しろ鹿 脊振の山散歩

かけだし森林インストラクターのぶらぶら山散歩

謹賀新年…と2025年秋の振り返り

あけましておめでとうございます。

すっかりご無沙汰で…

昨年10月から12月は特に森林インストラクターの仕事で小学校の行事が多くて、ほとんど山に出かけられませんでしたが、一般の方と金山へ紅葉ハイキングをしたり、ちょこちょことネタはなきにしもあらず…

ということで、新年早々ですが昨年秋の山の風景を振り返ろうかと思います。

脊振山系金山の紅葉

昨年は夏が長かったので、秋の花々も少し遅かったように思います。

キツリフネ(ツリフネソウ科)

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

 

サイヨウシャジン(キキョウ科)

今年はあまり鮮やかな紫の花に出会えませんでしたが、10月末頃まで長く花が見られました。

 

秋はキンポウゲの仲間の花がたくさん

レイジンソウ(キンポウゲ科)

タンナトリカブト(キンポウゲ科)

レイジンソウとトリカブトはよく似た形をしていますね。

レイジンソウは、「伶人」が名前の由来でこれは舞楽を演奏する人のこと。

その伶人がかぶる冠に花が似ているので「レイジンソウ」

トリカブトはその冠そのものの名前「鳥兜」

ほぼ同じ由来と考えていいんでしょうね。

日当たりのいいところに咲いているものは鮮やかな紫色になりますが、なかなかきれいな紫の花には出会えません。

 

サラシナショウマ(キンポウゲ科)

こちらは同じキンポウゲ科でも全く花姿が違うサラシナショウマ。

まるでコップ洗いのブラシのようです。

 

消えたと思っていたツチアケビの実を見つけました。

ツチアケビ(ラン科)

良かった。

なんとか元気に咲き続けてほしいものです。

花は地味なんですが、実が目立つので…

 

森の風景

石灰岩が積み重なる森

ケヤキの森

ブナの森

クモの巣に雨だれのビーズ

紅葉

コハウチワカエデ(ムクロジ科)の紅葉

もみじのじゅうたん

沢沿いで見られたカエデ類
ウリハダカエデ(左)イタヤカエデ(上)イロハモミジ(真ん中)カジカエデ(右)

脊振山地では、数種類のカエデの仲間が見られます。

この日見かけたのは、コハウチワカエデ、ウリハダカエデ、イロハモミジ、カジカエデ、イタヤカエデ…

他に同じカエデの仲間(ムクロジ科)では、コミネカエデ、チドリノキも見られます。

他に紅葉が美しい樹木は、ヤマハゼ、シラキ、ドウダン(ベニドウダン・シロドウダン)…黄色はシロモジがよく目立ちますね。

 

では、皆様本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2026年1月

 

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初秋…いや、残暑の四王寺山へ

豊前市での予定が延期となったので、久しぶりに四王寺山の散策に出かけました。

焼き米ヶ原の土塁上から筑紫平野を望む

真夏のような空に栗の実

わずかに秋の気配があるものの、まだまだ猛暑が続いています。

それでも、山ではほんの少し涼しい風が吹いていました。

 

以前は濁っていた池がすっかり澄みきって、水草が茂ったきれいな池になっていました。

大雨の影響などで、水が入れ替わったのでしょうか?

水が浄化されたような池

 

池の周りや湿地で何種類かの赤とんぼが見られます。

マユタテアカネ

ネキトンボ

リスアカネのつがい

リスアカネはつがいで飛びながら水辺に卵を産み付けています。

 

 

オオアメンボ

池にオオアメンボがたくさんいます。

2001年には福岡県のレッドデータブックに絶滅危惧Ⅱ類に指定されていたようですが、2024年版には記載されていないようです。

少し増えているのかな?

でも、あまり見かけませんよね。

 

これは2024年のレッドデータでも絶滅危惧Ⅱ類になっていますね。

トノサマガエル

昔は田んぼにたくさんいたと思うんですが、すっかり見かけなくなりました。

四王寺山にはたくさんいます。

 

ニホントカゲ

四王寺山ではトカゲの仲間のカナヘビをたくさん見かけますが、ニホントカゲにもよく出会います。

しっぽが青く目立つのは、外敵から襲われたときにしっぽを切って、その目立つしっぽがくねくねと動き回るので、そちらに気をそらせて本体は逃げるという作戦だそうです。

生存戦略ですね。

 

クモがバッタをおいしくいただこうとしています

 

ツクツクボウシ

やっぱり秋が近づいてます。

ツクツクボウシがたくさん鳴いています。

でも、例年なら8月末には鳴き始めるんですけどねえ

 

湿地の近くでヒョウモンチョウが吸水していました。

ミドリヒョウモン

ミドリヒョウモンのようです。

ヒョウモンチョウの仲間は表の模様ではなかなか見分けがつきにくいです。

裏面の模様の方が判断しやすいですね。

 

カツラの葉が甘い香りを漂わせています

秋の花も咲き始めていますね

ママコナ(ハマウツボ科)

 

ヤマジノホトトギス(ユリ科)

ここにきてやっとヤマホトトギスとヤマジノホトトギスの違いがはっきり判りました。

どうやら、今まで私が脊振山地で見てきたものはほとんどヤマホトトギスのようです。

花弁の反り方が違うのはわかったいましたが、ヤマジの実物を見ると花弁の形も明らかに違いますし、花の中央の花柱に赤の斑点の有無でもわかります。

あー、すっきりした。

 

ヤブラン(キジカクシ科)

ヤブランも花盛りです。

 

四王寺山は水辺がたくさんあって、たくさんの種類のトンボがいます。

他にもカワトンボの仲間、もちろんオニヤンマやギンヤンマ…

どれくらいの種類がいるのか、一度しっかり調べてみたいと思います。

 

ということで、今回は脊振山地ではなく四王寺山でした。

 

2025年9月23日散策

 

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初秋の花を求めて井原山へ

まだまだ残暑が厳しくて、秋の気配も感じられませんが、山では秋の準備が始まっているはず

で、初秋の花を求めて井原山へ

水無渓谷のケヤキと石灰岩の森

 

沢のほとりにオタカラコウが咲いています

オタカラコウ(キク科)

 

水無鍾乳洞近くにはキツリフネが群生しています

キツリフネ(ツリフネソウ科)

まだつぼみの株も沢山ありました。

いつみても面白い花ですよね。

花の上を茎でつられていますが、ここに萼片があります。

 

次は元祖ツリフネソウ

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

やっぱり、色合いからすると黄色の方が好きです

 

次は今日のお目当てのひとつです

スズムシバナ(キツネノマゴ科)

2011年の福岡県のレッドデータでは絶滅危惧ⅠA類でしたが、2024年には準絶滅危惧になりました。

生息地はあまり増えていないようですが、群生して数自体は増えているようです。

井原山でも毎年花を咲かせてくれます。

 

これもスズムシバナと同じキツネノマゴ科の花

ハグロソウ(キツネノマゴ科)

沢沿いにたくさん咲いています。

何となく、The Rolling Stonesのロゴマークに似ているような…

 

ヤブランはよく見かけますね

ヤブラン(キジカクシ科)

 

次のセリ科の花たちは、なかなか名前が覚えにくい

ヒカゲミツバ(セリ科)…かな?

花や葉っぱの様子からヒカゲミツバかと思います。

 

林道沿いにはカワミドリが咲き始めていますね

カワミドリ(シソ科)

カワミドリはシソ科

葉っぱをちぎると、独特の香りがします

ハーブの仲間はシソ科の植物が多いので、どれも香りがします

 

次も今日のお目当ての花

アケボノシュスラン(ラン科)

アケボノシュスラン。

今年もたくさん花をつけてくれました。

金山でも先日の沢登の時に、大きな岩にびっしりついているのを見つけました。

 

植物以外の生き物も少し

カナヘビの赤ちゃん…まだ頭が大きめでかわいい

オオキイロマルノミハムシ…かな?

ノブドウの葉っぱの上にいました。

調べてみると、オオキイロマルノミハムシのようです。

ハムシの仲間もたくさんの種類がいます。

 

ついでに、先月末に金山で見つけたものもここにあげておきます

ミヤマカワトンボ

ツチアケビ(ラン科)の実

ツチアケビはランの仲間ですが、腐生植物で葉緑体を持たず、したがって光合成をしないので、地中のナラタケの菌から栄養をもらって生きています。

それなのにこの立派な実。

なんだかおもしろい植物です。

 

今日の井原山は終日雲の中で、途中から激しい雨と雷鳴が響いていたので、お目当ての花の写真を撮った後は山頂へは向かわずそそくさと下山しました。

山頂のホソバノヤマハハコやセンブリも気になったんですが…

まあ、また出かけてみましょう。

 

2025年9月13日山行

 

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鬼ヶ鼻岩、金山の沢登り、そして四王寺山…最近の山いろいろ

先週は金山・滝川谷(花乱の滝上流)で沢登り

今週は山歩きを…しかし、寝坊。

ということで、鬼ヶ鼻岩直登ルートへ…花を探しに出かけました。

鬼ヶ鼻岩から脊振山を望む

予報は晴天なのに稜線には厚い雲が

 

鬼ヶ鼻岩直登ルートの滝

鬼ヶ鼻の岩壁

鬼ヶ鼻岩直登ルートは距離が短いものの、急登の連続でなかなか登りごたえがあります。

 

スギ林の中にはヌスビトハギが咲いていました。

ヌスビトハギ(マメ科)

ヌスビトハギ…なんかかわいそうな名前を付けられてます。

種の形が泥棒の足跡に似てるとか…諸説ありますが。

 

 

トチバニンジン(ウコギ科)

トチバニンジンは赤い実がついていますが、ほとんど落ちて、2個だけついている姿が、何か他の生き物のような

葉っぱの形がトチノキの葉に似ているので「栃葉人参」

 

今日の目的の一つ…

ジンバイソウ(ラン科)

咲いてた、咲いてた…ジンバイソウ。

面白い花ですよね。

ランの仲間です。

あとは、同じラン科のミヤマウズラを探しましたが、見つかりません。

 

ホトトギスの仲間も咲き始めていますね

ヤマホトトギス(ユリ科)

ヤマホトトギスですが、脊振山地では他にヤマジノホトトギス、ムカゴホトトギスなどが見られるそうです。

ヤマジノホトトギスは、花弁が反らないのが一番の特徴ですが、なかなか判別は難しいです。

ムカゴホトトギスは、「ヤマ」の変種で、脊振山地の佐賀県側(南側)に多いそうです。

まだ見たことがないなあ…見ても気付いていないのかも。

 

モミジガサの花…

モミジガサ(キク科)

いつもは「咲いてるなあ…」で写真を撮ることもないのですが、ちょっと撮ってみました。

コウモリソウの仲間なので、花もコウモリソウに似ていますね。

と言っても、私はコウモリソウは九重で見たことしかありませんが。

 

 

マツカゼソウ(ミカン科)

マツカゼソウも咲き始めていますね。

なんか涼しげな名前と、かわいらしい花がいいですね。

ミカン科なので、葉っぱをちぎってにおいをかぐと柑橘の香りがします。

これはシカが嫌うにおいだそうで、シカは食べないそうです。

しろ鹿はこの花好きです。

 

林道のコアカソの葉っぱにサカハチチョウがとまっていました。

サカハチチョウ♀

メスのようです。

オスに比べると、少し色合いが地味です。

 

これは、前の週の沢登りの時に見つけたカミキリムシ。

ホシベニカミキリ

調べたらホシベニカミキリのようです

どちらかというと南方系の昆虫だそうです。

初めて見たなあ

 

白いマツタケ…?

フクロツルタケ…かな?

いやいや、調べてみると壺やカサの感じから、テングタケの仲間で猛毒のフクロツルタケのようです。

そういわれればヤバそうな姿です。

 

もう一つキノコ

サンコタケ

毒はないようですが、ひどいにおいがするそうです。

においをかいだことはないけど…

三鈷という仏具に似ているからサンコタケ…らしい

三本の腕は上の方でつながってるはずなんですが…もう枯れかけてるのかな?

 

結局、お目当てのひとつミヤマウズラには出会えせんでしたが、翌日四王寺山で会えました

ミヤマウズラ(ラン科)

これは、四王寺山のミヤマウズラ。

小さなかわいいらしいランの花

 

それから、前の週は、その2週間ほど前に知り合った方のお誘いで沢登を楽しんできました。

滝川谷の沢

金山・滝川谷ルートの登山口付近から入渓し、2時間ほど沢を遡行

暑いさなかの沢登は最高でした!

このルートの沢歩きも初めてだったのですが、本当に素晴らしい沢でした。

今年は暑いので、10月ごろまで沢を楽しめそう!

 

2025年8月31日金山滝川谷

2025年9月6日鬼ヶ鼻岩山行

 

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真夏の車谷へ

毎年この時季は、脊振・車谷のキツネノカミソリ(オオキツネノカミソリ)が気になって…

今年も出かけてみました。

椎原峠

車谷の沢

毎年、時季になると下の方にもポツポツとキツネノカミソリの花が見られるのですが、今年はあまり気配を感じません。

 

上の林道から急登を登って沢を渡った先の一角だけ花が咲いていました。

オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)

昨年は8月10日頃に見頃だったので、まだ少し早いんでしょうね。

ただ、なぜかこの一角だけ…

他につぼみは少しだけ見ましたが、他の場所にはほとんど咲いていません。

もしかすると、今年は花が少し遅いのかも

 

オニコナスビは7月後半が盛りなので、もう終わりかな?

オニコナスビ(サクラソウ科)

1輪だけ花が咲いていました。

葉っぱもたくさんあるので、すぐに消えてしまう感じではありません。

ただ、やはり踏み荒らしがひどいように思います。

以前は踏み跡がなかった奥の方にまで踏み跡が…

現在は九州でしか見られない種で、福岡、佐賀、熊本の各県と環境省のレッドデータブックでも絶滅危惧種とされています。

みんなで大切にしましょう。

 

他にも花やら実やら…

トチバニンジン(ウコギ科)の実

トチバニンジンは、たくさんの実をつけて頭が重そう

 

稜線では、ゴマキの赤い実が

ゴマキ(ガマズミ科)の実

葉っぱをちぎると、ごまの香ばしい香りが…

 

夏は白い花も多くて、青い空に映えます

ノリウツギ(アジサイ科)

ノリウツギの花にハナムグリがたくさん来ていました。

 

リョウブ(リョウブ科)

リョウブも花盛り。

 

ササ原にコオニユリ

コオニユリ(ユリ科)※画像をクリックすると大きい画像になります

 オニユリに似ていますが、葉っぱの付け根にムカゴがついていないので、これはコオニユリです。

 

夏は生き物たちも元気です

クモの巣

定置網ですね。

 

 

コチャバネセセリ(多分)

 

ヤマキマダラヒカゲ

稜線のササ原ではヒカゲチョウの仲間が多く見られます。

これは、多分ヤマキマダラヒカゲ。

よく似たサトキマダラヒカゲという蝶もいますが、翅の模様の違いも微妙で、よくわかりません。

山にいたのでヤマキマダラヒカゲ…ということで(苦笑)

 

 

ヒメスジコガネ(多分)

一見アオドウガネかと思いましたが、光沢やら全体の感じから、ヒメスジコガネかな?

 

稜線の落葉樹の森ではエゾゼミの大合唱

エゾセミ

鳴いているエゾゼミに近づくと、鳴き止むのもいますが、鳴きながらゆっくりと木の裏側へ隠れたり、木の上の方へ逃げていったりします。

急に驚かすと、ポタッと落ちたりするそうですが、まだそのシーンは見たことがありません。

 

沢沿いにも生き物たち

タゴガエル(※クリックで大きい画像へ)

カメラを近づけても、堂々と石の上に座っています。

タゴガエルです。

上流の沢では、岩の間から「ぐえっ、ぐえっ」と声が聞こえてくることもあります。

 

ブチサンショウウオ(※クリックで大きい画像へ)

ブチサンショウウオたちも水が少なくなった沢の中でなんとか生きていてくれました。

成体になるとなかなか出会えることがないですが、幼生の方がやっぱりかわいいかな。

 

今回は、なかなかの暑さの中、寝不足やら体調も十分でなかったせいか、途中で軽く熱中症になったようで、そそくさと下山しました。

皆様、猛暑が続きます、お体には気をつけて。

 

2,025年8月2日山行

 

それから、毎回リンクを張っています「ふくおか森林インストラクター会」のHPですが、この度もう少しコンテンツを充実させようということで、「ふくおかの森へ」というページをつくりました。

ここでは、遠い山に出かけなくても気軽に出かけて、森林浴を楽しんだり、豊かな自然を感じることができる、街中にある、または街に近い森を紹介します。

是非ご覧いただいて、近場の森に出かけてみてください。

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井原山は雲の中・水無渓谷散策

晴天の予報でしたが、糸島平野から望む井原山の稜線は雲の中。

かえって涼しそうな気もするので、水無渓谷から山頂を目指しました。

稜線の森は霧の中

水無谷には石灰岩の層があり、水無鍾乳洞があります。

鍾乳洞の下の入口(第1洞口)から10mほど中まで歩いて入ることができましたが、20年ほど前に事故があって現在は立入り禁止となっています。

 

石灰岩の斜面

 水無鍾乳洞の第2洞口から少し進むと石灰岩がごろごろと積み上がったような斜面があり、夏場には岩の隙間から冷たい風が吹く出してくることもあります。

この辺りは岩も木々もコケに覆いつくされて、全面緑色。

大きな石灰岩をカヤの木が支えています

今にも転げ落ちてきそうな大きな石灰岩が、カヤの木にのしかかっています。

気付かないといいんですが、知ってしまうと下を通るときちょっと怖い。

 

少し標高が上がると霧が出てきて、森の景色も幻想的になってきます。

ケヤキの森もうっすら霞んで

ガスがたち込めた水無谷奥のスギ林

樹木と花

鍾乳洞第2洞口付近の分岐に大きなカヤの木があります。

大きなカヤ(イチイ科)の木

まるで分岐の目印のようです。

木全体がコケとマメヅタにおおわれています。

 

沢沿いから稜線のあちこちにハンカイソウの黄色い花が見られます。

ハンカイソウ(キク科)

ハンカイソウは大きな草花で、そのたくましい姿から、漢の高祖劉邦の臣下で勇猛な武人「樊 噲(はんかい)」に因むそうです。

大きくて立派な姿ですが、花はきれいです。

 

先週脊振方面でも咲いていた花たち

今週、井原山でも

ヤマアジサイ(アジサイ科)

オカトラノオ(サクラソウ科)

稜線ではオトギリソウも咲き始めています。

オトギリソウ(オトギリソウ科)

漢字で書くと「弟切草」

鷹飼の兄弟が、この草花を秘伝の薬草として秘密にしていたのですが、弟がこれを他人に漏らしてしまい、怒った兄が弟を切り殺してしまったという伝説にちなんだ名前だそうです。

実際に薬草として使われるそうです。

肉眼では見えにくいのですが、花弁や萼片に黒い油点がついていて、これが弟を切った時の血しぶきの跡と言われています。

こんなかわいらしい花ですが、壮絶なエピソードが…

 

薬草と言えば

イチヤクソウ(ツツジ科)

イチヤクソウの花はもう終わっていました。

これも薬草です。

6月に清楚な白い花を下向きにつけます。

今年は見られなかった。

 

ツチアケビ(ラン科)

ツチアケビの花はもう終わりかけていましたが、きれいに咲いているものもあります。

ツチアケビは、見ての通り緑色の部分がなく、自分で光合成をせずナラタケというキノコの菌糸を通して他の樹木の根から栄養をもらって生きています。

ラン科の植物はそれぞれキノコの仲間の菌と共生していますが、多くの種は自分でも光合成をおこなって栄養を作り出しています。

ツチアケビは不思議な姿ですが、花をよく見るとやっぱりランの花ですね。

 

尾根道でヤブコウジの花が咲いています。

ヤブコウジ(サクラソウ科)の花

秋の赤い実が目立ちますが、花もかわいらしいですね。

 

花ではありませんが、サルトリイバラの実がブドウのようです。

サルトリイバラ(サルトリイバラ科)の実

実は秋に赤くなって、一応食べられるそうですが、おいしいかどうかは…?

クリスマスリースに使われることが多いですね。

あと、葉っぱは「がめの葉」とも呼ばれ、かしわもちのようにあんこ餅を包むのに使われることもあります。

 

キツリフネ(ツリフネソウ科)の群落

花はまだまだですが、登山口付近にキツリフネの群落ができています。

つぼみも付いていたので、秋が楽しみですね。

 

虫たち

いろんな虫たちにも出会いました。

アオスジカミキリ

キボシアオゴミムシ

ちょうちょたちも

ベニシジミ
ツマグロヒョウモン(♂左、♀右)

ツマグロヒョウモンはオス、メス両方いました。

右側はメスですが、少し色も褪せていて翅もぼろぼろ。

オスはまだ羽化してあまり経っていないのか、翅もきれいです。

 

クロアゲハ…多分

ササ原の少し遠くにとまっていたアゲハチョウ。
多分クロアゲハのメスだと思います。

 

キアゲハ

ヤマツツジの花にキアゲハが吸蜜にきてました。

この子も翅はきれいですね。


山頂では、眺望はまあまあでしたが、にぎやかなグループが登ってきたのでそそくさと下山しました。
登山口まで下りてくると、藪の中でギィギィと小鳥の声が

ソウシチョウ

ソウシチョウです。

かなり警戒されてしまいました。

近くに巣でもあるのかな?

特定外来種ですが、在来の生態系への影響は今のところ確認されていないそうです。

きれいでかわいいんですけどね。

いずれウグイスとかメジロの生息に影響するかも…

 

ということで、湿気で蒸し暑い中、ゆっくりと散策してきました。

登山口の駐車場に着くなり、豪雨となりました。

早めに下りてきてよかった。

 

2025年7月12日山行

 

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脊振山麓徘徊

先月のくじゅう以来、山に出かけることができませんでしたが、久しぶりに脊振山麓をうろうろと歩き回ってきました

椎原川上流の沢

今年は梅雨が短くて、暑い時期が長くなりそうですね。

まずは涼しい沢の風景を

 

ところで、梅雨は明けましたが、今年の梅雨明けは時季の早さ以外に(まあ、それも関係するのですが)例年と雰囲気が違うことに気がつきました。

毎日晴天続き、早朝からの日差しで目が覚めますが、梅雨明けから騒ぎ始める「うるさいやつ」が今年はまだ姿を現しません。

そう、セミです。

多分例年の梅雨明け時季である7月半ばまでは、まだ地中に潜んでいるんでしょうね。

天気には左右されない、律儀な生態です。

さらにいうと、毎日猛暑が続きますが、稜線の風は例年の夏(梅雨明け以降)より涼しく感じます。

北風が強めだったようです。

 

メタセコイア(ヒノキ科)の森

夏のメタセコイアの森は、いつもにも増して「ジュラシック感」が満載です。

小型の恐竜か1m以上もあるトンボが飛んできそうな雰囲気。

 

アカガシ(ブナ科)の森

脊振山から金山周辺にかけて、ブナ林やシデ類等落葉樹林に混じってアカガシの森が広がっています。

ブナ科の常緑樹の中では最も標高の高い場所に生息するカシです。

蝶の専門家の間では「キリシマミドリシジミ」の生息地として有名です。

幼虫が主にアカガシの若芽を食草としているそうです。

 

虫・小動物

沢沿いや林道沿いでカワトンボを2種見かけました。

ミヤマカワトンボ

アサヒナカワトンボ

上の2種はよく似ていますが、翅に黒い帯があるのがミヤマカワトンボ、翅全体が濃い茶色なのがアサヒナカワトンボ…多分。

ただ、アサヒナカワトンボは、地域によって透明な翅、薄い色の翅など様々です。

この他にも、これらによく似たニホンカワトンボも脊振周辺でよく見かけます。

 

久しぶりに会えました

サカハチチョウ

サカハチチョウです。

昔は親しみを込めて「さかはっちゃん」と呼んでいました。

これは夏型の個体で、春型より翅のオレンジ色が少ないので、一見イチモンジチョウと見間違えます。

春型は、オレンジが強くて見た目が全然違います。

この子もどこかで戦ってきたのか、上翅、下翅の一部が少し欠けています。

 

ミドリヒョウモン

稜線のササヤブにミドリヒョウモンがいました。

同じくタテハチョウの仲間ですが、このヒョウモンチョウの仲間は、翅の表の模様がどれもよく似ていて、下翅の裏の模様にそれぞれ特徴が見られます。

なので、われわれちょうちょの素人では表の写真だけで「これなんでしょう?」と訊かれてもわからないことが多いですね。

 

ツマグロバッタ

同じくササ原にツマグロバッタがいました。

後ろ脚の関節のあたりが黒いのでわかりやすいですね。

 

ブチサンショウウオ

非常にわかりにくいですが、ブチサンショウウオ。

今年も元気に生まれたようです。

本当にちょっと環境が変わると絶滅しそうなほどはかない生き物です。

 

今、標高が高い沢沿いではヤマアジサイが花盛りです。

ヤマアジサイ(アジサイ科)

受粉の終わったヤマアジサイ

周辺にある花びらのようなものは花ではなく「装飾花」と呼ばれ萼片が変化したものだそうです。

真ん中の地味な花では、虫が来てくれないので装飾花が看板代わりなのでしょう。

…で、受粉が終わると下の画像のように装飾花が下を向いてしまします。

面白いですね。

 

オカトラノオ(サクラソウ科)

「トラノオ」と名のつく花の中で一番「虎の尾」らしい姿の花がオカトラノオです

…多分

まだ、これから花が咲きそうですね。

 

これも夏の花です。

テリハアカショウマ(ユキノシタ科)

これは…とくに思い入れはないのですが、似たような花が多くて、判別に苦労します。

地方によって変異も多いようです。

これは、テリハアカショウマで間違いないと思います…多分(苦笑)

 

コケイランモドキ(ラン科)

これも福岡県のRDBで絶滅危惧ⅠB類となっています。

減少している原因は、イノシシによる食害、盗掘などだそうです。

 

 

バイケイソウ(シュロソウ科)

バイケイソウも福岡県では絶滅危惧Ⅱ類となっています。

原因は「遷移進行」となっていますので、周辺環境の変化でしょうか。

ただ、大きく見れば温暖化の影響等も出てくるかもしれませんね。

今の時期はもう花も終わりかけています。

元気な姿は、前回のくじゅうの記事に載せていますので、ご覧ください。

 

 

トチバニンジン(ウコギ科)

トチバニンジンは、花よりこの後の赤い実が放射状につく姿が目立つし、面白いですね。

薬草にもなるそうです。

 

オニコナスビ(サクラソウ科)のつぼみ

いつもの場所ではありませんが、オニコナスビのつぼみが出ていました。

いつもの場所は、つぼみが見つからなかったことと、イノシシか踏み荒らしか、少し数が減っているように思いました。

これも絶滅危惧ⅠB類となっていて、環境相の評価でも同じです。

原因は、やはり「遷移進行」と「踏みつけ」になっています。

もうすぐ花の季節ですが、写真撮影などの際の踏みつけには十分注意してください。

おそらく、全国的にも脊振近辺にしか残っていない可能性があります。

大事にしましょう。

 

最後に面白いものを見つけました。

アカガシ(ブナ科)とコハウチワカエデ(ムクロジ科)

18禁です(笑)

アカガシとコハウチワカエデが濃厚に抱き合っていました。

…いや、実は戦っているのかもしれませんね。

 

ということで、今回は平地で35度近くまで気温が上がった日曜日でしたが、稜線は28度くらいの涼しい…いや、やっぱり暑かった。

次は沢歩きがしたいなあ・・・

 

2025年7月6日山行

 

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