暮れのギリギリになりましたが、昨年に引き続き競馬本に執筆しましたのでお知らせします。

『芦毛の怪物と勇者たちの激闘史』(パラダイムBOOKS)
オグリキャップを主人公とした『ウマ娘シンデレラグレイ』はテレビアニメでも第1クールが放映されたので、そのブームにあやかったもので、原作と史実を対比するよい資料となり得るでしょう。
ただし、shugoroが競馬にハマルのは92年からなので、オグリキャップの現役時代はタイムリーに観戦しているわけではありません。しかし、笠松時代の映像を除けば現在は大体のレース映像が視れますし、貴重な資料となる月刊『優駿』60年以上が葵の城競馬資料館にありますので、その意味では救われているかもしれません。実際に該当するレースは視ていますし、展開やレース中のハプニングなども当時の『優駿』を参考にさせていただいています。今後も競馬作家志す方にはいつでも資料閲覧で開放しようと思っています(ただしコピー代は別途有料)。
オグリキャップの現役時代は視れませんでしたが、引退後の牧場取材ではオグリキャップおよびライバルの馬何頭かは逢ったことがあります。思い出深いのはまだ法人化する前の98年8月に刊行された『「あの馬は今?」ガイド98-99』(アスペクト)で、このときは特集でタマモクロスを書かせていただき、27年ぶりにタマモクロスを再び書くことになったのです。タマモクロスの話はやまさき拓味氏の漫画『優駿たちの蹄跡』のエピソードが有名で、ここでもタマモクロスの生産牧場であった錦野牧場の錦野昌章氏が取り上げられています。零細牧場で資金繰りに困った錦野牧場はタマモクロスが活躍する前に倒産。その後、連勝してGIを勝つまでになりましたが、生産者の表彰台には誰もいなかった。「夢の代償」というタイトルが付けられていますが、実はこの錦野昌章氏、タマモクロスが秋の天皇賞を勝った1週間後、半妹のミヤマポピー(父カブラヤオー)がエリザベス女王杯を勝った時に表彰台に立ち、当時の『優駿』でも取材を受けているのです。
実際、倒産後も競馬場にひっそり来てたという情報もありますが、債権の問題で表彰台には立てず、牧場債権を引き継いだ先のグリー牧場の場長が債権のメドが立ったことで招待し、表彰台に立ったということです。ただし、当時の資料でその肝心な部分が確認とれなかったため、『優駿』のコメントのみに止めてしまったのが後悔でした。このまま順調に行けば錦野氏はタマモクロスの表彰台に立てたかもしれません。しかし、タマモクロスは続くジャパンC、有馬記念と1番人気に支持されながらも2着敗退。皮肉にも錦野氏は再び表彰台に立つこともなく、また競馬界で再浮上することもなかったように思います。これは98年の取材時にもやはり消息がつかめなかったことですし、当時は『優駿』のバックナンバーを所持しておらず、存在を知ることもできませんでした。
そういえば『みどりのマキバオー』も牧場借金のカタで母を連れ去られる話があり、マキバオーのモデルはタマモクロスではないかと言われたことがありましたが、作者つの丸氏は否定しているようです。
ということで、27年ぶりに執筆したタマモクロスはじめ計23頭のライバルを担当させていただきました。こういう形でオグリキャップのライバルにスポットを当てられることはいいことです。
そして最後のページの執筆陣は岐阜新聞「オグリの里」のコラムを書いている林秀行氏の名も。他に東京時代からお世話になっており、競馬・歴史関係で多数の著作物をもつ四條たか子先生も書いています(過去『優駿』を譲ってもらった方です)。そして僕のプロフィールでは「オグリキャップ最初の馬主・調教師、初勝利の騎手が郡上出身ということを改めて知る」としっかり郡上八幡のPRまでさせていただきました。なんとかオグリキャップ初勝利をもたらせた高橋(加藤)一成騎手についても別の媒体で発表できればと願っています。
以上です。オグリキャップと対戦した86頭をピックアップした1冊で、『ウマ娘』の人気で擬人化された過去の名馬たちを知るよい資料になり得るでしょう。A5判/160ページ/定価2310円(税込)です。お値段は少し張りますが、興味ある方はぜひお買い求めください。
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