1994年発売のゲーム スーパーファミコン

ボードゲームとRPGとを融合させた独特のシステムが特徴の、ドカポンシリーズ第2作目。現時点で私がプレイしたことがあるドカポンは5作程度なのですが、その中で最も、そして段違いに熱中したのがこの「321」です。前作は初代ゆえにシンプルなモードしか用意されていませんでしたが、本作からはシナリオモードが実装されたことで遊びの幅が大幅に増しているのがハマった要因。最初からフィールドの全域を歩けるわけではなく段階を経てマップが広がっていくため、対戦型のボードゲームでありつつもRPG的な面白さがより一層高まっており、2作目にしてドカポンならではの魅力が溢れるほどに詰まっていました。柴田亜美先生のキャラデザも作品の雰囲気にピッタリで好き。

バトルでの読み合いはシンプルなルールながら熱く、特に人間同士の決闘は実際に戦う両名のみに留まらず、直接的には無関係な他プレイヤーまで巻き込み盛り上がる最高のエンターテイメント。たとえ分が悪くとも賭けにさえ勝てればジャイアントキリングも狙えるために手に汗握る戦いを満喫でき、ひとたび勝敗が確定すれば「勝者が敗者から貴重な装備を奪い取る」という残酷なまでの弱肉強食が発生します。その結果ゲーム内ではもちろんのこと、時にはゲーム外の人間関係にまで影響を及ぼすほどの確執を生み、果ては血で血を洗う復讐の連鎖が勃発ことも。しかしながら、そうした不毛な殺し合いこそ最高に面白いというのがドカポンのドカポンたる所以でしょう!

また乱戦の結果として徐々に戦力差が付き最下位に叩き落とされても、デビル化に代表される再起と逆転のチャンスは常に存在するため、形勢不利でもモチベを保てるのはパーティゲームとして嬉しい塩梅。そのデビル化にしても決して最強無敵ではなく、戦略次第では返り討ちに遭いかねないため双方に緊張感があり、メリハリの効いた勝負が楽しめます。一部の魔法や道具が戦況を無茶苦茶にするレベルだったりと粗もありますが、しかし優等生的ではない大味なバランスゆえの魅力があるのもまた事実。友人達と4人で、仲良く喧嘩しながら遊びまくった思い出の一作です。
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