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自然観察大学ブログ

センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。


小花は雄から雌に

センダングサの仲間は小さな花(小花)を多数集めた頭状花(頭花、頭状花序)をつける。頭状花はキク科の特徴である。
キク科の小花には舌状花と管状花(筒状花)があるが、コセンダングサはふつう舌状花がなくて管状花のみ。

管状花がびっしり並ぶコセンダングサの頭状花。(↓、9月末ころに撮影)
センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち_d0163696_18125068.jpg
写真で黒っぽい紫褐色のものが雄しべである。雄しべは筒状に合着していて、その先端に葯がある。
小花ははじめ雄しべが熟す。(雄しべ期、雄性期)
やがて筒状の雄しべの中から雌しべの柱頭が出てくる。(↓)
センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち_d0163696_18130010.jpg
雌しべ期(雌性期)である。

雄しべ期 ⇒ 雌しべ期 と変化するのは自家受粉を避けるしくみで、このことについては何度か記事にしているのでそちらをご覧いただきたい。
● 続・セイタカアワダチソウの花を観る ‐開花の順序‐ 

ところで、頭状花の全体を包んでいる部分は総苞である。
これを“がく”としてしまいがちだが、本当のがくは別にある。


センダングサ類のとげの正体は“がく”

頭状花を切ってみると管状花の構造がわかる。(↓)
センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち_d0163696_18130874.jpg
多数の小花がすき間なく並ぶ。
小花の濃い黄色の部分が花弁で、先はラッパのように開いて4裂する。
下部の薄緑色の部分は子房(子房下位)。
花弁と子房の境目あたりからとげが出ている。

上の写真はちょっとわかりにくいので、同じセンダングサの仲間(Bidens属)のタウコギの管状花を観てみよう。
下の写真(↓)はタウコギの頭状花を切って小花のつけ根まで観えるようにしたもの。
センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち_d0163696_18131982.jpg
赤紫のところから下が子房で、その上が管状花の花弁。その境目にとげがある。
そう、花弁の外側にあるのは“がく”のはずだ。
先日の記事のセンボンヤリで冠毛のあった位置である。(
キク科の多くはがくが冠毛となるが、センダングサ類ではがくがとげになる。
冠毛もとげも種子散布のための構造だが、どちらもがくが変形したものであるということだ。


花から果実へ

さて、花が落ちると果実のとげが伸び出てくる。
センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち_d0163696_18140735.jpg
果序の中心部が盛り上がって山形に観えるのは個々の果実の長さの違いだ。
外側に並ぶ果実は短くて、中心部の果実が長い。
それによって、全開したときの球体の中心は下寄りになる。(↓ ①と同じ写真)
センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち_d0163696_22351535.jpg
みごとなものだ。
四方八方にとげを広げ、取りつくチャンスを待つ。しかも一度ひっついたら鉤形のとげで容易に離れることはない。


コセンダングサの花(小花)は雄性期 → 雌性期となる雄性先熟であることをはじめに申し上げた。
改めてその過程を詳しく観てみたいと思ったら、12月半ば過ぎでも、まだ花が咲いていた。
センダングサ類の観察 ③ 花から果実、とげの成り立ち_d0163696_18142310.jpg
上の写真の左2個は雄しべだけが伸びた雄性期、右2個が雌性期の花。
気になることが二つある。
一つめは子房がごく小さいこと。
もう一つは右の雌性期の花で雄しべが見えないことだ。雌性期には雄しべが縮んで雌しべが伸びるそうだが、これほど極端に縮むものだろうか。
あるいは右の2個は雄しべが伸びることはなく、雌しべだけが成熟する、いわゆる雌花のようなものなのだろうか。このときに観た頭状花はほとんどが雌しべ期であったことも含め、やはり季節はずれの花は本来の形ではないということかもしれない。
来年秋の花の時期に改めて観察したい。

2022年1月4日、報告:自然観察大学 事務局O




by sizenkansatu | 2022-01-04 18:29 | 植物 | Comments(2)
Commented by miyabiflower at 2022-01-09 11:41
コセンダングサとアメリカセンダングサ、
実になったら区別はつかないと思い込んでいましたが
トゲがVとUなのですね。
Uのアメリカセンダングサは、耳の細いウサギのようで
かわいいですね。
そして花から実になる様子、興味深く拝見しました。
花のうちからトゲがあるのですね。
どうやって変身するのかしらといつも思っていましたが
わかりやすい説明をありがとうございます。

コセンダングサのとげ、二叉だと思っていましたが
三叉、それ以上のものもあるのですね。
みつけたらよく見てみますね。

昨年はいろいろと教えてくださってありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
Commented at 2022-01-10 07:50
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