマーガレット・ワイズ・ブラウンの絵本がとても多い。

 今日嬉しかったことのひとつに、この本を本屋で手に取ったけれど、それほど面白いとは思えなくて、でも読んでいるのを聴いたら、今日はじめて、良い本だと思った、と仲間が話してくれたこと。
黙読ではわからないことってある。


# by sorita-exlibris | 2025-01-21 22:09 | マーガレット・ワイズ・ブラウン | Trackback | Comments(0)

小さな人の絵本2冊

 

小さな人の絵本2冊_d0220685_13434770.jpg
 



 今日は名古屋市南区子育て応援拠点momoさんの『0歳児さんの会』にて
「絵本を一緒に見ようね!」に行ってきました。
momoさんのInstagramはコチラ
 そこで大人気だった絵本を2冊紹介。

 

はんぶんこ
0.1.2.えほん
杜 今日子 さく
福音館書店

 ドーナッツややきいも、おにぎり肉まん、最後はピザトースト。
どれもほかほか美味しそうなたべものばかり

「はんぶんこ」 ページにはふたーつになって「どうぞ」感が増している。
この絵本を読んでから、はんぶんこが好きになったというお話も文庫で聞いたことあります。
 ちなみにわたしの母は北海道出身なので「はんぶんずっこしよう」が我が家のいつもの言葉でした。

もう一冊がコチラ

もぐもぐがじがじ
中野 明美 文
大島 妙子 絵
01.2.えほん
福音館書店

 参加者の小さな人は10カ月の子も多く、なかには来月から保育園で、お母さんが復職の方も。我が家は元々大人数なので、双子たちも末っ子も入園する時には、”みんなで食べる”に慣れていました。それでも家よりも大勢で食べるごはんは楽しかったようです。
”食べてる様子”だけでも、5人分の話は困ったことから笑い話まで多数。いま困っていてもいつか笑えるのよ、を知っているのは安心のひとつ。
そのことを少しでも伝えられたらいいなといつも思っています。
”おんなじ”ではないけれど、どんなことも”出口”はあると言ってもらえるだけで当時のわたしは少し楽になりました。
 さて、この絵本、出てくる子どもが、あみちゃん、ともくん、はなちゃん、ゆうくんがおんなじごはんを”もぐもぐがじがじ ごっくん”します。
読んでると、小さなひとたちのお口がもぐもぐしていて、お母さんに見せてあげたかった!
きっと帰ったあとおいしくご飯が食べれたに違いないと思います。
 実はわたしもお腹が減ってしまい、帰りに肉まん買ってしまいました。
もぐもぐがじがじ……

 いつもお会いしている0歳児さんの会のお母さんたちだから、顔見知りになっている様子が伝わり、1年通して、同じ場所でおなじ時間に、同じ人たちと、月に1度でも過ごす時間があるということはとても貴重なことだな、と自分の経験を思い出していました。

 我が家でも子どもが小さい時に、仲間で集まって毎月子どもを遊ばせながら、その時間に手仕事をしていました。手仕事は簡単に作れる子どもの遊び道具になるものをちくちくと針仕事をして、ほとんどその2時間ほどで終わります。フェルトボールや羊毛のボールや赤ちゃん人形など……。
 最初はお母さんにくっついて離れない子も、月を重ねるごとに子ども同士で遊べるようになってきて、2歳さんから3歳さんが多かったけど、こんなに静かに遊んでる、ということもあって驚きました。

 こういう毎月会える集まりは貴重ですね。
場所は応援拠点のmomoさんではなく伝馬コミュニティセンターですが(場所の予約の関係でmomoさんの時もあり)、適度な広さで落ち着く場所です。
台数に限りはありますが、車でも来られるので近くの方も少し離れた方もいらしていて、今日はたしか10組ほどの親子さんが集まっていました。

 コドミルの絵本の会は、”読み聞かせの会”ではないのですが、わらべうたを歌ったり、絵本を読みながら、子どもの発達にあわせてどんな絵本がいいかなどをお話します。
 今日は0歳児さんにおすすめの絵本を質問に答えながらご紹介しました。
絵本は読まないより読んだ方がいいと思うし、わらべうたもたくさん知らなくても、知っているわらべうたをなんかいも歌えばいいと思います。
でも、出会うことでどちらも”知って世界が拡がる”ので、コドミルの時間が出会いの場になればと思っています。
でも、一番はお母さんが楽しんで読めること。苦行になってはいけません。
楽しく読めるお手伝いもしています。

コドミルの定番のはじまりのわらべうた絵本

ととけっこうよがあけた♪

次回持ち歩きにおすすめのちいさな人向けの絵本紹介します。




# by sorita-exlibris | 2025-01-21 13:44 | 子どもと楽しむ絵本 | Trackback | Comments(0)

落語絵本 初天神

初天神
川端 誠
クレヨンハウス

 今日から5日間、神田伯山先生の連続読み、講談と落語は違うけれど、
今回は落語絵本の紹介。

 普段小1か小2に読み聞かせをすることが多いいのだけれど、月に一度だけ高学年に読む機会がある。そこでこの落語絵本を選んだ。
なかなか知恵のまわる金坊を連れて、仕方なく初天神へ向う父ちゃん。
結局、”あれでもこれでもない”が、”凧”を買わされる。でも父ちゃんが金坊以上に遊ぶので、「父ちゃんなんか連れてくるんじゃなかった」というオチ。

 落語絵本は面白いし、特に川端誠さんのはご本人もお好きでよく聞いてらっしゃるからまとめ方がうまい。落語が好きで読みたくて仕方なくて、知人に相談したら、落語はいろんな年齢が混じって聞いた方が面白いんだと話してくれた。確かに普段の寄席もそう。
同じところで笑う人もいれば、違うところで笑う人もいる。ちょっとした蘊蓄を知っていた方が面白さが増す。
 落語絵本も、単学年よりもいろいろ混じった方がいいと聞いてからは、なかなか手が出せない。
『寿限無』や『まんじゅうこわい』は子ども番組でやったり、園でも劇ですることがあるらしく馴染みがある。特に名前をどんどん言っていく『寿限無』の方が面白く聞く。息つく暇もなく話すのと、最後のオチがわかりやすいから。とはいえ、一度落語を聞いてから読んでほしいが、落語家のように読んでねという意味ではなく”間”の勉強になるので聞いてほしい。
小三治師匠の『初天神』おすすめです。

 さて『初天神』高学年の3学年が混ざっているのと、大人も一緒に聞いてる場なので読めました。(初めてではない)でも自分の力量も関係するかもしれないけど、ギリギリな感じはします。関係性ができていないと難しい。
結論、落語は高学年だからこれも読めるあれも読めるかも?で選ぶより、確実にオチがわかって、無理なく聞けるお話がいいかと思います。
『寿限無』しかり『まんじゅうこわい』しかり…。『ごんべえたぬき』もおすすめ。 いきなりいつも会うわけではないという単発的なところでは、高学年でも『初天神』読まないかも。

さてさて、毎月25日は天満宮さんではどこも御縁日ですが、初天神の1月25日はさらに出店で賑わうのではないでしょうか。
お近くの天満宮さんへぜひおでかけください。菅原道真公に賢くしてもらいましょう~。

 

 


# by sorita-exlibris | 2025-01-18 23:20 | 落語・歌舞伎・講談 | Trackback | Comments(0)

雪が降ったら…

おかしなゆき ふしぎなこおり
写真・文 片平 孝
ポプラ社
2012.11.6

 昨夜寒いなと震えながら寝た。今朝窓の外を見たら雪が降っていた。
普段見慣れない光景を見ると心が躍るのはなんでだろう。
見知らぬ、昨日とは違う何かに出会う予感がするからだろうか。

 この絵本は、銀座の教文館ナルニア国で本の物色をするために時間をたっぷり取った時に、Yさんから強く薦められた絵本。
どのページを見ても、おぉ!おぉ!と驚きをくれる。
初めて読み聞かせで読んだ時の、子どもたちの表情が忘れられない。わたしも早朝のスキー場で見た樹氷の美しさや、こんもりと盛り上がったありえないほどの雪の帽子に見とれたことを思い出す。
一晩で様変わりすることもあり、小さかった子どもたちも雪国では驚きの連続だった。
 雪で推し潰れないように斜めになっている雪国の屋根。たまりにたまったものが、雪しぶきと音を立てながら、ざざざと落ちて来るのを見ると立ちすくんでしまう。近くにいようものなら驚く。同時に子どもたちは気づく。自然は美しくもあり、怖いものでもあると。

 今日も偶然この絵本を用意している読み聞かせの仲間が何グループもあり、それぞれでの子どもの様子を聞くことができた。
見たこともない雪の光景に「ヤバイ」を連発する子どもたち。ヤバイの一言の連続なのに、どれひとつ同じような「ヤバイ」の発音がなかったとか(笑)
それを娘に話すと、最近の外国人は日本を旅行する時に「ヤバイ」で過ごすことができるという。まるで日本人が「イエス」と「ノー」だけで外国を回るようなものが「ヤバイ」らしい。

 この目を見張る雪と氷の世界は、年に2~3回しか雪を見ない子どもたちからすると、平時のものではない。この絵本を雪国の子どもたちが読んでもらうのと、名古屋の子どもが読んでもらうのでは、ずいぶん印象が違うのかもしれないとも話が出た。

 私自身、一年ぶりの雪国への旅行で何メートルもあるながーーーいつららを見て、あれが刺さったら痛いねなんて、幻想とはほど遠い話になり、つららを利用した殺人事件なんてあるんだろうか、なんて物騒な話をご来光を見ながら話したことを思い出す。一体正月早々なにを話してるんだか。

 学校までの道のりで、手にボールぐらいの雪玉を作って大事に抱えている男子君に遭遇したり、ビニール傘を逆さにして、その半分ほど汚れていない雪をいれて、大事に運ぶ中学生を見た。
 今期初の雪に、子どもたちは感極まっていた。走り転がるわんこのように元気だった。一日雪があるといいのに、残念ながら昼まえには溶けてなくなっていた。

 偶然とはいえ、雪の結晶の絵本や雪がいっぱいでてくる写真絵本や、物語を読んでもらえた子どもたちは、臨場感が増して楽しかっただろうな。雪が降ったら、雪の絵本にささっとスイッチングする、そんな臨機応変さが自然に作れたらと思う。

 何年も前、ベテランのある先生が、雪が積もった時にそわそわしている子どもたちを見て、授業を雪の観察に代えて、思い切り運動場で遊んだという話をしてくれた時に、なんてそのクラスは幸せなんだと思った。

毎日雪が降る町じゃないんだもの。ある意味、そんな奇跡に近いような雪との遭遇は、楽しめなかったらどうするよ。
溶けてなくなる前に……遊んでこそ。

雪は天からの手紙なんだら。


# by sorita-exlibris | 2025-01-10 21:39 | 美しい絵本・本 | Trackback | Comments(0)

スマホ育児が子どもを壊す

スマホ育児が子どもを壊す
石井 光太 
新潮社

 昨年の7月に発行されるとすぐに品切れになり9月には重版がかかった。
わたしは二刷り目でやっと購入。後日談として、再入荷した時に買ったと話すお客様が、知人に差し上げたので自分用にまたほしいと店頭にいらしたところにたまたま居合わせた。小さな子どもを持つ彼女はこの本はぜひ知ってほしいから、知り合いに必ず紹介しているそうだ。

 書いてあることは全て石井氏の取材を元に書かれているので全て事実。エピローグの石井氏の言葉にある通り、わたしの住んでいる近隣や関わる場所でも、ヘッドガードをつけて遊ぶ子もいなければ、駆け回る子どもも多いし、スマホを置いて汗だくになって一緒に親も遊んでいる。
だが、石井氏はこう続けている。

一般化できなくても、これを近未来の前兆と捉えて耳を傾け、大人として何をすべきかを考えるのか、それとも目を逸らして安寧と生きていくのか。

スマホ育児が子どもを壊す 
264pより

 本書を読むと、ところどころで遭遇したことや耳にしたことも書かれている。20代の娘たちにそうなの?と聞いてもみる。当然なるほど、と思えることもあれば、子どもたちの感覚は同じことをしていても違う視点があるのかと知る機会にもなった。
 スマホがあって当たり前のような世の中で育ってきている子どもたちとはいえ、それぞれ、高校を卒業して初めてスマホを持った子どもと、高校入学と同時に持った子どもと、コロナ禍ゆえに電子機器を中学入学と同時に持った子どもがわたしにはいる。
 でも彼女たちは口をそろえていう。「スマホは子どものうちはいらない」
自分の子どもにも中学生は必要ないと話す。その時、どんな時代になってるかはわからないけれど、”使える”のと”使われる”ことの違いを知っているのだと思う。

今の社会、学校、家庭は、子どもを取り巻く環境を合理的なものへ変えていく一方で、自然な成長の機会を奪っていると言わざるをえない。子どもたちが多様な社会で生きていくのに必要な力を育めないまま大きくなれば、ネット上の大量の情報に翻弄され、コスパやタイパばかりを重視し、傷つかないように自分を守るのに必死になる。
<中略>
 子どもは大人が作った環境で生きることしかできない。ならば、大人こそこの現実を認める必要がある。

引用 スマホ育児が子どもを壊す 261p~262p

 色々な考えがあって、親となった大人は子どものために環境を作る。けど、その作る環境がはたして本当に子どもにためになっているのか、冷静に考えることはいつでも、だれにでも必要なことだと思う。
 わたしもそうだったけれど、特に長子を育てている時は、なにもかもが初めてで育児の開拓民でしかなかった。自分が良かれと思ったこと、良いだろうと思ったことをなんでも試してみた。自分の選択に落ち込むことも多々あり、そのたびに情けなく苦しくなり、預けていた保育園の先生に相談したこともある。
 「親はそういうものです。いいんですよ。何回も気づきなおして。こっちがいいと思ったら、また選択しなおせばいいんです。親だから許されます。大丈夫」と言われた時に固くなったものが緩んだこともあった。

 さて、大人が作った環境でしか子どもは生きられないのだから、やはりどうしていくのかを考えて、選択して、決める責任が大人の親のわたしたちにある。

 生まれて出た子どもを正置友子さんの言葉をお借りするならば”ひとなり”していくための環境を作る責任がある。

わたしたちは人を育てているのだから。スマホには育児はできない。


# by sorita-exlibris | 2025-01-10 17:26 | 子育てお役立ち本 | Trackback | Comments(0)

絵本のある暮らしに憧れていたら、いつのまにかたくさんの書物に囲まれていました。htttp://www.kodomiru.com 絵本と子育てがいっぱい書いている初期ののブログはコチラ http://soritant.exblog.jp/


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