先月のくじゅう以来、山に出かけることができませんでしたが、久しぶりに脊振山麓をうろうろと歩き回ってきました

椎原川上流の沢
今年は梅雨が短くて、暑い時期が長くなりそうですね。
まずは涼しい沢の風景を
ところで、梅雨は明けましたが、今年の梅雨明けは時季の早さ以外に(まあ、それも関係するのですが)例年と雰囲気が違うことに気がつきました。
毎日晴天続き、早朝からの日差しで目が覚めますが、梅雨明けから騒ぎ始める「うるさいやつ」が今年はまだ姿を現しません。
そう、セミです。
多分例年の梅雨明け時季である7月半ばまでは、まだ地中に潜んでいるんでしょうね。
天気には左右されない、律儀な生態です。
さらにいうと、毎日猛暑が続きますが、稜線の風は例年の夏(梅雨明け以降)より涼しく感じます。
北風が強めだったようです。
森

メタセコイア(ヒノキ科)の森
夏のメタセコイアの森は、いつもにも増して「ジュラシック感」が満載です。
小型の恐竜か1m以上もあるトンボが飛んできそうな雰囲気。

アカガシ(ブナ科)の森
脊振山から金山周辺にかけて、ブナ林やシデ類等落葉樹林に混じってアカガシの森が広がっています。
ブナ科の常緑樹の中では最も標高の高い場所に生息するカシです。
蝶の専門家の間では「キリシマミドリシジミ」の生息地として有名です。
幼虫が主にアカガシの若芽を食草としているそうです。
虫・小動物
沢沿いや林道沿いでカワトンボを2種見かけました。

ミヤマカワトンボ

アサヒナカワトンボ
上の2種はよく似ていますが、翅に黒い帯があるのがミヤマカワトンボ、翅全体が濃い茶色なのがアサヒナカワトンボ…多分。
ただ、アサヒナカワトンボは、地域によって透明な翅、薄い色の翅など様々です。
この他にも、これらによく似たニホンカワトンボも脊振周辺でよく見かけます。
久しぶりに会えました

サカハチチョウ
サカハチチョウです。
昔は親しみを込めて「さかはっちゃん」と呼んでいました。
これは夏型の個体で、春型より翅のオレンジ色が少ないので、一見イチモンジチョウと見間違えます。
春型は、オレンジが強くて見た目が全然違います。
この子もどこかで戦ってきたのか、上翅、下翅の一部が少し欠けています。

ミドリヒョウモン
稜線のササヤブにミドリヒョウモンがいました。
同じくタテハチョウの仲間ですが、このヒョウモンチョウの仲間は、翅の表の模様がどれもよく似ていて、下翅の裏の模様にそれぞれ特徴が見られます。
なので、われわれちょうちょの素人では表の写真だけで「これなんでしょう?」と訊かれてもわからないことが多いですね。

ツマグロバッタ
同じくササ原にツマグロバッタがいました。
後ろ脚の関節のあたりが黒いのでわかりやすいですね。

ブチサンショウウオ
非常にわかりにくいですが、ブチサンショウウオ。
今年も元気に生まれたようです。
本当にちょっと環境が変わると絶滅しそうなほどはかない生き物です。
花
今、標高が高い沢沿いではヤマアジサイが花盛りです。

ヤマアジサイ(アジサイ科)

受粉の終わったヤマアジサイ
周辺にある花びらのようなものは花ではなく「装飾花」と呼ばれ萼片が変化したものだそうです。
真ん中の地味な花では、虫が来てくれないので装飾花が看板代わりなのでしょう。
…で、受粉が終わると下の画像のように装飾花が下を向いてしまします。
面白いですね。

オカトラノオ(サクラソウ科)
「トラノオ」と名のつく花の中で一番「虎の尾」らしい姿の花がオカトラノオです
…多分
まだ、これから花が咲きそうですね。
これも夏の花です。

テリハアカショウマ(ユキノシタ科)
これは…とくに思い入れはないのですが、似たような花が多くて、判別に苦労します。
地方によって変異も多いようです。
これは、テリハアカショウマで間違いないと思います…多分(苦笑)

コケイランモドキ(ラン科)
これも福岡県のRDBで絶滅危惧ⅠB類となっています。
減少している原因は、イノシシによる食害、盗掘などだそうです。


バイケイソウ(シュロソウ科)
バイケイソウも福岡県では絶滅危惧Ⅱ類となっています。
原因は「遷移進行」となっていますので、周辺環境の変化でしょうか。
ただ、大きく見れば温暖化の影響等も出てくるかもしれませんね。
今の時期はもう花も終わりかけています。
元気な姿は、前回のくじゅうの記事に載せていますので、ご覧ください。

トチバニンジン(ウコギ科)
トチバニンジンは、花よりこの後の赤い実が放射状につく姿が目立つし、面白いですね。
薬草にもなるそうです。

オニコナスビ(サクラソウ科)のつぼみ
いつもの場所ではありませんが、オニコナスビのつぼみが出ていました。
いつもの場所は、つぼみが見つからなかったことと、イノシシか踏み荒らしか、少し数が減っているように思いました。
これも絶滅危惧ⅠB類となっていて、環境相の評価でも同じです。
原因は、やはり「遷移進行」と「踏みつけ」になっています。
もうすぐ花の季節ですが、写真撮影などの際の踏みつけには十分注意してください。
おそらく、全国的にも脊振近辺にしか残っていない可能性があります。
大事にしましょう。
最後に面白いものを見つけました。

アカガシ(ブナ科)とコハウチワカエデ(ムクロジ科)
18禁です(笑)
アカガシとコハウチワカエデが濃厚に抱き合っていました。
…いや、実は戦っているのかもしれませんね。
ということで、今回は平地で35度近くまで気温が上がった日曜日でしたが、稜線は28度くらいの涼しい…いや、やっぱり暑かった。
次は沢歩きがしたいなあ・・・
2025年7月6日山行
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