sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて 冷たいシャンパンと 届いた本と手紙に気持ちが緩む、 感じ

映画:バード ここから羽ばたく

 
良い映画なんだけど日本版のポスター、なんか邦画っぽくない?
是枝さんとかの映画にありそうな雰囲気。他の国のビジュアル検索して見たらやっぱり全然違うね。なぜかいつも外国のものの方がセンスがいい・・・

 

 

 

 

 

 
そしてですねっ!映画ですけどねっ!
これめっちゃいい映画と思うんだけど、それよりカメラがっ!
手持ちカメラの撮影が無理すぎるレベルっ!!
300本に1本あるかどうかの「画面酔い」映画だったのですよ。
腹が立つくらいしつこい手ブレ風撮影で、本当にしんどかった・・・
 
他の映画を一本見た後だったせいもあるし、わたしがいつも前の方に座って大きな画面を見るせいもあるかもしれないけど、最初の5分で画面の揺れに気持ち悪くなり、あとは頭痛と吐き気になんとか耐えながら、半分以上目を閉じて、少しずつ字幕だけチラッとみる感じで見ました。光のきれいな良いシーンがたくさんあって、目は画面を見たいのに、ずっと揺れている画面で気持ち悪くなって、ほとんど見られないという苦行のような2時間だった。
人が走るシーンなどでカメラも揺れて臨場感を出す演出はよくあるけど、この映画は多分2時間ほぼあらゆるシーンが手持ちで画面がずっと揺れてるので、2時間揺れる小舟の上で船酔いに耐えながら何かをじっと見ている感じ。乗り物酔いする人にはお勧めできません。
 
しかしなぜ静止画面もずっと手持ちで画面を揺らす必要があるのか全く理解できない…
 映画の中で主人公の少女がスマホで動画を撮ったり、それをみるシーンが何度も出てきて、とても重要なシーンではあるので、映画自体も手持ち撮影風の効果を狙うのはいいんだけど、全部それにするのはやり過ぎ・・・
例えば海を引きで映す遠景の静かな静止シーンさえ手持ちの揺れがあるし、人が座って話してるシーンでもずっとカメラはブレブレゆらゆら上下左右前後に動き続けてて、ほんと吐き気との戦いでした。始まって10分くらいのときにふざけるなー!と叫ぶ人のシーンがあるんだけど、もうその時には酔い始めていたわたしの気持ちの代弁かと思ったわ。「三脚貸したるからちゃんと撮りっ!」「ちょっとカメラの人そこ座り!」と説教したかった…笑
 
さて、そういうわけでほんとにしんどい思いをしたので肝心の映画の画面は美しいのにちゃんと見れなかったけど、改めてトレイラー見るとまた引き込まれて目が離せない。パンフレットのスチール写真だけでも、何度も見たいし見入ってしまうくらい好き。そうだな、いい映画だったよ。もう一度もっとコンディションのいい時にじっくり観たい。
脚本も素敵で、「フロリダプロジェクト」と「スクラッパー」を思い出した、どっちも親子の話でどっちもすごくいい映画。

smallthings.hatenablog.com

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「バード」も貧困層の荒んだ生活や子供たちのつらさが詳細に描かれるけど、この映画は愛も希望もちゃんと隠れていて、やがて現れてくるのが良かったな。
 
そして俳優ですが、主演の女の子もいいけど、もうなんしかお父さん役のバリー・コーガンが最高すぎる!バリー・コーガンの演技見たさに、画面酔いしながら息も絶え絶えにちゃんと最後まで見たと言って過言ではない。
14歳の息子がいて、自分も14歳で子供を作ったという若い父親の役。ちゃらんぽらんで自分勝手で無責任で教育もなく頭も悪く仕事もなさそうな、でもなんか無駄にいつも機嫌のいいシングルファーザーをノリノリでやってます。ほんま最高。
 
主人公の14歳の兄もいい。母親は別の人なのだろうけど父親と暮らしているのは母親はもっと酷い境遇なのかな。14歳という危うい年齢で、もっと危うい暴力的な自警団に関わったりもするし、家族への愛情も特に見えはしないけど、案外いい子なのだろうと思わせる。
 
主人公の女の子が出会う謎の男バードの役の俳優は「希望の灯り」に出てたフランツ・ロゴフスキーで、好きな俳優ではないのだけどこの役にはとても良かった。最初、あの独特な個性の顔をさらに強調する表情で、ちょっと人間離れした不思議な雰囲気を出しすぎ、やり過ぎであざといのでは?と思ったものの、見ていくうちにその純粋さや聖性を感じさせる表情の演技には説得力が出てきたし、ラストのちょっと独特の演出も自然に見えた。
 
父親と兄と暮らす12歳の主人公少女はうっすらと孤独や不満やよるべなさを感じているように見えるけど、空や鳥や草木をじっと見つめるときは一瞬満たされているように見える。スマホで動画を撮っては、部屋の壁に写して眺めている。
その父親、シングルファーザーは新しい恋人に夢中で、突然、週末に結婚式をすることにしたと言うけど、主人公少女は何もかも気に入らない。父の恋人(もちろん若い、まだ20代半ばか)が同居するのも嫌だし、結婚式に出るのも嫌だ。この恋人かなりいい子なんだけど、まあ12歳の多感な時期の主人公にとっては余所者だし、父親は配慮がないし、あーもー誰もわたしのこと考えてなんかくれない!と拗ねるのは自然だよね。
ある日、野原で見知らぬ男と知り合う。不思議な雰囲気を持つ謎の男は、人を探しているといい、主人公は協力することにして、自分の母親に話を聞きに行くけどそこにはDV男がいて・・・というようなお話。
 
好きなシーンはたくさんあって、自然のシーンはどれも光のきれいさにうっとりしたし、結婚式のパーティのシーンはその馬鹿騒ぎが切ないほどの多幸感を味わわせる。音楽もいい。
ドラマもあって映像がとてもきれいで俳優が良くて脚本が良くて、終わり方もすごく良かった。
ほんと、手持ちカメラブレブレの演出さえやり過ぎてなければもっともっと褒めたい映画でした。