「このライトノベルがすごい! 2026」協力者枠投票

11月27日(木)に「このライトノベルがすごい! 2026」が発売されました。

今回から編集が変更になって色々と変更点があります。
 
・Webアンケート(協力者投票含む)で作品・シリーズへの投票枠が「5作品→10作品」に拡大。10作品選出必須。
・Webアンケートでbot投票防止のため昨年の総合ランキング1位の回答が必須に。
・「男性キャラクター部門」「女性キャラクター部門」が廃止。
・「新作部門」が「新作文庫部門」「新作単行本・ノベルズ部門」の2つに分割。

 
私は今回も協力者として継続参加しました。ククク、俺は協力者の中で一番の小物……
本誌の協力者ページに協力者の投票作品が載っていますが、6位以下の投票内容は載っていないのでこちらに忘備録として記録しておきます。
ランキング結果を観る限り、下位投票とは言え1位作品に投票しているので、「協力者枠での1位作品押し上げ」に一枚噛んでしまった感がありますね……
ただまあ、ランキング的に無風な作品にも投票できているのでその辺りの投票には満足。
 
 
 

作品・シリーズ部門

 

■1位 のだ / 著者:真野真央 / 原作・監修:大漠波新 / イラスト:Oda Kogane / 1-2巻 / MF文庫J

協力者枠だと自分くらいしか投票しねーんじゃないかと思っていたら(1~5位投票だと)本当に自分だけだった。
 
シンプルな青春・音楽ものとして読むことも出来るけど、才能が未熟さによる短慮と軽率さによって消費・毀損されていく哀しさ、自己顕示欲・承認欲求・自己肯定感に振り回される苦悩、様々な「匿名性」へのフォーカス、ガールミーツガール、様々な読み方が出来てそれぞれで味がする作品。

 
 

■2位 帝国第11前線基地魔導図書館、ただいま開館中 / 著者:佐伯庸介 / イラスト:きんし / 3巻 / ガガガ文庫

「イラスト表現とのシナジー」という意味合いだと今年度投票の中ではベスト。
 
ご都合主義が無い世界で、文字通り命をかけて未来を紡いでいった様々な立場でのヒトビトの姿がエモーショナル。
"この結末"を掴み取るために命を賭した人達の誇り高く気高く鮮烈な生き様のことを僕は忘れないよ……戦い抜いた数多の英雄たちに冥福を。

 
 

■3位 嘘吐きは勇者の始まり 偽物勇者に転生したけど大好きなゲームの滅亡ルートしかないヒロインの故郷を救い出す。 / 著者:柴猫侍 / イラスト:ミユキルリア / 1-2巻 / 単行本(ファミ通文庫編集部)

意外と投票する人がいなかった枠。
 
「悪役転生」の一系統で「偽物勇者」に転生した主人公がバッドエンドヒロインを救う話。
主人公の狂言回し的な振る舞いに外連味が効いており、キャラの掛け合いも小気味よく、盛り上げるべきところの描写は熱い。
「フェイク」の物語でありながらもそのストーリーテリングと熱量は王道を歩んでいる。

 
 

■4位 クラスで浮いてる宇良々川さん / 著者:四季大雅 / イラスト:さかもと侑 / 1巻 / ガガガ文庫

割と上位だった。四季大雅さん、固定客層を確実に掴んでる感がありますね。
 
ファンタジーであり、SFであり、ボーイミーツガールな青春ものであり、セカイ系でもあり、部活ものでもある。
あまりにも要素が盛られまくった結果散漫になりそうなバランスをギリギリで成立させる筆力の剛腕が印象的。

 
 

■5位 二代目聖女は戦わない / 著者:榎本快晴 / イラスト:茶ごま / 1巻 / 単行本(ホビー書籍編集部)

こちらも割と投票者がいなかった枠。
 
自己保身のために捜査していく中で「真実」が浮かび上がる流れはミステリの様式に沿っていて「ファンタジーミステリ」と言えるものになっている。
イキリをポッキリ折られて内心半泣きで頑張る小物系主人公に愛嬌があってとても良いし、母親聖女のアクの強さ等も魅力的で、要所要所のキャラクターが良質。

 
 

■6位 悪役令嬢、宇宙を駆ける 二度目の人生では宇宙艦隊を率いて星間戦争を勝利に導きます / 著者:甘味亭太丸  / イラスト:ヨシモト / 1巻 / ドラゴンノベルス

スペオペ好き枠投票。
 
スペオペものが好きで、逆行再生やり直し戦記物も好きなので合わせ技で大好き。1巻ではまだまだプロローグという感じですが、しっかりと長期シリーズ展開してくれることを祈ります。

 
 

■7位 雨森潤奈は湿度が高い / 著者:水城水城 / イラスト:潮崎しの / 1-2巻 / MF文庫J

投票者多そうだなぁ、と思いながらも投票枠。案の定上位ランクインでしたね。
 
タイトル等から想像していなかったけど、強度のある音楽小説。
リアルバンドの名前がコンスタントに出てきており、楽曲・バンドのチョイスが個人的趣味に近く解像度が高い。

 
 

■8位 第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃 海の守護騎士との出逢い / 著者:石田リンネ / イラスト:壱子みるく亭 / 1巻 / ビーズログ文庫

同作者の茉莉花官吏伝の方が好きだけど女性向け新作枠。
 
有能ではあるけど万能性やチートを持っている訳ではない主人公だけど、内心の弱さを抱えながらも前を向いて理不尽さに対して強く生きる姿が魅力的。
男と対峙する上で、変に男勝りになるのではなく"たおやかさ"を失わないのが女性主人公としての良さを感じますね。キャラクター造形と配置が良い。

 
 

■9位 あそびのかんけい / 著者:葵せきな / イラスト:深崎暮人 / 1巻 / ファンタジア文庫

打率の高い作者さんと人気が高く実績のあるイラストレーターのコンビだから票を集めそうだとは思ったけど1位にまでなるとはね。
毎年恒例の「協力者枠の妥当性」についての議論枠。
 
本来は順当に終わってしまう構図のラブコメが、ボドゲ的な「プレイヤー達のプレイングミス」と「合理的な判断」が絡み合って膠着に陥っている状況が滑稽で面白い。
更に「正体隠匿ゲーム」の要素もあり、そういった「ボドゲの感覚」が小説に上手く翻訳されていて、とても良かったですね。

 
 

■10位 人数合わせで合コンに参加した俺は、なぜか余り物になってた元人気アイドルで国宝級の美少女をお持ち帰りしました。 / 著者:星野星野 / イラスト:たん旦 / 3巻 / GCN文庫

完結記念枠。
 
全3巻と短期シリーズに終わったことによる書き込みの足りなさは随所で感じるものの、サッカー好きとしても納得できるリアリティラインでの地に足のついたサッカー小説であり、アイドルのセカンドキャリアものでもあり、どこまでも真っすぐなラブコメでしたね。こういう作品好きです。

 
 
 

イラストレーター部門(敬称略)

■1位 きんし

「帝国第11前線基地魔導図書館」3巻において、レイアウトを含めたライトノベルイラストの理想形の一つを観た。

■2位 kodamazon

今期作品における"湿度の高さ"が良かった。

■3位 Izumi

塗りによって"柔らかさ"までもが変わってくる幅が魅力。