さちゅりこん2――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

天の潜伏

舜相堯,二十有八載,非人之所能爲也,天也。堯崩,三年之喪畢,舜避堯之子於南河之南。天下諸侯朝覲者,不之堯之子而之舜;訟獄者,不之堯之子而之舜;謳歌者,不謳歌堯之子而謳歌舜;故曰『天』也。夫然後之中國,踐天子位焉。而居堯之宮,逼堯之子,是『…

つもりと実証

スマートフォンで一生懸命、スパゲッティや肉が料理される様をずっとみているひとがいたんで、細に聞いてみたら、いまそういう動画が一部ではやってるらしいよと聞き、遊んだつもり喰ったつもりの経験について沈思黙考した。 考えてみると、この「つもり」に…

大孝と遺伝子

帝使其子九男二女,百官牛羊倉廩備,以事舜於畎畝之中。天下之士多就之者,帝將胥天下而遷之焉。爲不順於父母,如窮人無所歸。天下之士悅之,人之所欲也,而不足以解憂。好色,人之所欲;妻帝之二女,而不足以解憂。富,人之所欲;富有天下,而不足以解憂。…

雑草たちの師弟関係

逢蒙學射於羿。盡羿之道、思天下惟羿為愈己。於是殺羿。孟子曰、是亦羿有罪焉。公明儀曰、宜若無罪焉。曰、薄乎云爾。惡得無罪。鄭人使子濯孺子侵衛。衛使庾公之斯追之。子濯孺子曰、今日我疾作、不可以執弓。吾死矣夫。問其僕曰、追我者誰也。其僕曰、庾公…

鉄塔

どうして、つれていくというのかね。それには、すばらしい武器があるんだ。あんたは、今から二週間ほどまえ、銀座にあらわれた、でっかいカブトムシのことを、知ってるだろう。あれが、鉄塔王国のまもり神だ。あれは、カブトムシの戦車だよ。ピストルのたま…

孟子曰、君子之澤、五世而斬、小人之澤、五世而斬。予未得爲孔子徒也。予私淑諸人也。 君子の徳の影響は五世で絶えるという。五世というのがどこはかとなくリアルである。しかし、そもそも徳の影響とはいっても、何がどのような状態で観察されたときなのかわ…

煙を吐かぬ

「……ね……そうして不良少年らしい顔立ちのいい少年を往来で見付けると、お湯に入れて、頭を苅らして、着物を着せて、ここへ連れて来るのが楽しみで楽しみで仕様がなくなったの……もっとも最初のうちは爪だけ貰うつもりで連れて来たんですけどね。そのうちに少…

水哉水哉

徐子曰、仲尼亟稱於水曰、水哉水哉、何取於水也、孟子曰、源泉混混、不舎晝夜、盈科而後進、放乎四海、有本者如是、是之取爾、苟爲無本、七八月之閒雨集、溝澮皆盈、其涸也可立而待也、故聲聞過情、君子恥之。 孔子は「水なるかな、水なるかな」と言っていた…

文人の韜晦

たいした事はないんだ。むかし日本の人に、キリストの精神を教えてくれたのは、欧米の人たちであるが、今では、別段彼等から教えてもらう必要も無い。「神学」としての歴史的地理的な研究は、まだまだ日本は、外国に及ばないようであるが、キリスト精神への…

不孝

孟子曰、不孝有三、無後爲大、舜不告而娶、爲無後也、君子以爲猶告也。 不孝には三種類ある。なかで子孫を絶やすのが一番大である。舜が親に報告せずに娶ったのは(報告すると反対されるから)子孫が絶えるからだ。君子は報告したのと変わらないとみなすので…

人之患、在好爲人師

孟子曰、人之患、在好爲人師。 人の病は、人の師となりたがるところにある。これは一般論としてはその通りかも知れず、もう少し知られてもよいもんだ。例えば、生徒が生徒同士で教え合っている様を観察すると、場合によっては、いじめの主犯格を見出すことが…

溺れる者に道はいらぬのか?

淳于髠曰、男女授受不親、禮與、孟子曰、禮也、曰、嫂溺則援之以手乎、曰嫂溺不援、是豺狼也、男女授受不親、禮也、嫂溺援之以手者、權也、曰、今天下溺矣、夫子之不援、何也、曰、天下溺援之以道、嫂溺援之以手、子欲于援天下乎。 民衆が苦しんでいるのにあ…

道は空想的に近くにあり

道在爾而求諸遠。事在易而求諸難。人人親其親、長其長而天下平。 道はちかいところにあるのに、かえって遠くを求めることがある。親を愛し、年長者を尊敬すれば天下太平になりますっ。 はたして、その近い道というものを、親や年長者に対する尊重であると解…

カラスとすずめ

「あれは鉄砲だよ。近寄ると、ズドンといって、みんな殺されてしまうのだよ。」と、親すずめは子すずめにいいきかせました。 ところが、いつかの物忘れのからすがやってきて、かがしの上に止まりました。 「どうしたのだろうな。」と、おじいさんが、頸をか…

夜燈

わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です (あらゆる透明な幽霊の複合体) 風景やみんなといつしよに せはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける 因果交流電燈の ひとつの青い照明です (ひかりはたもち そ…

反省・謝罪・夜明け前

孟子曰、愛人不親、反其仁、治人不治、反其智、禮人不答、反其敬、行有不得者、皆反求諸己、其身正而天下歸之、詩云永言配命、自求多福、 じぶんが人を愛しているのに相手がそうしてくれない場合は自分の仁の不足を疑え、人を治めてうまくいかなければ自分の…

欺瞞的授業再開阻止

世衰道微、邪說暴行有作。臣弒其君者有之。子弒其父者有之。孔子懼、作春秋。春秋天子之事也。是故孔子曰、知我者其惟春秋乎。罪我者其惟春秋乎。聖王不作、諸侯放恣。處士橫議、楊朱墨翟之言盈天下。天下之言、不歸楊、則歸墨。楊氏為我、是無君也。墨氏兼…

ニワトリ泥棒と君主と

戴盈之曰、什一、去關市之征、今茲未能、請輕之、以待來年、然後已、如何、孟子曰、今、有人日攘其鄰之雞者、或告之曰、是非君子之道、曰、請損之、月攘一雞、以待來年、然後已、如知其非義、斯速已矣、何待來年。 ニワトリ泥棒にそもそも「君のやってること…

動機と理由

從許子之道、則市賈不貳、國中無偽。雖使五尺之童適市、莫之或欺。布帛長短同、則賈相若。麻縷絲絮輕重同、則賈相若。五穀多寡同、則賈相若。屨大小同、則賈相若。」曰、「夫物之不齊、物之情也。或相倍蓰、或相什伯、或相千萬。子比而同之、是亂天下也。巨…

今日ものんびり生きていこう

孟子曰:「然。夫時子惡知其不可也?如使予欲富,辭十萬而受萬,是爲欲富乎?季孫曰:『異哉子叔疑!使己爲政,不用,則亦已矣,又使其子弟爲卿。人亦孰不欲富貴?而獨於富貴之中有私龍斷焉。』古之爲市也,以其所有易其所無者,有司者治之耳。有賤丈夫焉,…

駅で待つこと

いったい、私は、誰を待っているのだろう。はっきりした形のものは何もない。ただ、もやもやしている。けれども、私は待っている。大戦争がはじまってからは、毎日、毎日、お買い物の帰りには駅に立ち寄り、この冷いベンチに腰をかけて、待っている。誰か、…

率直無垢な言葉と精神

松戸与三はセメントあけをやっていた。外の部分は大して目立たなかったけれど、頭の毛と、鼻の下は、セメントで灰色に蔽われていた。彼は鼻の穴に指を突っ込んで、鉄筋コンクリートのように、鼻毛をしゃちこばらせている、コンクリートを除りたかったのだが…

手すり

「おい地獄さ行ぐんだで!」 二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。――漁夫は指元まで吸いつくした煙草を唾と一緒に捨てた。巻煙草はおどけたように、色々にひっくりかえって、高い船…

先駆的がんばり

「いや、いや、お前ひとりでは解決できない。まさか、お前、死ぬ気じゃないだろうな。実に、心配になって来た。女に惚れられて、死ぬというのは、これは悲劇じゃない、喜劇だ。いや、ファース(茶番)というものだ。滑稽の極だね。誰も同情しやしない。死ぬ…

死ぬ気で依存的な

孟子之平陸、謂其大夫曰、子之持戟之士、一日而三失伍、則去之否乎、曰、不待三、然則子之失伍也、亦多矣、凶年飢歳、子之民、老羸轉於溝壑、壯者散而之四方者幾千人矣、曰、此非距心之所得爲也、曰、今有受人之牛羊而爲之牧之者、則必爲之來牧與芻矣、來牧…

史上最強 不死の空海

支那で現在傳はつて居る本と云ふと、宋の時に矢張り坊さんでありまして、冷齋夜話、是は能く人が知つて居る本でありますが、其の本を書いた坊さんがあります。それは洪覺範と云ふ坊さんで、其の人の書きました天廚禁臠と云ふ本がある。是も餘り人の見ない本…

人の和、野獣の群れ

天時不如地利。地利不如人和。三里之城、七里之郭、環而攻之而不勝。夫環而攻之、必有得天時者矣。然而不勝者、是天時不如地利也。城非不高也。 池非不深也。兵革非不堅利也。米粟非不多也。委而去之、是地利不如人和也。 孟子は、戦争の時には、天の時や地…

職業人の仁とAI

孟子曰:「矢人豈不仁於函人哉?矢人惟恐不傷人,函人惟恐傷人。巫匠亦然。故術不可不愼也。孔子曰:『里仁爲美。擇不處仁,焉得智?』夫仁,天之尊爵也,人之安宅也。莫之御而不仁,是不智也。不仁不智,無禮無義,人役也。人役而恥爲役,由弓人而恥爲弓、…

石清尾八幡宮の市立祭を訪ねる(香川の神社109-9)

石清尾八幡の市立祭である。 わたしは木曽の水無神社に頼みごとに行ったりして育ったけど、あの神社は神木のような巨大樹の中に埋没している神社なので、それが防風林になり案外風の音が聞こえない。ここの石清尾八幡は山体に沿って剥き出しになっている。だ…

暴君を×せ

齊宣王問曰。「湯放桀、武王伐紂、有諸。」孟子對曰。「於傳有之。」曰。「臣弒其君可乎。」曰。「賊仁者謂之賊、賊義者謂之殘、殘賊之人謂之一夫。聞誅一夫紂矣、未聞弒君也。」 殷の湯王が夏の桀王を追い出し、周の武王が殷の紂王を征伐したというが本当か…