日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

八ケ岳ライフ

疲れたシュガーダディ

肩がこる。高校生のころからひどい肩こりだった。液体の鎮痛剤を塗っていたが、効果は一時的だった。貼るタイプの消炎剤にもお世話になった。貼った瞬間は気持ちよい。しかし、こちらはサロメチールのにおいがする。スポーツもやっていないのに恥ずかしい。…

山肌の信心

僕の家から歩いても十五分か。小さな神社がある。参道がすでに何かに満ちている。 鳥居。古びた石で組まれている。物理学的に考えてもあまり安定した形ではない。トップヘビーだから。稲荷神社にある赤い木の鳥居はどうか。あれは可愛らしい。か細くて、いか…

可哀想なウォルフガング

なんてこった、と思ったけれど、少し笑った。 人間ならば誰もが知るだろう、いや、耳にタコができるほど聴いた旋律がある。多分これは、世界で一番有名な旋律だ。幼童ですら口にするのだから。僕はそう思う。一体それは何だろう。 娘が幼稚園の時だっただろ…

山の話 悔恨

あの頃は本当に毎月山に登った。何がそこまで楽しかったのか。もちろん今も好きで、頻度は落ちたけれど、心は常に山に在る。 還暦の前に癌になった。虹の上の世界はどんなものだろう、川が流れて花が咲き乱れる?それは空想の世界であって、実際の病室は諦め…

方言まつり

ほれ、それ取ってけし!なんぼじゃ?三つ四つで、ええがや。ほんなら、決まったんなぁ。まるう治まって、ええなぁ。袋は、そこにあるら。早くかたそう。残ったら勿体ないじゃん 畑で採れた桃が箱の中に並んでいる。夏の暑い日にそれを冷やして食べるのは魅力…

食べても、いいですか?

クマが住民にあたえる被害が伝わる一年だった。自然破壊、温暖化、異常気象、餌不足。果たして僕らはクマを責められるのだろうか。豊かな広葉樹の森林を伐採して、当時こそ価値があると思われ、また成長も早いと言われていた杉やヒノキを植えたという戦後の…

反省会

今日のステージは人が多かったね。俺、間違えちゃった。あの裏に入れるところ。GだったのにD。ミストーン。しかもズレたし。まぁ五度だからいいか。関係ないよ、だって俺はすっぽり抜けたよ、ブリッジの四小節、繰り返さなかった。アタシは歌詞を飛ばしちゃ…

消えたエクセル

そこは病院だった。突然意識を失い倒れたので、入院の準備も何もなかった。 手術を終えると集中治療室。自分はそこで目が覚めた。持ち物はスマホだけだった。病院からレンタルされているパジャマを着ていた。下着は紙オムツ一枚で、陰茎から導尿管の管が伸び…

渦巻くスクランブル交差点

今でも時々渋谷に行く。移住した高原の街から数時間かけて。ベースギターを肩にしてスタジオへ向かうのだった。学生の頃は門を出て青山通りを緩く下って駅だった。そこで電車に乗り真っ直ぐに帰宅したことなどほとんどない。そのままハチ公に挨拶をしてセン…

画伯と作家そして登山家

ご本人を称するとき、画伯と呼んでいる方も居れば、作家と呼んでいる方も居る。しかし彼の書を開くと、登山家とも知るし、カントリーバンドのメンバーであるともわかる。彼の山は三つ峠と谷川岳に始まり穂高へ。そしてアイガー東山稜からヒマラヤのメラピー…

大移動の人

カーテンを開けると甲斐駒ケ岳が、輝いている。花崗岩の山が光を放つわけもない。太陽があたり、空に白い山肌が反射するのか、あるいは一足早く雪が降ったのだろう。そして透明な空気はそんな冷たさを遠慮なく伝えてくる。 さて、服はどうするか。悩む。今朝…

生き急ぎ

水着を履いたのはひと月ぶりだった。 とある人と会合してからもう二十日近く経ってしまった。その方はマスクをされてはいたが、翌日インフルエンザと判定されたという。 と同時に、自分も咳が出始め、喉の痛みもあった。翌日には熱も出た。医者に行ったが、…

色の競争心

勝負ごとにこだわるのが好きではなかった。勝っても負けても、自分には関係がないと思っていた。子どもの頃は、巨人が勝つと嬉しかった。それは王や長嶋が活躍すると格好よかった――それだけのことだ。 歳を重ねてからは、そんなことにいちいちエネルギーを費…

摂氏二百度のぬくもり

太陽って、暖かいよね。いったい何でできているのだろう。なぜ燃えるのかな。どのくらいの温度があるのだろう。そんな疑問は、子どもなら誰もが一度は抱くはずだ。 「太陽は太陽系の中心にあり、水素とヘリウムでできた高温のガスの塊で、その表面温度は約六…

黒いまなこ

ここ数日、咳が止まらない。コロナでもインフルエンザでもなかった。普通の風邪だ。咳をするたびに右の肺の下あたりが差し込むように痛む。悪いことに、寒気もまたぶり返してきた。 寒気は急にやって来る。ガタガタと震えだす。トイレもそこそこにベッドに倒…

冷たい湿度

寒いと乾燥するものだ。テレビの天気予報では「乾燥に注意。火事に気をつけましょう」と話される。ウイルスが風に乗ってくるのか、街行く人のマスク越しの顔も赤い。熱があるのだろうか。 ここ数日、ずっと風邪気味だった。もともと喘息を持っているのだから…

他山の石 - クマの国から

世の中の話題は、いったいどこから湧いてくるのだろう。季節の話、政治、スポーツ――特に大谷選手の活躍は、日本中を明るくしてくれる。報じる側にとっても格好の題材だろう。 だが、世の中を賑わせているのはそればかりではない。芸能人の性加害や被害、米騒…

アキレウスの戦車

あれ、サツキは二本植えたはずだ。一本はどうしたのかなぁ。 高原に冷たい空気が落ちてきた。まるで投網のような寒気団だった。漁師は網を投げて、しばらくしてから裾を引っ張る。カサゴにスズキがたくさん入っている。船に上げると網が小さく跳ねまわり、陽…

夜の雲

週に一、二度、都会に通っている。特急列車で一時間十五分、関東平野の西端の駅に着く。そこから横浜の港へ向かう通勤電車に乗り換えて職場に着く。通勤電車の風景は今も昔も変わっていない。変わったと言えば誰もがスマホを見ているだけで、相変わらずぎゅ…

花を落とす日

お友達の奥様が見えた。ご夫妻と知り合ったのはもう三十年も昔だろうか。その頃は都会に住んでいらしたが高原に移住されたのはもう十五年も前だろう。 以来登山やサイクリングの帰り道に立ち寄っていたらいつか自分も還暦の年からその高原に住むようになった…

霧と言う言葉は何故か好きだ。すべてをミルク色に染めてしまう。良いことも悪いことも霧の中に隠れるのだ。今朝起きると窓の光が白かった。居間のカーテンを開けると乳白色だった。手を伸ばせが粒子をつかめそうだがそうもいかない。霧の正体はもちろん水分…

山の風

吹き下ろしと言うほどもないが、山の風がやってきた。高いところでゴオッと鳴っている。 窓から見る庭のブナの木は大きく揺れ、すっかり黄色くなった葉が忙しく踊る。しかし急におとなしくもなる。山の風は気まぐれのようだ。 これまで味わった風で一番強か…

緑の公園

十月も半ばだというのに暖かい日差しが惜しみなく降り注いでいた。自宅に帰って食べようとパンを買ったのだが気が変わった。自宅から車で十五分の距離に自然公園がある。そちらに寄り道をして、そこで昼食としようと考えた。 海抜は1300メートル弱だろう…

表と裏

娘が時折孫の写真を送ってくれる。今は便利で動画も送られてくる。それを見ては毎日笑っている。まだ二歳にもならぬがすでに彼はアンパンマンが好きで、保育園でのお友達が持っているプラレールにも興味津々らしい。鉄道ファンのオジイチャンとしては嬉しい…

いずれは我が身

♪八時ちょうどの あずさ2号で そう歌われた特急あずさ。歌では信州に向けて旅立つ「私」が乗ることになっている。 信濃路へ旅立つのです、歌はそう続く。信濃の国は都会の人にはさぞや魅力的なのだろう。実際自分も好きだった。バイクツーリングの行き先とし…

肌を刺す風

カーテンを開いた。よく晴れて甲斐駒ケ岳が手に取るように近い。こんな日はきっと寒いだろう。 ガラス戸を開けてデッキに出た。外の温度計は18度か。数字だけでは快適なはずだが風が強かった。北西から吹いてくる。 どのような気圧配置なのか分からないが…

進めフュージョン

あれは高校の文化祭だった。体育館のステージの上、クラスメイトがギターを持ち、ある級友はベース、そしてドラム、それにキーボードだっただろうか。いくつものバンドが出てきたが、多くは英国のロックバンド、ディープパープルとレインボーのカバーだった…

冬待つランタン

ウッドデッキでの夕べに欠かせないオイルランタン。ホヤを上げて芯を出して百円ライターで火をつけるだけだ。ポッと赤い火がつく。レバーを戻してホヤを閉じる。ボオッと燃えるランタンの炎は心を温める。春から晩秋まで、ビールやワイン、ウィスキー、それ…

持ち上がらない・・

ごめんね、昨年より値上げしているけど、いいかな?そう友人は言うのだった。世をにぎわした米騒動。店と言う店から米が無くなり、値段も倍近くになっただろうか。政府の肝いりで備蓄米も放出され、海外の米も入ってきた。 職場の同僚が米農家と知り、売って…

乗り遅れ

今もあるのだろうか。乗り遅れ。朝の通勤電車は痛勤電車と揶揄されるほど混んで、まさに乗っても痛いほどに苦しかった。すし詰めなのでホームに駆け込んでも乗れない。電車は行ってしまう。肩を落として並ぶ。 我が家の畑は未だ夏野菜が頑張っている。さすが…