「PHILOCOFFEA(フィロコフィア)」は、コーヒー抽出の世界大会「World Brewers Cup」でアジア人初の世界チャンピオンに輝いたバリスタ・粕谷 哲氏が運営するスペシャルティコーヒー専門店です。
“あらゆるところにコーヒーを届ける”を企業理念に掲げ、千葉・東京の実店舗をはじめECサイトや各地のイベントなどでコーヒーを販売しています。今回は、創業から現在まで約7年間にわたりカラーミーショップを利用し続ける同店に、現在までの軌跡と今後の展望についてお話を伺いました。
突然の病気をきっかけに出会ったコーヒーの世界
まずは粕谷さんの経歴を教えてください。
かつてはITコンサルタントとして働いていましたが、あるとき1型糖尿病を発症したことでコーヒーの世界にのめり込み、2013年に会社を辞めてバリスタになりました。その後、2016年の世界大会でチャンピオンになったことをきっかけに会社を立ち上げ、今に至ります。
もともとコーヒーはお好きでしたか。
いえ、全然。ただのカフェインとしてしか見てなかったし、コーヒー屋に行くこともありませんでしたね。
入院生活中、それまでの激務が嘘のように何もやることがなくなってしまって暇すぎたので、自分でコーヒーでも淹れてみようかなと思い立ちました。コーヒーなら糖質が含まれないから大丈夫だと。
病室でコーヒーを淹れていたんですね。
そうです。病院を抜け出して近くのコーヒー屋さんで道具一式買い揃えてきて、教わった通りに淹れてみたけどなかなかうまくいかなくて。でも、それが僕にとってはなんだかおもしろかったんですよね。何でも人並みくらいにはこなせると思ってたけど、コーヒーだけはなぜかうまくいかなかったんです。
そんな中、1型糖尿病は完治の難しい病気だと知り、「本当にこのままITコンサルを続けていいのか?」と将来を考えました。突然こんな病気になることもあるのだから何か好きなことをして生きていきたいと思い、会社をやめてバリスタに転身することを決めたんです。

登録者数15万人達成のYouTubeが売上成長を後押し
ECサイトでコーヒーを販売することはいつ頃から構想していましたか。
ECサイトは実店舗のオープン当初から立ち上げるつもりでいました。自分たちの商圏だけでは成り立たないだろうなと思っていたし、僕らの掲げる「あらゆるところにコーヒー体験を届ける」というミッションを実現するのにもEC展開は必須でしたね。
当時は、カラーミーショップと無料カートサービスのどちらを選ぶか迷いましたが、実際に触ってみて使い勝手のよさを感じたカラーミーショップを選びました。
ありがとうございます。当初の売上はどれくらいでしたか。
初年度は年間40万円くらいでした。今は1日でそれくらい売れるようになりましたね。
すごい売上成長ですね。
ここ3~4年の成長が特に著しいですね。
メディア露出やイベント出店を強化した影響もありますが、2022年春にYouTubeチャンネルを開設し、登録者数が15万人まで増えたことが要因としては非常に大きいと思います。
なぜYouTubeを始めようと?
メディアに発言を切り取られてしまうのが嫌で、自分自身がメディアとなって情報発信できる場がほしかったという事情もありますが、一番の目的はやはり露出を高めてPHILOCOFFEAの認知を広めることでした。
競技の最前線に立つバリスタが自ら発信するようなYouTubeチャンネルって実はまだ少ないので、ここでなら自分の経験と知識を活かせそうだと気付き、スタッフと僕の2名体制でまったく経験もないまま手探りで始めました。
2名体制なんですね! 撮影・編集クルーがたくさんいらっしゃるかと思って見ていました。
なかなか大変ですけど、2人だけで頑張ってやってます(笑)。
コーヒーの社会を幸せと感動で満たすために
現在、ECサイトと実店舗の売上比率はどれくらいでしょうか。
EC : 実店舗 = 1 : 2.2 ぐらいですね。店舗が4つあるぶん今は実店舗のほうが売上規模が大きいですが、将来的には1:1まで引き上げていくつもりです。
ECサイトと実店舗の接客で意識していることはありますか。
実店舗にはなかなか頻繁に足を運べない遠方のお客さまも多いので、「また飲みたい」と思っていただき、ECサイトにも訪れたくなるような接客を心がけています。
また、逆にECサイトでも購入体験を向上させることで、実店舗で得られるような満足を感じていただき、「いつか実店舗にも行ってみたい」と思ってもらえるような接客や表現に取り組んでいます。
リピーターを増やす施策は行っていますか。
「MakeRepeater」を利用して初回購入者へのフォローアップメールは配信していますが、ちょうどそのあたりを現状の課題と捉え、スタッフとも話をしているところです。
商品のおいしさを極めることで次につなげることを意識しつつも、まだまだ打てる施策はあると考えています。
今後、ECサイトで実現したい目標を教えてください。
売上規模としては、ここ2~3年以内に最低でも3億円以上をECサイト単体で叩き出せるようにしたいです。
また、そのための準備の一環として焙煎所の移設準備を進めており、現状の4倍以上もの広いスペースを確保できるので、これまでとは全く違ったスピード感で事業を加速させていくつもりです。
「PHILOCOFFEA」としての今後の展望はいかがでしょうか。
僕らは「日本で一番のコーヒー屋になる」という目標を常に掲げています。
売上規模で言えば将来的には50億円以上を目指していくつもりですし、日本国内にとどまらず海外進出も視野に、世界に向けたアプローチ方法を考えています。
僕らの見据えるビジョンは、コーヒーの社会を幸せと感動で満たすこと。生産者と消費者、そして僕ら自身、この三者がより豊かになれる未来だけを目指して、今後の事業活動に集中していきます。
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